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高密度焦点式超音波療法(HIFU)診断と治療社 | 書籍詳細:高密度焦点式超音波療法(HIFU)
前立腺癌に対する低侵襲治療

内田 豊昭(うちだ とよあき) 著

1版 A5 並製 104頁 2005年12月25日発行

ISBN9784787814654

定価:本体4,500円+税
  

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これまでの前立腺癌の標準的治療は開腹による根治的前立腺摘出術が 最も広く施行されていたが、術中の出血、輸血、合併症が生じた。本 書の高密度焦点式超音波療法はより低侵襲で体に傷をつけずに治療す るのが特徴である。その療法を具体的にわかりやすく解説している。

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目次

(1) HIFUの基本
 A.HIFUとは
 B.HIFUの歴史
 C.HIFUの焦点への集束
 D.焦点領域温度
 E.ヌードマウス移植腫瘍に対する増殖抑制効果

(2) HIFU機器の概要と照射システムの基本
 A.HIFU機器
 B.経直腸的プローブ
 C.照射システムの基本
 D.HIFU標的臓器としての前立腺の優位性

(3) 経直腸的前立腺超音波上の基礎知識
 A.縦断像
 B.横断像
 C.精嚢腺
 D.パワードプラによる神経血管束の同定

(4) 前立腺癌の臨床病期分類

(5) 前立腺癌に対するHIFUの適応基準
 A.適応基準

(6) 治療の基本
 A.治療日程
 B.術前処置と麻酔
 C.体位
 D.プローブの挿入
 E.治療領域の設定
 F.パワードプラによる神経血管束の同定
 G.照射強度
 H.ポップコーン分類
 I.直腸温度の設定
 J.術後処置
 K.術後経過観察項目

(7) 施行時の注意事項
 A.腸内ガス,便の除去
 B.前立腺結石

(8) 術後注意事項
 A.禁止事項
 B.バルーン抜去
 C.経皮的膀胱瘻の抜去
 D.尿検査
 E.膀胱鏡と尿道撮影像

(9) 臨床症例
 A.効果判定基準
 B.臨床効果
 C.治療後のPSAの変化と病理組織学的変化

(10) 合併症と対策
 A.尿道直腸瘻
 B.尿道狭窄
 C.精巣上体炎
 D.膀胱頸部硬化症と頸部付近の腺腫の落ち込み
 E.逆行性射精
 F.勃起機能不全
 G.一時的尿失禁

(11) 再HIFUの基準

(12) 限局性前立腺癌に対するHIFUの有用性

(13) 他治療法との比較
 A.腹腔鏡下前立腺摘出術
 B.3次元原体照射法
   (3D-conformal radiation therapy:3D-CRT)と
   強度変調放射線療法
   (intensity modulated radiation therapy:IMRT)
 C.小線源療法
 D.冷凍療法

(14) 治療費

(15) 他疾患に対するHIFUの適応

(16) まとめ

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序文

 1998年11月,タカイ医科工業の高井氏と学会場の片隅で話したことを
思い出す.それまで5年間のHIFUの前立腺肥大症に対する効果は高温度療
法とほぼ同等であり,脊椎麻酔が必要なHIFUは局所麻酔下で外来治療可
能な高温度療法に劣る,ということであった.それは,それまでの何億
という研究開発費が無駄に終わることを意味していた.ただひょっとす
ると,前立腺肥大症よりも前立腺癌の方がHIFU療法にとってより適して
いるのかもしれない.しかしそれを達成するには,さらに5年,いや10年
かかり,しかもさらに何億という資金が必要になるだろうから,タカイ
医科工業のような小さな企業にとって命取りになる可能性がある.その
ためには,これ以上傷を広げないためにもこの辺で開発・販売から手を
引いたらどうだろうか,ただHIFUは医学にとって画期的な治療法となる
可能性があり,ここでその臨床応用を断念することは残念だ,という内
容であったと思う.その時,高井氏は,もしこの治療法が人のためにな
るなら会社がつぶれてもかまわない,夢があるじゃないですか,と答え
たのであった.
 その後,1999年1月と2月に最初の2例の前立腺癌にHIFU療法を施行し,
その後1年間じっと経過観察した.2例とも術後の前立腺生検で陰性にな
り,血清PSAも低値を維持していた.これは,いけるのではないかと少し
自信がわき,これまでの6年8カ月間482例という多くの方々に本法を施行
させていただいた.最初の3年間は学会などで発表してもあまり信用され
ず,そんなことで前立腺癌が治るわけがないとの反応が多かった.その
後,全国規模の治験が始まり,実際に患者さんの経過を診ていただいて
いくにつれて,少しずつHIFUの効果を信用していただけるようになった
ような気がする.HIFUを前立腺癌の治療に応用してから6年8カ月,本法
の真の効果を判定し,前立腺癌治療の一翼となるにはまだまだ患者数は
少なく,経過観察期間も短期間であるが,これから5年後,10年後に本
法が残っているようなら,この本の価値もあるのではないかと思われる.
その時,かたわらにこの本を置いて,実際の治療の一助になれば,幸い
である.
 最後に,私の無理難題ともいえるHIFU機器改良の要望に努力していた
だいた米国,Focus Surgery社のNarendra N. Sanghvi氏,Roy Carlson氏
とこれまでの私とともに治療を助けていただいた,タカイ医科工業の篭
崎修平,島崎 裕,山下健司技術員に心よりお礼を申し上げる.

2005年9月

著者