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連載 「症例を俯瞰する総合診療医の眼」 「人気の診療科紹介」 「注目の新薬」.

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2017年 Vol.105 No.2 2017-02-06

心電図 実践診療で役立つコツ

定価:本体2,500円+税

冊 

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掲載論文

focal point―特集のねらい/今井 靖
◆オーバービュー
心電図 日常臨床に活かす/三田村秀雄 
◆12誘導心電図を読み解くコツ
急性冠症候群の心電図診断と急性肺塞栓との鑑別/小菅雅美 
心肥大,心室・心房負荷/石川讓治 
脚ブロック,心室内伝導障害/鈴木健樹 
上室性頻拍,WPW症候群/山部浩茂 
心房細動・心房粗動/稲村幸洋,他 
心室期外収縮,心室頻拍/長谷川奏恵,他 
QT延長症候群,Brugada症候群,早期再分極症候群/清水 渉 
徐脈性不整脈:洞不全症候群,房室ブロック/河野律子 
先天性心疾患・小児の心電図所見を知る/金子正英 
注意すべき心電図変化のエトセトラ 心臓周囲・非心臓疾患も想定を/今井 靖 
◆負荷・ホルター心電図と最新の視点
運動負荷心電図/上嶋健治 
ホルター心電図 判読ポイント/杉山裕章 
加算平均心電図,T波オルタナンスの活用/福永俊二,他 
心電図を起電力ベクトルから読み解く/假屋太郎 

◆連 載
◎症例を俯瞰する総合診療医の眼
発熱,関節痛および手掌紅斑をきたした17歳女性/高橋雄一,他
◎人気の診療科紹介
八戸市立市民病院救命救急センター/今 明秀
◎注目の新薬
ムルプレタ®(ルストロンボパグ)/清家正隆

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ねらい

 心電図検査は日常診療で頻回に実施される検査ですが,自動診断が優れていることもあり,ついその結果を鵜呑みにして波形そのものが十分に読影されていない場面が散見されます.しかしこのたった1枚の心電図から,急性冠症候群(急性心筋梗塞・不安定狭心症),心室性不整脈,肺血栓塞栓症などの循環器系の救急疾患が診断されることも多く,迅速かつ正確な読影が現場では求められます.
 12誘導心電図を読むときに調律診断と波形診断をするわけですが,まず調律診断はパターン化して解読できます.心房・心室期外収縮は最も多く認められる所見で,大半の場合放置してよいものですが,頻度が多い場合は,背景疾患や他の不整脈のトリガー,心機能への影響も考慮し精査加療を要することがあります.頻脈の場合,規則的でnarrow QRSであれば上室頻拍か心房粗動(2:1伝導で心拍数が150/min程度が多い)であることが多く,QRS波が不規則であれば,まず心房細動を想定します.wide QRS tachycardiaはリスクの高い心室頻拍をまず想定しますが,上室性不整脈であっても変行伝導・脚ブロックなどでwide QRS tachycardiaを呈することがあります.徐脈性不整脈の代表は房室ブロック,洞不全ですが,特に2度Mobitz II型,完全房室ブロックは要注意です.
 次に波形診断ですが,P波では正常な洞調律か,心房負荷があるかどうか.PQ時間は正常0.12~0.20 secですが,短縮は副伝導路を想起,延長は1度房室ブロックとなります.QRS波は幅が狭いこと,軸が正常であること,異常Q波の有無,R波の減高がないかどうかをみます.陳旧性心筋梗塞ではII/III/aVF下壁,I, aVL,V5-6側壁,V1-4前壁中隔)とパターン化できます.左室肥大,右室肥大の診断,軸が顕著に左軸偏位であれば左脚前枝ブロック,右軸であれば後枝ブロックとなります.QRS幅が広い場合には右脚ブロック,そして左脚ブロックが多く認められますが,左脚ブロックには背景疾患が多く存在するため精査を要します.ST部分は上昇があれば,急性心筋梗塞,異型狭心症,急性心膜炎,心室瘤など,ST低下は狭心症,心筋症,低カリウム血症などを想定します.特に下行型,水平型ST低下は心筋虚血を反映している可能性が高く注意すべきです.T波はQRS波が正常であればQRS波とT波の向きは同一であることが多いため,QRS波と極性が逆向きのT波,またT波増高・平低に注意します.QT時間について延長がある場合に,QT延長症候群や心筋症・心筋虚血・脳血管障害などによる延長を考える必要があります.
 12誘導心電図に加えて,日常臨床において遭遇する機会の多い運動負荷心電図,ホルター心電図,また突然死予知に関わる平均加算心電図,T波オルタナンス,小児から成人になる過程における心電図変化,ベクトル心電図についても取り上げております.
 今日,多数の優れた心電図テキストが出版されておりますが,この特集では教科書にはない,専門家の心電図を読み解く“コツ”“技”が満載です.心電図解読のパールズが凝集されたこの一冊を日常診療にご活用いただければ幸甚に存じます.

自治医科大学内科学講座循環器内科学部門
今井 靖

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