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書籍詳細

勝沼俊雄の10時間講義
やさしく学べる子どもの外来アレルギー診療診断と治療社 | 書籍詳細:やさしく学べる子どもの外来アレルギー診療

東京慈恵会医科大学小児科准教授・医学博士

勝沼 俊雄(かつぬま としお) 著

office21kitatoda・医学博士

平岩 幹男(ひらいわ みきお) 著

初版 B5判 並製 118頁 2009年03月20日発行

ISBN9784787816672

定価:本体3,800円+税
  

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目次

やさしく学べる子どもの外来アレルギー診療

1時間目 アレルギーとは何か
 この時間は,アレルギーとは何か,アレルギー反応がおきる機序,そしてアレルギーやその治療についての大まかな歴史をお話していただきます.とくに即時型ア
レルギーの仕組みを理解しておくことは,治療を理解するうえでも重要と考えられます.

2時間目 アトピー性皮膚炎の診断と鑑別
 アトピー性皮膚炎は日常診療で多く目にする疾患であり,時には治療に困難を感じることもあります.この時間ではアトピー性皮膚炎の診断や,いつ検査をすれば
よいのか,そして,まぎらわしい疾患との鑑別を含めてお話をしていただきます.

3時間目 アトピー性皮膚炎の治療とQOL
 アトピー性皮膚炎の治療ではどのように外用薬を使用するか,また,使用する際の注意点についてもうかがいます.とくに目の周りの皮膚炎への治療の重要性,患
児だけではなく,家族も含めた生活の質(QOL)への影響の問題も考える必要があります.

4時間目 気管支喘息の診断と鑑別
 アレルギー疾患の代表ともいえる気管支喘息について,鑑別診断から発症機序に至るまでのお話をうかがいます.診断についても,最近ではさまざまなものが応用
されるようになってきており,これらの進歩についても知っておく必要があると思います.

5時間目 気管支喘息の治療:外来でできること
 気管支喘息の治療について新しいガイドラインが出たので,それについて教えていただきます.また,吸入ステロイド薬使用における注意点についても触れていた
だきます.そして通常は無症状であっても,注意を要する運動誘発喘息についても触れていただきます.

6時間目 食物アレルギー:考えかたと対応
 食物アレルギーは,マスコミなどでも大きな問題になっています.診断上の問題や,適切な食物除去の考えかたについてお話していただきます.また最近の進歩と
して,卵や牛乳のアレルギー判定の目安となる陽性的中率に基づく考えかたにも触れていただきます.

7時間目 
口腔アレルギー症候群と
  食物依存性運動誘発アナフィラキシー
 口腔アレルギー症候群は意外に多くみられる疾患であり,花粉症との関連もあります.一方,食物依存性運動誘発アナフィラキシーは学童期以降に明らかになり,
しばしば生命にも危険を及ぼすので,対応も含めて理解しておく必要があります.

8時間目 
花粉症をめぐって
  (アレルギー性鼻炎,結膜炎を含む)
 花粉症はつい数十年前まで日本にほとんど存在せず,あったとしても子どもには少ないとされていましたが,最近では小児の患者さんも非常に増加しています.発
症機序から治療の概要まで,鼻炎,結膜炎なども含めてお話していただきます.

9時間目 
その他のアレルギー疾患(じんま疹)
 じんま疹は子どもから大人までありふれた疾患ですが,痒みが強いことや繰り返すことなどから,子どもも保護者もしばしば強い不安を訴えます.適切な治療をき
ちんと説明して行うことは,症状の軽快だけでなく不安への対応にも重要です.

10時間目 アナフィラキシーへの対応
 アナフィラキシーは,いったんおきてしまうと外来での対応が困難な場合もあり,小児科医にとってもっとも恐れられている病態の一つです.基本的な対応や学校
などでの対応も含めてお話していただき,最後にアレルギー診療の未来についても触れていただきます.

子どもの外来アレルギー診療Q&A

文  献
索  引

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序文

まえがき

 私が聴き手となって,専門の先生に講義をしていただく形の「10時間シリーズ」の第3回は,東京慈恵会医科大学小児科の勝沼俊雄准教授をお迎えして,子どもの外来アレルギー診療についてお話をうかがいました.長時間,わかりやすくお話をしていただいた勝沼先生にまず感謝申し上げます.
 私自身は小児神経疾患や発達障害などの仕事を中心にしてきましたが,小児科の一般外来にはアレルギー疾患を抱えた子どもが少なからず来院し,これまで私も診療に従事してきました.しかし診療にあたっては,教科書や文献を読んで勉強はしているものの,実はよくわかっていなかったり,何となく以前から行われていた治療を継続していたりしたことも少なくありませんでした.
 今回,勝沼先生のお話をうかがって,アレルギーとは何かということから始まり,多くのアレルギー疾患について基礎から系統的に教えていただきました.なかには「目から鱗」のように感じたことも少なくありません.実際に,30年余り前に私が小児科医としてスタートしたときとは,疾患の考えかたも治療のしかたにも大きな変化がありました.
 たとえば気管支喘息による小児の死亡例は,吸入ステロイド薬の普及とあいまって劇的に減少しました.しかし一方では,ステロイド薬の安易な使用という問題もあり,それによる副作用についても考える必要が出てきています.また食物アレルギーについても,アトピー性皮膚炎との関連が明らかになってきた反面,過剰な食物除去という問題もおきています.適切な知識に基づいて,適切な対応を行うという,ごく当たり前のことを行うためにも,本書は数多くのことを示していると思います.
 本書が小児科医だけではなく,保健師や看護職も含め,子どものアレルギーの問題にかかわるすべての人に役立つ本であることを心から願っております.

平岩幹男
2009年3月