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2015年 Vol.103 No.6 2015-06-05

肺高血圧・肺血栓塞栓症 見逃すことなく最

定価:本体2,500円+税

冊 

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掲載論文

focal point――特集のねらい /今井 靖
◆肺循環にかかわる疾患概念・治療薬 総論
肺高血圧症の診断基準・鑑別疾患 /福井重文,他
肺高血圧症に対する治療薬の使い方 /波多野 将
肺高血圧症を日常診療でいかに見つけ出すか
――症状・理学所見・心電図・X線検査から大事なサインをとらえるために /西村芳興,他
◆肺高血圧・肺血栓塞栓症 各論
肺性心――呼吸器疾患に関連した肺高血圧症 /笠原靖紀
左心不全に合併した肺高血圧症 /山本一博
特発性肺動脈性肺高血圧症 /赤木 達
膠原病に関連した肺高血圧症 /桑名正隆
肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 /徳山権一
先天性心疾患における肺高血圧症,Eisenmenger症候群 /片岡功一
血栓素因の考え方――先天的要因・後天的要因 /神崎 綱
肺高血圧症 ・右心不全の心エコー図評価 /谷 知子,他
◆肺高血圧・肺血栓塞栓症に対するストラテジー
肺高血圧症に対するカテーテル検査 /牧 尚孝
肺血栓症に対する最新のカテーテル治療 /石黒晴久,他
下大静脈フィルターを入れるべきか,留置を継続すべきか /杉本貴樹
肺移植の日本における実情 /三好健太郎,他
エンドセリン1(ET1)および受容体の役割――エンドセリン発見から最新の治療まで /栗原裕基
PDE5阻害薬の心臓・血管に対する効果――基礎医学の立場から /瀧本英樹
悪性腫瘍に関連する血栓症・腫瘍塞栓・pulmonary tumor thrombotic microangiopathy /林 洋子,他
◆連載
◎症例を俯瞰する総合診療医の眼
 多発性の関節炎と高熱で来院した10代後半男性 /柳 秀高,他
◎人気の診療科紹介
 江別市立病院総合内科 /阿部昌彦,他
◎注目の新薬
 ダクルインザ®(ダクラタスビル),スンベプラ®(アスナプレビル) /高尾智也,他
◆臨床例
腹部CTにて術前診断された虫垂憩室炎の1例 /高尾智也,他

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ねらい

 今回は肺循環を話題に取り上げ,「肺高血圧症・肺血栓塞栓症」というタイトルとした.“肺高血圧症”は循環器の特殊領域というイメージが拭えないが,今や話題の分野である.頻度は低いが日常臨床の中に潜み,その発見はわれわれ現場の医師の任務である.
 肺高血圧症は平均肺動脈圧25 mmHg以上と定義されるが,カテーテルを挿入しない限りこの平均圧は求められない.心エコーでは三尖弁逆流速度から右室収縮期圧を推定できるに留まる.その点で日常現場では問診・理学所見は勿論,右室負荷・肥大,肺血管拡張などの所見を押さえる.心電図を例にあげれば,V1誘導でR波増高を認めた場合,右脚ブロック,後壁心筋梗塞とこの右室肥大を鑑別する.
 肺高血圧症は①肺動脈自体の収縮・狭窄・閉塞などによる肺動脈性肺高血圧症,②左心不全に伴う肺高血圧症,③肺実質病変に伴うもの等,病態は多彩であるが,特に肺動脈性肺高血圧症はエンドセリン拮抗薬,PDE 5阻害薬,プロスタグランジンおよびその誘導体という三つの柱があり,従来予後不良といわれたこの病態に光明が開けた.エンドセリンは特に日本人の手で発見され病態生理が解明された強力な血管作動性ペプチドで,その受容体拮抗薬は今や肺動脈性肺高血圧症へ適応が広がり多用されている.PDE 5阻害薬はその血管拡張作用ゆえにED治療薬として一世を風靡したが,肺血管,特に肺高血圧症など病的な肺血管においてPDE 5が高発現でありPDE 5阻害薬により肺血圧低下作用が得られることから,わが国においても10年以上前において適応外使用として肺高血圧症に試験的投与されてきた.今や複数の薬剤が保険収載され,エンドセリン受容体拮抗薬とともに肺高血圧症の代表的治療薬の地位を得ている.そのほか,肺高血圧症においては膠原病に合併することを念頭に置き,免疫抑制剤投与の対象になるかどうかを評価することが必要であり,また,わが国の先天性心疾患で成人した患者は40万人に達するが,その中に肺高血圧症患者が少なからず存在する.
 肺血栓塞栓症は外科手術後の深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症,また突然発症の呼吸困難・循環不全の鑑別にあげられる身近な疾患であるが,必ずしも日常臨床の中で初期診断に至ることは容易ではない.低酸素血症を呈しているにもかかわらずうっ血所見がない,心電図での急性右心負荷所見,Dダイマーの上昇,下腿浮腫・下腿把握痛などが診断根拠となるが,専門施設では胸部から下肢に至る造影CTによって肺血管内血栓・下肢深部静脈血栓症の血栓の描出により最終診断を行うことが多い.血行動態が破綻した場合は,カテーテル的血栓破砕,血栓溶解療法などが実施されるが,多くの場合にはヘパリン静注,Xa阻害薬アリクストラ投与を急性期に行って,ワーファリン,あるいは非弁膜症性心房細動にも適応のあるエドキサバン(Xa阻害薬)の慢性的投与へと引き継がれる.
 このように,5~10年前からみれば大いに様変わりし,多彩な治療戦略が可能となった.この新しいステージに入った肺高血圧症および肺血栓塞栓症といった疾患の診療に対し,本特集号が最適な診断・治療を行うための一助になれば幸いである.


自治医科大学内科学講座循環器内科学部門
東京大学大学院医学系研究科
今井 靖

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