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書籍詳細

バスキュラーアクセス実践ガイド診断と治療社 | 書籍詳細:バスキュラーアクセス実践ガイド

札幌北クリニック院長

大平 整爾(おおひら せいじ) 編集

初版 B5判 並製 144頁 2007年09月06日発行

ISBN9784787815941

定価:本体5,200円+税
  

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経験豊富な執筆陣が,バスキュラーアクセスの手技,バスキュラ ーアクセスに関わる種々の問題を写真やイラストを多用して簡潔 明瞭に解説.臨床現場に即した構成・内容の実践的ベッドサイド ガイドとなっている.

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目次

I 概論
 1.Vascular accessの意義 
 2.Vascular accessの種類
 3.Vascular access:その形態頻度の現状
 4.動静脈の病理学的変化

II 実践編
 1.Vascular access作製に臨んでのインフォームド・
   コンセント(IC)
 2.Vascular accessの作製時期 022
 3.Vascular access作製に臨んでの動脈・静脈の術前検査と評価
 4.Vascular accessの作製・修復に対する長期計画
 5.Vascular accessの新規作製術
  (1)内シャント(自己血管)
  (2)ラフト内シャント
  (3)カテーテル(短期/長期留置)
  (4)上腕動脈表在化 067
 6.穿刺の時期判定と穿刺の実際
 7.Vascular accessの修復術
  (1)狭窄
  (2)閉塞
  (3)静脈高血圧症
  (4)スティール症候群
  (5)感染症
  (6)血清腫(セローマ)
  (7)瘤形成
  (8)過剰血流

III 総括
 1.今後の展望
 2.おわりに

 索引

 コラム
  VAは血液透析患者のアキレス腱
  忘れられた外科医(Kenneth Charles Appell, MD)
  Dr. Scribnerの業績
  内シャント(皮下動静脈瘻,AVF)の登場
  太田和夫先生のこと
  血管吻合術の完成
  AVF開存性の最大の決定因子
  アクセス外科医の効果的な育成システム

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序文

序  文

慢性腎不全患者に対する腎機能代替療法には血液透析,腹膜透析
および腎移植があるが,血液透析が現時点では主流をなしている.
この血液透析を円滑に継続して施行するための第一義的な要綱が,
“バスキュラーアクセス(VA)”である.1960年Scribnerらによ
って発表された“外シャント法”は血液透析の反復継続を可能に
した点で画期的な手法ではあったが,“感染,血栓形成,閉塞,
カニューラ逸脱”などの重大な副作用が相当な頻度で随伴し患者
と透析スタッフを悩ませるものでもあった.1966年にBrescia &
Ciminoらの考案した“内シャント法”は外シャントに纏わる苦労
を劇的に解消してくれたのだったが,皮肉なことにそのお陰で生
まれてきた長期血液透析患者の増加ならびに基礎疾患の変貌や高
齢者導入の急増などが最も好ましいとされている内シャントの新
規作製や修復を困難なものに化してしまった.この面を人工血管
や血管内留置カテーテルがかなり補ってくれてきてはいるが,両
手技ともに“感染,血栓形成,閉塞”などの随伴症でいまだ完全
に満足すべき段階にまで達してはいない.人工血管使用の内シャ
ント(AV-Graft)はendovascular repairにより,その開存性を大
幅に改善しているが,相当に手間隙の掛かる方法でありまた経費
も嵩む.
したがって,VAの作製と修復に関与するアクセス外科医は,現在
応用できる幾つかの方法を駆使しながら,患者にできるだけ負担
を及ぼさない最善の方法を選択する苦労を日夜続けているといえ
よう.
本書はこの領域のエキスパートによって,VAに関わる種々の問題
をできるだけ現場に即して簡潔明瞭に解説することを目論んだも
のである.記述は手技的な事項が主体となったが,AVFおよびAVG
に不可避な動脈化静脈の内膜肥厚の本質的な機序に迫り,手技的
な工夫を補完する薬剤や種々の照射療法にも今後一層目を向けて
行かなければならないであろう.
アクセスの作製・修復に関わる医師は極めて大きな責務を負って
おり,諸賢の一層のご研鑚を切に願うものである.

2007年8月
医療法人社団恵水会 札幌北クリニック 院長
大平整爾