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あなたがつくる支援プラン
困った行動が教えてくれる自閉症スペクトラムの支援診断と治療社 | 書籍詳細:困った行動が教えてくれる自閉症スペクトラムの支援
~7つのステップで対応法を探る~

東北文化学園大学教授

藤原 加奈江(ふじはら かなえ) 著

初版 B5判 並製 136頁 2009年08月28日発行

ISBN9784787817204

定価:本体2,200円+税
  

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保育士や保護者が「困った」と感じる自閉症スペクトラムの子どもの行動は大切な支援のヒント.事例を参考にしながら7つのステップと付録のワークシートで支援プランをつくってみよう.わかりやすいイラストも満載!

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目次

はじめに

第1章 7つのステップ

7つのステップ
事実の確認
 Step 1 困ったと感じた行動をビデオで見るように
      具体的に書き出してみよう。
 Step 2 そのことを変えることは子どもや周りにとってどう必要
      (緊急性・将来性)かを考えてみよう。
      1.困っているのは誰?
      2.何が問題だと思っている?
      3.どうなって欲しい?
      4.なぜ,そうなって欲しい?
      5.それはどう役に立つ?
原因を探る
 Step 3 困ったと感じる行動を引き起こしている原因は何かを
      障害特徴から考えてみよう。
  1.人よりも物への興味が強い
  2.コミュニケーションが苦手
  3.新しいことは不安
  4.見えないとわかりにくい
  5.注意のコントロールが困難
  6.感覚刺激のコントロールが困難
  7.感情のコントロールが困難
  8.状況判断が苦手
  9.計画を立てて実行するのが苦手
  10.失敗から学びにくく,応用が苦手
 Step 4 子どもにわかるように教えるには,障害特徴に
      合わせた工夫,さらに子ども一人ひとりの個性に合わせた
      工夫が大切。一人ひとりのスキルや特徴を知ろう。
子どもの行動に台詞をつけてみよう!
目標の再考
戦略を立てる
 Step 5 対応することに決めたら,対象の子どものスキルアップ,
      やる気コントロール,環境整備の3つの視点から支援を考
      えてみよう。
  5-1 スキルアップ
  5-2 やる気コントロール
  5-3 環境整備
バランスの取れた支援
 Step 6 困った行動だけにとらわれず,身辺自立,
      コミュニケーションと社会性,学習課題とお手伝い,
      余暇など全体を将来まで見通す支援を基本におこう。
支援者への支援
 Step 7 一度でうまくいかないのは当たり前,試行錯誤で
      乗り切ろう。一人で頑張りすぎず,支え合うチームを
      作ろう。

第2章 事例を通してステップの確認

 事例1 コミュニケーション
 事例2 一人で課題を行う
 事例3 身辺自立(家庭)
 事例4 身辺自立(集団行動)
 事例5 感覚への配慮
 事例6 行事への参加
 事例7 余暇スキル

第3章 本当は予防が一番

将来を見据えた支援
トータルな支援
  1.身辺自立スキル
  2.コミュニケーション・社会性
  3.学習課題とお手伝い
  4.余暇スキル

付 録
情報シート
7つのステップシート

おわりに
著者紹介

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序文

はじめに

◉自閉症スペクトラムとは  
 自閉症は対人,コミュニケーション,想像力(あるいは興味の広がり)の困難さを特徴とする発達障害です。一般に広く用いられているアメリカ精神医学会の診断・統計マニュアルである「DSM-IV」や世界保健機構(WHO)の国際疾病分類である「ICD-10」では,自閉症はアスペルガー障害や特定不能の広汎性発達障害とともに,広汎性発達障害というグループに含まれます。自閉症(自閉性障害あるいは小児自閉症),アスペルガー障害(アスペルガー症候群),特定不能の広汎性発達障害はその特徴や経過に共通している部分が多く,自閉症スペクトラムとよばれることがあります。本書でもこの立場をとりたいと思います。

◉支援の中心は生活の場
 自閉症スペクトラムの子ども達は応用が苦手ですので,支援の中心は病院や療育センターの訓練室ではなく,家庭,保育園,幼稚園,学校などの生活の場になります。ここ10年で自閉症スペクトラムやその支援に関する情報は倍増しましたが,保護者や先生達は何をどこから始めてよいのか戸惑うことが多く,子ども達の「困った」行動に頭を悩ませているのが現状のようです。

◉「困った」を支援の入り口に
 本書は子ども達を支援していて誰もが経験する「困ったな」を入り口にして,子ども達への支援を組み立てていく方法を提案しています。できるだけ具体的にお伝えするために,さまざまな領域の「困った」事例をあげています。しかし,これは「この通りにすればうまくいく」といったものではなく,あくまで支援の組み立て方を学ぶ練習問題です。支援は目の前にいる子ども達一人ひとりの特徴やスキルにあわせて手作りするものです。

◉まずは7つのステップで実践を
 「困ったな」にぶつかったら,ぜひ,7つのステップで対応方法を考えてみてください。すぐに使えるよう,たくさんのワークシートを巻末につけました。最初は臨床心理士や言語聴覚士などの専門家とチームで取り組むと,子ども達の特徴を客観的に捉えやすく,また,アイディアも広がるでしょう。

◉もぐら叩きにならない支援へ
 いくつかの「困った」を解決していくうちに,本当の支援のあり方が見えてくるものと期待します。本書の最後では「困った」行動への対応で終始する支援ではなく,将来を見据えた支援プランについて考えていきます。

2009年8月 藤原加奈江