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書籍詳細

国立成育医療研究センター
新産科実践ガイド診断と治療社 | 書籍詳細:新産科実践ガイド

国立成育医療研究センター 副院長 周産期・母性診療センター センター長

左合 治彦(さごう はるひこ) 責任編集

初版 B5判 並製 240頁 2021年07月23日発行

ISBN9784787825001

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定価:6,380円(本体価格5,800円+税)
  

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国立成育医療研究センターの産科実臨床66項目が簡潔にわかりやすくまとまった書籍.「産科実践ガイド改訂2版」を全面改訂し,章の構成,項目立てのすべてを刷新.成育での症例カンファレンス,論文抄読会,蓄積されたデータをもとに,著者および複数の編集者により推敲が重ねられています.医師だけでなく助産師など産科診療に携わるすべての医療関係者に参考になる内容です.

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目次

〈新版〉はじめに
執筆者一覧
略語一覧

第1章 出生前診断
 1 出生前検査と遺伝カウンセリング
 2 NIPT
 3 コンバインド検査
 4 母体血清マーカー検査
 5 羊水検査
 6 絨毛検査
 7 胎児超音波スクリーニング検査

第2章 胎児治療
 1 胎児治療総論
 2 双胎間輸血症候群(TTTS)
 3 無心体双胎(TRAP sequence)
 4 胎児胸水
 5 胎児貧血
 6 胎児不整脈
 7 胎児下部尿路閉鎖
 8 先天性横隔膜ヘルニア

第3章 妊娠の管理
 1 妊婦健診のルーチン検査
 2 不育症
 3 体重管理
 4 妊娠初期・中期出血
 5 早産リスクの推定
 6 頸管無力症
 7 切迫早産
 8 羊水過多・過少
 9 胎児発育不全(FGR)
 10 妊娠高血圧症候群 ~定義・診断・リスク因子・予防~
 11 妊娠高血圧症候群 ~管理指針~
 12 妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠
 13 血液型不適合妊娠
 14 双胎妊娠
 15 三胎妊娠
 16 過期妊娠(予定日超過)
 17 前期破水

第4章 分娩の管理
 1 B群溶連菌(GBS)
 2 既往帝王切開・子宮手術後妊娠
 3 前置胎盤・癒着胎盤
 4 自己血貯血・輸血
 5 骨盤位妊娠
 6 無痛分娩
 7 分娩誘発
 8 産科危機的出血
 9 静脈血栓塞栓症
 10 帝王切開時・分娩後の予防的抗菌薬投与
 11 新生児蘇生法(NCPR)
 12 周産期心筋症
 13 周産期精神疾患

第5章 合併症妊娠
 1 プレコンセプションケア
 2 喘息
 3 甲状腺疾患
 4 自己免疫疾患
 5 抗リン脂質抗体症候群
 6 トランジション(成人期医療への)症例における妊娠

第6章 感染症
 1 B型肝炎(HBV)・C型肝炎(HCV)
 2 梅毒・クラミジア
 3 麻疹・水痘・ムンプス
 4 風疹
 5 トキソプラズマ
 6 サイトメガロウイルス
 7 HIV
 8 HTLV-1
 9 結核
 10 インフルエンザ
 11 COVID-19
 12 妊娠・授乳中のワクチン

第7章 薬剤
 1 妊娠中の薬
 2 妊娠中の処方例
 3 授乳中の薬

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序文

〈新版〉はじめに

 2009年に初版を上梓し,2014年には改訂第2版を出させていただきましたが,早いもので7年が経ちました.初版以来のこの本の基本コンセプトは「成育の産科実臨床を提示する」ことです.成育の産科診療の変化に合わせて改訂する必要があり,今回全面的に改訂して「新産科実践ガイド」として出版する運びとなりました.
 当センターでは開院当初から出生前診断と胎児治療に積極的に取り組んできました.NIPTや双胎間輸血症候群に対するレーザー手術の普及により,出生前診断と胎児治療は今や産科診療の一分野として欠くことできないテーマとなりました.また世界を襲ったCOVID?19感染によって感染症が古くて新しいテーマとして再認識させられました.そこで本書では出生前診断,胎児治療,感染症の章を新たに設けました.
 成育の産科診療は,カンファレンスなどで日々の臨床における症例検討を重ね,抄読会等で学んだことに加え,当センターの蓄積したデータを検討して臨床にフィードバックして治療方針を見直すという姿勢で取り組んでいます.本書はその成果をまとめたもので,この時点での当センターにおける産科診療の実際,すなわち成育ではこのように診療しているということをまとめたものです.当センターの医療者だけで執筆し,各章の編集担当者と私で責任をもってまとめました.したがって,わが国のスタンダードとか,ガイドラインなどというつもりはなく,他のよりよい治療方針の可能性を否定するものではありません.成育の実際とその元となる考え方を参考にして,日々の産科診療に生かしていただきたいという思いの本です.
 本書は医師や助産師など産科診療に携わるすべての医療関係者に参考になる内容だと信じています.執筆された諸氏の努力に深謝するとともに,本書が読者のみなさんの明日からの産科診療に少しでもお役に立てればと願ってやみません.


2021年7月

左合治彦
執筆者を代表して