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診断と治療社 | 雑誌詳細:産科と婦人科

産科と婦人科

精選された情報満載読者各位にとって欠かすことができない情報をタイムリーに提供. 「生殖おもしろ話」・「外界事情」・「青い血のカルテ」・「産婦人科診療 私のコツ」など連載も充実.

抜群の読みやすさオール2色刷り.一目でキーポイントがわかるレイアウト.

充実したラインナップ日常診療の場で即役立つ「増刊号」を年各1冊発行.日進月歩で激変する医学界のキーワードを読み解き,読者各位の壮大な負託に応えるべく「産科と婦人科」は微力を注ぎます.

2018年 Vol.85 No.9 2018-08-17

ここまで進んだ胎児治療

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

冊 

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掲載論文

企画 田中 守

1.胎児治療総論/ 左合治彦 
2.胎児治療の倫理問題 / 掛江直子 
3.二分脊椎症に対する低侵襲胎児内視鏡下修復手術の現状と将来像 / 石井陽一郎・他 
4.TTTSに対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)/ 村越 毅 
5.胎児仙尾部奇形腫(SCT)に対するラジオ波焼灼術/ 高橋雄一郎・他 
6.胎児胸水・CPAMに対するシャント手術の適応と実際/ 松下 充 
7.胎児下部尿路閉鎖症(LUTO)に対する新しい胎児治療:胎児膀胱鏡の試み / 石井桂介 
8.EXIT (ex utero intrapartum treatment)の適応と手法/ 岩垣重紀・他
9.先天性横隔膜ヘルニアに対する胎児鏡下気管閉塞術の適応と実際 / 和田誠司・他 
10.胎児採血・輸血の適応と実際 / 笹原 淳 
11.重症先天性大動脈弁狭窄・閉鎖に対する胎児治療の適応と実際 / 杉林里佳・他 
12.胎児不整脈に対する胎児治療 / 三好剛一・他 
13.羊水幹細胞を用いた胎児治療(現状と将来像) / 落合大吾・他 
14.細胞スフェロイドを用いた胎児治療 / 渡邊美穂 

連載
医療裁判の現場から 第10回
医師の証明妨害行為(診療録等の改ざん・看護師への偽証教唆)について刑事処分・行政処分(医業停止処分)がなされたほか,民事訴訟においても損害償責任を負うものとされた事例 / 清水 徹 

若手の最新研究紹介コーナー
Clinicopathologic analysis of synchronous ovarian malignancy in young women with endometrial cancer
/ 坂井美佳 

Polypeptide N-acetylgalactosaminyltransferase-6(GalNAc-T6)is related to cell invasiveness and independently
 predicts good prognosis in patients with uterine endometrial carcinomas / 栗田智子 

来たれ!私たちの産婦人科 第21回
湘南鎌倉総合病院 産婦人科/バースクリニック/ 井上裕美 

Essay外界事情 
増加を続ける麻薬関連事故 / 矢沢珪二郎 

Essay青い血のカルテ 
スタンダール症候群と美容院脳卒中症候群/ 早川 智 

原著
女性の健診における経腟超音波検査-要精検者の年齢分布と診断・治療 / 浅田英子・他 

症例
3回の子宮鏡下手術を経て子宮体癌の合併を認めた異型ポリープ状腺筋腫の1例 / 宋 淳澤・他 
帝王切開後にtoxic shock syndromeを発症した1例/ 益子沙友里・他 
妊娠悪阻に対する点滴治療中に感染性心内膜炎および脳塞栓を生じた1例 / 江﨑正俊・他 


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ねらい

 超音波断層装置の発展・普及とともに,今までブラックボックスだった母体のお腹の中の様子が可視化され,胎児の多くの病気が出生前診断されるようになってきた.とくに出生後の治療では救命することが困難な疾患を中心に胎児期に治療を行う“Fetus as a Patient”ということがいわれるようになって,胎児治療が行われてきた.
 古くは30年以上前の1981年にLancetへ掲載されたRodeckらの胎児血管内輸血の報告に始まった.胎児採血により今まで未知の領域であった胎児の血液ガス所見や,今まで救命することが困難であった血液型不適合の胎児水腫児に対する胎児輸血による救命ができるようになった.その時代には国立循環器病センターの千葉先生を中心に日本オリジナルの胎児胸腔羊水腔シャント術用のバスケットカテーテルが開発され,現在も多くの施設で使用されている.さらに1990年のDeLiaらによる双胎間輸血症候群(TTTS)の胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)の報告が端緒となって,胎児鏡下の手術の可能性が示され,わが国においても次々に新しい胎児手術が試みられるようになってきた.
 一方,実際の胎児治療は適応症例の数が少ない稀少疾患であることが多く,その治療効果についてのエビデンスを得ることがむずかしいという側面もあり,われわれが黎明期に感じていたほどの進展がみられないのも事実である.そのなかでFLP,腔水症に対するシャント術,胎児輸血等は着実な治療法としての地位を確保し,さらに先天性横隔膜ヘルニアに対する胎児鏡下手術や先天性大動脈弁狭窄・閉鎖に対する胎児治療等も試みられるようになってきた.
 また,すべての胎児治療は内科的治療であれ,外科的治療であれ,基本的に母体にとって有害なものであり,そこには母体胎児葛藤とよばれる胎児の道徳的地位と妊娠女性の利益の問題が存在している.
 本特集では,幹細胞を用いた最新の胎児治療の試みから,胎児治療として実績を上げてきているTTTSに対するFLP治療,胎児輸血,シャント手術の実際について解説していただくとともに倫理的問題点についても踏み込んだ1冊としたい.

(慶應義塾大学医学部産婦人科 田中 守)

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