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書籍詳細

症例写真でよくわかる
外来でみる子どもの皮膚疾患診断と治療社 | 書籍詳細:外来でみる子どもの皮膚疾患

神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

馬場 直子(ばば なおこ) 著

初版 オールカラー 並製 134頁 2006年05月02日発行

ISBN9784787815002

定価:本体4,500円+税
  

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子どもの皮膚疾患を,鮮明な写真(約200枚)とともに,症状や疾患の説明,処方のポイントや親へのインフォームドコンセントについてわかりやすく解説したカラーアトラス書

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目次

症状アイコンINDEX
皮膚炎・じんま疹
 1)乳児脂漏性湿疹
 2)おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)
 3)乳児期のアトピー性皮膚炎
 4)幼児期・学童期のアトピー性皮膚炎
 5)アトピー性皮膚炎に随伴・合併する症状
 6)接触皮膚炎
 7)じんま疹
薬疹・紅斑・脱毛・ほか
 1)薬疹
 2)スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)・中毒性表皮壊死症(TEN)
 3)薬剤性過敏症候群(DIHS)
 4)皮膚移植片対宿主病(GVHD)
 5)全身性エリテマトーデス(SLE)・皮膚筋炎
 6)全身性強皮症・斑状強皮症
 7)新生児エリテマトーデス
 8)川崎病の皮疹
 9)脱毛症
 10)尋常性白斑(しろなまず)
 11)汗疹(あせも)・多汗症
 12)爪の異常
 13)減汗性外胚葉異形成症
 14)被虐待児症候群の皮疹・自損症
 15)癖による子どもの皮膚疾患
 16)熱傷・凍傷
角化症・遺伝性皮膚疾患
 1)乾癬・滴状類乾癬・毛孔性紅色粃糠疹
 2)線状苔癬・光沢苔癬・毛孔性苔癬
 3)魚鱗癬と類症
 4)色素失調症
 5)色素性乾皮症
 6)先天性表皮水疱症
母斑(症)・血管腫・皮膚腫瘍
 1)扁平母斑・カフェオレ斑
 2)脂腺母斑・線状脂腺母斑症候群・表皮母斑
 3)先天性色素性母斑・神経皮膚黒色症・若年性黒色腫(Spitz nevus)
 4)白斑性母斑・白皮症・伊藤白斑・結節性硬化症
 5)太田母斑・異所性蒙古斑
 6)サモンパッチ・ウンナ母斑・いちご状血管腫
 7)ポートワイン母斑
 8)海綿状血管腫・被角血管腫・蔓状血管腫・sudoriparous angioma
 9)クモ状血管腫・血管拡張性肉芽腫
 10)血管芽細胞腫
 11)リンパ管腫・若年性黄色肉芽腫
 12)肥満細胞腫・色素性じんま疹
 13)ランゲルハンス細胞組織球症・
   congenital self-healing reticulohistiocytosis
 14)石灰化上皮腫・皮様嚢腫・脂肪腫・皮膚石灰沈着症
感染性皮膚疾患
 1)伝染性膿痂疹(とびひ)・ぶどう球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)
  ・猩紅熱
 2)新生児瘡(にきび)・丹毒・蜂窩織炎・外歯瘻
 3)尋常性疣贅・伝染性軟属腫(みずいぼ)・青年性扁平疣贅
  ・尖圭コンジローマ
 4)単純ヘルペス・カポジー水痘様発疹症
 5)水痘(みずぼうそう)・帯状疱疹・手足口病
 6)麻疹(はしか)・風疹(三日ばしか)・伝染性紅斑(りんご病)
  ・突発性発疹・ジアノッティ症候群
 7)白癬(みずむし,たむし)・癜風
 8)皮膚カンジダ症・深在性皮膚真菌症
 9)非結核性抗酸菌症・BCG接種後副反応
 10)虫刺症・疥癬・頭じらみ・毛じらみ
 11)蚊刺症・蚊アレルギー
子どもの皮膚疾患〜診療のポイント〜
和文索引
数字・欧文索引

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序文

 子どもの皮膚疾患ばかり診るようになって13年,それ以前の大学病院や市中病院で大人を主に診てきた10年の期間を凌いでしまった.赴任してきた当初,まだほんの赤ちゃんだった子どもが,今では中学生となりすっかり大人びた雰囲気に成長した姿を見るにつけ時の経つ速さを感じる.
 つくづく,子どもと大人の皮膚疾患は違うと思う.まず,母斑・母斑症をはじめとする先天性皮膚疾患を診る機会が多い.とびひ,みずいぼ,あせものような子ども特有の皮膚疾患もある.そして,最も数が多いアトピー性皮膚炎でも乳児期,幼児期,学童期では症状にそれぞれ特徴があり,成人の
アトピー性皮膚炎とはかなり臨床像が異なる.また,先天性皮膚疾患の中には,数年かかって自然消退が期待できるもの,そのまま不変で残るもの,増大したり悪性化する恐れのあるものなど,予後は千差万別である.できるだけ早い治療を要するもの,気長に待つ必要があるもの,非常に長い経過での予後を考えなければならないもの,成長を加味したうえで考慮しなければならないものなど,治療方針を考えるうえでも成人とは随分異なる.そして,この少子化の時代に,やっと授かった一家の宝である大切な子どもが,何らかの異常を持って生まれてきたとき,家族の嘆きと悲しみは大変なものである.たとえそれが不治の病というほどではなく,アトピー性皮膚炎や母斑のようなものであったとしてもである.そのような場合の,家族へのインフォームドコンセントの大切さは,成人の場合の何倍にも及ぶ.ただ単に病気の説明をするだけではなく,ときには励まし,慰め,精神的支えになることを要求され,母親のカウンセラー的な役割を引き受けなければならない場合もある.そういった,さまざまな子ども特有の難しさを孕んでいるのが小児皮膚科だと思う.
 皮膚の病気は誰の目にも見えるだけに,ものごころつき始めた子どもはもとより,家族も大変気になり,治したいという思いは募る一方である.それに対して,今の我々がどのくらいまで応えられるか,その最先端の限界を常に知っておくことはとても大切である.決していい加減なことや,もう古
くなった常識をかざしてはならない.常に知識をリニューアルしておくことが我々の義務であると思う.皮膚疾患は目で見えるから簡単,ほんの少し見学すれば誰にでもできると思われがちであるが,実は決してそんなに簡単ではない.きちんと皮膚疾患を診るためのトレーニングが必要であるし,何
十年も臨床経験を重ねていてもなお難しくて,とても一生かかっても究められないと思えることもある.
 とはいえ,やはり目で見えることは皮膚科の最大の利点である.他の人に皮膚疾患の特徴や診方を伝えるうえで,100の言葉より1枚の臨床写真の方が多くを語ってくれる.本書は,臨床写真をできるだけ多く載せて,子どもの皮膚疾患を診ていくうえでの要点と,今現在のスタンダードな治療方針,家族への注意点を簡潔にまとめてみた.子どもの皮膚疾患を診るうえで,少しでもお役に立てれば幸いである.


2006年4月
馬場直子