チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
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2019年 Vol.22 No.1 2018-12-26
子どもの病気のホームケア

定価:1,650円(本体価格1,500円+税)
Myオピニオン
便利さと科学の進歩の先に潜む落とし穴…小澤治夫
【特 集】子どもの病気のホームケア
(企画の言葉…横内裕佳子)
1 子どもの病気のホームケアとファーストエイドの基本…渡部誠一
2 熱がある…崎山 弘
3 けいれん・意識がおかしい…山田博之,前垣義弘
4 頭が痛い…藤田光江
5 鼻血・耳を痛がる・触る…有本友季子
6 咳が出る・ぜいぜいする…鈴木貴之,勝沼俊雄
7 腹痛・嘔吐・下痢がある…前原幸治
8 ぶつぶつ(発疹)がある…田中秀朋
9 おしっこが出ない,色が変,頻繁におしっこが出る…武田修明
Column 救急車のよび方~病気の場合~…福井聖子
Column 赤ちゃんが泣き止まない…蜂谷明子
【連 載】
◆ここが知りたい 子どもの薬 第5回
熱が高いときは薬を飲ませたほうがよいの?…石川洋一
◆小児保健・医療「すべきこと」「すべきでないこと」 第7回
臍ヘルニアの圧迫療法…奥山宏臣
◆できたが増える できる体のつくり方 第8回
くせ字がなおらない!…笹田 哲
◆スウェーデンでの研究生活はアドベンチャラス 第8回
ユースクリニック…武内 一
◆ようこそ絵本図書館へ 第1回
ロングセラー絵本の魅力…児玉ひろ美
◆育児Q&A
薬の塗り方,どっちが正しい?…横内裕佳子
◆海外文献の紹介
親の小児期の逆境体験は,子どもの行動上の問題の増加につながる……榊原洋一
前号の「子どものけがのホームケア」に引き続き今号では「子どもの病気のホームケア」を特集します.
子どもが医療機関を受診するおもな理由は,発熱や咳,下痢・嘔吐などの急な症状であり,夜間や休日に突然具合が悪くなることも多いため,日中になるのを待って「かかりつけ医」を受診すべきか,夜間や休日でも医療機関(救急病院・診療所)に行くべきか,それとも救急車をよぶべきかなど,判断に迷うこともあると思います.
どんな医療機関でも通常の診療時間内がスタッフも揃っていてもっとも機能が充実しています.夜間・休日は限られた人数で診療を行うので,平日の時間内受診と比べて十分な医療が受けられるわけではありません.時間外の救急受診は翌朝まで待てない状況のときのものと考えましょう.
たとえば熱や咳があってもふだんとあまり様子が変わらず,水分も食事も取れるような状態のときには無理に受診せず,ひとまず子どもをゆっくり休ませて,発熱や咳による苦痛をやわらげるホームケアをしてあげるのがよいでしょう.
適切なホームケアを行うためには子どもの機嫌,ふだんとの活気や顔色の違い等をよく観察し,しばらく様子をみるかすぐ受診する必要があるかを判断する必要があります.今回の特集がその一助となればと思います.
(国立病院機構災害医療センター小児科/横内裕佳子)