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書籍詳細

血糖認識トレーニング診断と治療社 | 書籍詳細:血糖認識トレーニング

神戸大学医学部保健学科教授

谷口 洋(たにぐち ひろし) 監訳

清恵会病院副院長・大阪医科大学非常勤講師

北岡 治子(きたおか はるこ) 訳

Daniel J. Cox,PhD 原著

Linda A. Gonder-Frederick,PhD 原著

Diana M. Julian,MA 原著

William L. Clarke,MD 原著

初版 A4変 並製 208頁 2004年02月16日発行

ISBN9784787813558

定価:本体2,800円+税
  

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糖尿病患者の低血糖の予測を行い予防することを目的として開発された血糖認識トレーニング法.患者さんをはじめ医師・コメディカルに向けわかりやすく解説.

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目次

まえがき

第1章 血糖認識トレーニングについて
第2章 内部キューとしての身体症状の使い方
第3章 内部キューとしての作業能力キューの使い方
第4章 内部キューとしての気分と感情の使い方
第5章 外部キューとしてのインスリンと時間の使い方
第6章 外部キューとしての食事とインスリンの使い方
第7章 外部キューとしての身体活動,食事,インスリンを用いる
第8章 全体をまとめて

血糖認識トレーニングのまとめ

インスリン製剤のまとめ

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序文

 1996 年に,Virginia大学のCox教授らによって開発され,今や米国をはじめ世界各国で実施されているBlood Glucose Awareness Training(BGAT)を翻訳し日本での臨床応用を開始するとともに,その応用に関する発表を得る機会を重ねるに従い,幸いにも各方面から日本語版マニュアルの供給が求められるようになりました。日本での糖尿病治療において,血糖認識,特に低血糖の認識に関する総合的なトレーニングはなく,以前,日本糖尿病学会における低血糖に関するワークショップに参加されたハーバード大学・ジョスリン糖尿病センターのホートン教授も,低血糖の予防におけるBGATの重要性を強調されておられました。今後日本においてもさらなる普及が期待されます。
 米国ではBlood Glucose Awareness Trainingは,現在Cox教授らによってインターネット上に発展していますが,日本での臨床応用を確実なものにするためにはやはり日本語のマニュアルが不可欠と思います。今回「診断と治療社」のご好意により,このマニュアルが多くの糖尿病患者さんならびに熱心な医療関係者のために出版される機会が得られ刊行する運びとなりました。この血糖認識トレーニングが,少しでも糖尿病患者さんの日常生活のお役に立つことを心より願います。
 
2004 年 1 月
北岡治子 清恵会病院副院長・大阪医科大学非常勤講師


まえがき
 血糖認識トレーニング-III(BGAT-III)はバァージニア大学における 14年以上にわたる研究の成果と,300人以上のI型糖尿病患者さんの努力により作成されました。この研究は国立保健研究所と多くの糖尿病関係の企業の寛大な補助を受けて行われました。また,ヨーロッパや北アメリカの専門家の貴重な貢献のお陰もあって作られたものです。特に,バンダービルト大学糖尿病センターの David Schlundt 博士とジョスリン糖尿病センターの William Polonsky 博士のこのマニュアルへの貢献と,両センターでの BGAT のモデル試験に謝意を表します。これらの努力のすべてが皆様のお役に立ちますことを心より望みます。
 糖尿病は危険をもたらすような血糖(BG)の上昇を引き起こす状態です。これは患者さんでは膵臓が血糖を下げるに充分なインスリンを産生しないか(1型糖尿病),身体が自身のインスリンを利用しないか,あるいはインスリンに対して抵抗性の状態にあるか(2型糖尿病)のいずれかによります。糖尿病を管理するためには,血糖を下げるインスリンや錠剤のような投薬が必要となります。これは正しい食事量と正しい運動量とともに正しい量の薬を用いるという,まさにバランスをとってゆく行為です。投薬や食事,運動量が多すぎたり,あるいは少なすぎたりすると高血糖や低血糖の原因となります。高血糖や低血糖は危険な合併症を引き起こすことになります。投薬と食事,運動量のバランスをとるためには,血糖がいつ高くなったり低くなったりしはじめるかを知る必要があります。BGATでは,人々に高血糖や低血糖を認識するのを手助けすることに重点がおかれています。
 我々は皆さんに,BGATによっていくつかの目的を達してもらいたいと思います。まず第一に,いつ血糖が高くあるいは低くなりそうかを予想できるようになることと,これらの低血糖や高血糖をどのように防ぐかを学ぶことです。これは寝ている間の低血糖を避けるためには特に重要です。第二に,BGATによって,血糖が高いあるいは低いことを知らせてくれる症状をよく認識できるようになることです。最後に,これは重要なことですが,BGATによってこれらの低血糖や高血糖をどのように効果的に治療するかを学んでください。これらの目標を達成することによって,皆さんが充実した,柔軟で,満足のいく生活を送りながら,重症の低血糖や糖尿病性昏睡をうまく予防できるようになるということを確信しています。
 このマニュアルをただ読むだけではこれらのゴールは達成できません。これらの知識をつかんで,それを日常生活に積極的に利用することによって,はじめてこの大きな目標を達成することができるのです。これが,なぜこのマニュアルに「ホームワーク」と練習の項目があるかという理由です。これらは,あなたがこのマニュアルのなかの言葉を,実際の行動に習慣として取り入れるのに役立つでしょう。
また,BGATが目的としていない点を知ることも重要です。
1.これは糖尿病の一般的な教育プログラムとなることを目的としているのではありません。そのかわり,これは特に,人々にどのようにしたら自分の血糖の変動にもっと気付くことができるようになるかを教育するという具体的なことを目的としています。
2.これは糖尿病の管理マニュアルとなることを目的としているのではありません。糖尿病の管理の仕方については,糖尿病の健康管理の専門家とよく相談しながら学んでください。
3.これは家庭での血糖自己測定の替わりやその回数を減らすことを目的としているのではありません。実際,血糖の変動によりよく気付くようになり,また,そうした能力を維持するためには,血糖自己測定が必要なのです。
皆さんが血糖認識トレーニングを頑張って最後まで終えられることを望みます。