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書籍詳細

渡部 茂の10時間講義
やさしく学べる子どもの歯診断と治療社 | 書籍詳細:やさしく学べる子どもの歯

明海大学歯学部形態機能成育学講座口腔小児科学分野教授・歯科博士

渡部 茂(わたなべ しげる) 著

office 21 kitatoda・医学博士

平岩 幹男(ひらいわ みきお) 著

初版 B5判 並製 108頁 2008年06月15日発行

ISBN9784787816399

定価:本体3,200円+税
  

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小児科医だけでなく,保健師や歯科衛生士など,子どもにかかわるすべての人が知っておきたい,「歯の成長」や「う蝕・う歯およびその予防」,「治療」をはじめ,「歯並びと矯正」や「唾液とう蝕の関係」,さらに検診の際に役立つ知識・技術などを講義形式で分かりやすく解説.写真も豊富に盛り込まれており,これ1冊で,知っておくと役立つ「子どもの歯」が理解できる.

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目次

目次

1時間目 歯と歯科医についてのいろいろ
 小児科医は,毎日のように子どもの口の中を見ていますが,歯については意外にくわしいことを知りません.大学でも教わりませんでしたし,なかなか勉強する機会もありません.この時間では,まず歯についての基礎知識や小児歯科とは何かということを中心にお話をうかがいます.

2時間目 子どもの歯と口腔の発育
 歯はお母さんの体の中ですでに作られています.赤ちゃんの歯のできかた,乳歯について,この時間はお話をうかがいます.乳歯は次に生えてくる永久歯のために,いろいろな仕掛けをもっているようです.歯の生えかただけではなく,それらの仕掛けについても教えていただきます.

3時間目 唾液について知っておきたいこと
 唾液についてはある程度知っているつもりでも,歯にとってどれほど重要なものであり,歯を守るためにどのような役割をはたしているのかはよく知りませんでした.この時間には,唾液がどのように出てくるのか,唾液の生理的変化など唾液の基礎的なことについてお話をうかがいます.

4時間目 唾液とう蝕の関係
 3時間目で唾液の基礎知識を勉強しました.この時間には,唾液がう蝕と密接な関係があること,唾液が酸性になるとう蝕が発生しやすくなることなど,唾液とう蝕のなりたちについてお話をうかがいます.

5時間目 う蝕について
 この時間は,もっとも知りたいう蝕についての講義です.子どものう蝕は近年減少していると言われていますが,まだまだ少なくはありません.う蝕のできかた,進行度の表現,なぜ,どの場所にできやすいかなど,子どものう蝕についての基礎的知識を勉強したいと思います.

6時間目 う歯の治療
 う蝕の基礎知識を勉強しましたので,今度は治療です.う蝕の治療といえば削って詰めるということがすぐに頭に浮かびますが,現在ではそれだけではなく,初期治療も大きく変っているようです.治療の実際,また子どもに多い外傷への対応も含めて,この時間にはお話をうかがいます.

7時間目 う蝕の予防
 う蝕の治療のお話をうかがいましたが,もちろんう蝕にならないように予防することはより重要だと思われます.この時間には,フッ素だけではなく,歯磨きやデンタルフロスなども含めた予防一般のお話と,乳幼児健診での注意点や指導についてもお話をうかがいます.

8時間目 歯並びと矯正
 世界で一番,歯並びを気にするのはアメリカ人だと聞いたことがありますが,最近ではわが国でも歯並びへの関心が高まっています.歯並びに影響を与えるさまざまな問題や,歯並びをよくするためにどのようなことが行われているか,矯正とは何か,などについてお話をうかがいます.

9時間目 口腔粘膜疾患について
 口の中は歯だけではありません.口腔粘膜の問題もありますし,そこから全身性の疾患が明らかになる場合もあります.この時間は,舌小帯や上唇小帯などについて,小児歯科医の立場からお話をうかがいます.

10時間目 小児歯科とは,その現状から今後まで
 小児歯科では,具体的にどのような内容の問題を取り扱っているのか,とくに障害を抱えた子どもたちへの対応,そして小児歯科診療の中で見えてくる今の社会の問題は何か,などについてお話をしていただき,最後に今後の小児歯科の展望についてうかがいます.

課外授業 小児歯科のあれこれ

文献
索引

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序文

まえがき

 このたび私が聴き手となって,専門の先生に講義をしていただく形の「10時間シリーズ」を始めることになりました.その第1回として,明海大学歯学部形態機能成育学講座口腔小児科学分野教授の渡部茂先生をお迎えして,「やさしく学べる子どもの歯」というタイトルでお話をうかがいました.長時間,お話をしていただいた渡部先生にまず感謝申し上げます.
 私自身も自分の歯にはまったく自信がありませんし,一部の自信のある方を除いては,歯科医の門をくぐることには相当の覚悟が必要かと思います.自分の口の中を隅々まで覗き込まれることに対する恥ずかしさもありますし,ライトで照らされて痛みや振動に耐えながら,削ったり詰めたりという作業を考えるだけで,多少歯が痛くても我慢してしまおうかと思うほどです.大人ですらそうなのですから,子どもたちにとっては,乳幼児健診などで状態を確認するだけならまだしも,実際に治療するとなるとどんなに大変なことだろうと思っていました.
 今回,渡部先生のお話をうかがって,目から鱗のように多くのことを学ぶことができました.歯にとって唾液がどれほど大切なものであるかをはじめとして,削ったり詰めたりするよりも初期であれば再石灰化を待つ方法があることや,子どもの歯科治療の実際の方法についても豊富なご経験からさまざまなお話をうかがいました.当たり前のことですが,う蝕にならないためにはどうするか,予防するための根拠についても科学的に裏づけされたていねいなご説明をいただきました.そして何よりも,小児歯科について,子どものう蝕の治療をするところだろうくらいに考えていたのですが,実際には実に多岐にわたる展開をされておられることがわかりましたし,虐待など社会の抱えている問題についてもアプローチをされていることを知りました.
 本書が小児科医だけでなく,保健師や歯科衛生士も含めて子どもの歯の問題にかかわるすべての人に役立つ本であることを心から願っております.

 2008年5月
 平岩 幹男