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書籍詳細

新腎生検の病理診断と治療社 | 書籍詳細:新腎生検の病理
腎臓病アトラス

慶應義塾大学名誉教授

坂口 弘(さかぐち ひろし) 編集

杏林大学医学部総合医療学教授

北本 清(きたもと きよし) 編集

吉祥寺あさひ病院名誉院長

中本 安(なかもと やすし) 編集

初版 B5判 並製 196頁 2003年09月15日発行

ISBN9784787813015

定価:本体3,800円+税
  

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腎生検組織診断のバイブル.腎疾患の診断・治療方法の選択・予後の推定など,腎生検から組織学的な情報を読み取るコツを伝授.医学生,研修医,臨床医,病理医必携の書.

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目次

I 腎臓の剖検病理から生検病理へ:組織診断を基にした糸球体腎炎の分類
II 用語の説明
III 正常の糸球体
IV 各種糸球体疾患と症状一覧
V 糸球体腎炎の組織診断と説明
 1.原発性糸球体疾患 Primary glomerular disease
  A.微小糸球体病変 Minor glomerular abnormalities
  B.巣状分節性病変 Focal and segmental lesions
   巣状分節性硝子化/硬化 Focal segmental hyalinosis and/or sclerosis
   (FSGS,FGS)
  C.びまん性糸球体腎炎 Diffuse glomerulonephritis(GN)
   1)膜性腎炎(膜性腎症) Membranous GN
   2)増殖性糸球体腎炎 Proliferative GN
    a)メサンギウム増殖性糸球体腎炎 Mesangial proliferative GN
    b)管内増殖性糸球体腎炎 Endocapillary proliferative GN
    c)膜性増殖性糸球体腎炎 Membranoproliferative(Mesangiocapillary)
     GN(MPGN type 1 & type 3)
    d)Dense deposit disease(MPGN type 2)
    e)半月体〔形成〕性(管外型)腎炎 Crescentic(extracapillary)GN
   3)硬化性糸球体腎炎 Sclerosing GN
 2.他の疾患に伴う糸球体病変
  A.ループス腎炎 Lupus nephritis
  B.IgA腎症(炎),IgA nephropathy(nephritis)(Berger disease)
  C.紫斑病性腎炎 Purpura nephritis
  D.グッドパスチャー症候群 Goodpasture syndrome
  E.クリオグロブリン血症性糸球体腎炎 Cryoglobulinemic glomerulonephritis
  解説)腎臓の血管系
  F.結節性多発動脈炎 Polyarteritis nodosaとANCA関連血管炎(ANCA-
   associated small vessel vasculitis)
  G.血栓性微小血管症 Thrombotic microangiopathy
   1)溶血〔性〕尿毒症症候群 Hemolytic uremic syndrome
   2)血栓性血小板減少性紫斑病 Thrombotic thrombocytopenic purpura
  H.良性腎硬化〔症〕 Benign nephrosclerosis
  I.悪性腎硬化〔症〕 Malignant nephrosclerosis
  J.強皮症腎 Scleroderma kidney
  K.糖尿病性腎症 Diabetic nephropathy
  L.アミロイド腎症,腎アミロイドーシス Renal amyloidosis
  M.単クローン性免疫グロブリン沈着症
    Monoclonal Immunoglobulin Deposition Disease
   付)マクログロブリンの糸球体毛細血管血栓
  N.リポ蛋白糸球体症 Lipoprotein glomerulopathy
  O.アルポート症候群 Alport syndrome
  P.菲薄基底膜症候群(病)Thin basement membrane syndrome(disease)
  Q.Fabry病 Fabry disease
  R.Collagenofibrotic Glomerulonephropathy
  S.高齢者の腎疾患
  T.末期腎 End-stage kidney
VI 尿細管間質病変
 1.間質性腎炎 Interstitial nephritis
  付)急性腎盂腎炎
 2.急性尿細管壊死 Acute tubular necrosis
VII 実際に光顕,電顕,螢光の標本をみる時の基礎知識
 1.光顕標本をみるときに
 2.電顕に関する基礎知識
 3.螢光抗体法のポイント
 4.反復腎生検と組織像の改善
 5.他の報告と症例分布を比較するとき
 6.腎生検の実際

 腎臓の病理学でよく用いられる略語

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序文

 本書の原典というべき「腎生検の病理」の初版は,1983年(昭和58年),今から20年前に刊行されました.
 当時,慶應義塾大学医学部病理学教授であり,WHO腎疾患分類会議に我が国の代表として参加されていた坂口弘先生が,腎病理組織のWHO分類を広めることも目的のひとつとして本書の出版を企画されました.
 坂口先生は,腎の病理組織学を学ぼうとする人々に大きな経済的負担をかけずに,その基本がやさしく学べるような本を作りたいとおっしゃいました.そして,「お前も勉強しろ」という意味で,先生の下で博士論文のために御指導を受け,腎臓内科医として腎生検を担当していたものの腎病変をまともに読むことのできていなかった小生をパートナーに選んでくださったのです.
 そこで,先生のお書きになった原稿をいわばたたき台として,初学者にはわかりにくい表現や臨床では通常使われていない用語などを具体的な日常に使われている表現に変え,さらに,組織の写真上には直接矢印などをつけて,組織所見を文章で表現すると同時に,その病変を確実に認識できるように工夫しました.この方法は初版の時に書評を書いてくださった重松教授にも評価していただいたことを憶えております.
 1998年,坂口先生が亡くなられた後は,先生の御遺志もあり,改訂第4版以後の増刷はしないということになっておりました.しかし,その後も日本各地の先生方から「腎生検所見の読み方をあの本から学んだから,教科書としてもぜひ復刻して欲しい」というご要望を数多くいただいておりました.
 改訂して復刻することにしてもこの20年間の腎臓病学の進歩には目を見張るものがあり,とても小生の力だけではその長い間に蓄積された多くの新しい情報を盛り込むことはできません.そこで,長年にわたり,幅広く多くの臨床経験をお持ちで,日頃からご指導いただいている(現)吉祥寺あさひ病院名誉院長の中本安先生にご相談申しあげたところ,全面的なご協力をしていただくことができました.したがって,新しく追加された内容の多くは先生がお書きくださったものです.
 さらに幸いなことに,杏林大学学長 長澤俊彦先生,福岡大学医学部教授 斉藤喬雄先生,筑波大学医学部教授 小山哲夫先生に多くの貴重な資料の提供とご指導をいただくこともできました.
 以上のように,「腎生検の病理」をお読みくださり,そこをスタートラインにされた多くの医師,コメディカルの方々の熱意と本書の出版に多大なご協力,ご指導をいただいた先生方のおかげで,「新 腎生検の病理」が発刊されることになり,共著の一人として深く感謝申しあげます.
 基本に流れる坂口先生のポリシーに最新の情報の加わった本書が,腎臓病学を学ぶ多くの方々のお役に立つことを切望しております.

2003年8月
杏林大学医学部教授 北本 清