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新CAPDセルフケア改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:新CAPDセルフケア改訂第2版

蒼龍会 井上病院

田畑 勉(たばた つとむ) 編集

蒼龍会 井上病院 CAPDセンター

上田 恵利子(うえだ えりこ) 

改訂第2版 A5判 並製 128頁 2010年09月06日発行

ISBN9784787817792

定価:本体1,900円+税
  

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患者さんおよび腹膜透析に従事するスタッフ向けの書籍として,腹膜透析ガイドラインで新しく示された基準や,最新の治療・手法をフォローし,わかりやすく解説している.

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目次

Ⓐ 腎臓のしくみと働き 
 1.腎臓のしくみ 
 2.腎臓の働き 
Ⓑ 慢性腎臓病について 
 1.慢性腎臓病の定義 
 2.慢性腎臓病のステージ分類 
 3.慢性腎不全の原因となる疾患 
 4.慢性腎不全の症状
Ⓒ CAPDとは?
 1.CAPDについて
 2.1日の生活 
 3.血液透析とCAPDの特徴 
Ⓓ CAPDの原理 
 1.CAPDの働き 
 2.腹 膜 
 3.CAPDの原理 
 4.PD液の組成 
Ⓔ CAPDの効率 
 1.腹膜の透析効率 
 2.貯留時間と透析効率 
 3.PD液濃度 
 4.PD液量 
 5.交換回数 
Ⓕ CAPDの適正透析 
 1.溶質除去 
 2.体液管理 
 3.残存腎機能 
 4.腹膜機能 
Ⓖ CAPD導入のスケジュール 
Ⓗ カテーテル留置 
 1.カテーテルについて 
 2.手術とカテーテル挿入部位について 
 3.CAPDの段階的導入法(SMAP) 
 4.手術までのスケジュール 
Ⓘ システムの種類と特徴 
 1.CAPDシステム(ツインバッグシステム) 
 2.APDシステム(自動腹膜灌流装置)
 3.接続システム 
Ⓙ バッグ交換 
 1.清潔操作について 
 2.バッグ交換 
 3.排液の観察 
Ⓚ 出口部ケア 
 1.必要物品 
 2.手洗いとマスク着用 
 3.観 察 
 4.洗 浄 
 5.消毒(必要時)の方法 
 6.ガーゼのあて方 
 7.固定方法
Ⓛ シャワー浴・入浴 
 1.シャワー浴・入浴方法の種類 
 2.カバーの使用方法 
 3.カバーシャワーの方法 
 4.オープンシャワー・カバー入浴の方法 
 5.シャワー・入浴を禁止するとき 
 6.注意事項 
 7.出口部清拭の方法 
Ⓜ 食事について ――― 
 1.バランスのとれた食事 
 2.エネルギーをおさえた食事 
 3.たんぱく質の適正摂取 
 4.野菜・果物の適正摂取 
 5.塩分・水分管理 
 6.リンを含む食品の適正摂取 
Ⓝ 運動について 
 1.運動の効果と方法 
 2.運動を行う際の注意点 
Ⓞ 検査データのみかた 
Ⓟ 薬について 
 1.降圧薬(血圧を下げる薬) 
 2.赤血球造血刺激因子製剤(ESA) 
 3.鉄剤 
 4.活性型ビタミンD製剤 
 5.カルシウム受容体作動薬 
 6.リン吸着薬 
 7.カリウム値異常時の治療薬 
 8.脂質異常症治療薬 
 9.糖尿病治療薬
Ⓠ 毎日の測定と自己管理ノートの記録
 1.脈拍測定 
 2.血圧測定 
 3.体温測定 
 4.体重測定
 5.自己管理ノートの記録方法 
Ⓡ 旅行について 
 1.国内旅行
 2.海外旅行 

Ⓢ トラブル対処
 1.接続チューブ先端の汚染 
 2.接続チューブ・カテーテルの亀裂・破損 
 3.接続チューブの離脱 
 4.Yセットの汚染 
 5.PD液バッグの汚染 
 6.接続チューブのローラークランプまたはツイストクランプが壊れた場合 
 7.PD液・器材の不良品
Ⓣ CAPDカテーテルに伴う合併症 〜カテーテル挿入早期 
 1.腹腔内臓器の損傷 
 2.液もれ 
 3.注・排液不良 
Ⓤ CAPDカテーテルに伴う合併症 〜カテーテル挿入後期 
 1.出口部・トンネル感染 
 2.血性排液(手術後以外) 
Ⓥ CAPDの合併症 
 1.CAPD腹膜炎 
 2.被のう性腹膜硬化症 
 3.脂質異常症・高血糖 
 4.低たんぱく血症 
 5.腹痛 
 6.便秘 
 7.腰痛 
 8.ヘルニア 
 9.胸水貯留(横隔膜交通症) 
 10.陰のう水腫 
Ⓦ 透析一般の合併症 
 1.透析不足 
 2.体液過剰・心不全・肺うっ血(肺水腫) 
 3.脱水 
 4.高血圧 
 5.貧血 
 6.骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD) 
 7.カリウム値異常 
 8.心血管系合併症 
 9.かゆみ 
 10.整形外科的合併症 
Ⓧ 退院の準備 
 1.必要物品 
 2.PD液・器材類の配送サービスシステムと在庫管理 
 3.家庭訪問 
Ⓨ 身体障害者手帳と医療費 
 1.身体障害者手帳 
 2.医療費
 3.透析治療と医療費 
 4.障害者医療証・一部負担金相当額助成証明書 
 5.PD液加温器の給付 
Ⓩ CAPDの防災対策

memorandum
 PD Adequest 
 カテーテルの素材と役割 
 マーキング 
 CAPDを始めるときの腎機能検査 
 手洗いについて
 X線やCTでの注意事項 
 カテーテル造影 
 肉芽とは
 排液混濁
 バイオフィルム
 PD液からの糖の吸収

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序文

新CAPDセルフケア—改訂にあたって
 患者さんに読んでいただく腹膜透析の本として,1997年に「CAPDセルフケア」を,7年後の2004年に第2版である「新CAPDセルフケア」を発行しました.その「新CAPDセルフケア」も出版後6年が経ち,この間に慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)という全く新しい概念が2002年に米国で提案され,わが国ではそれに基づいて,2007年に「CKD診療ガイド」(日本腎臓学会編)が出されました.そのなかで,透析患者さんであるCKDステージ5Dに対する診療ガイドが示されています.また「2009年版  腹膜透析ガイドライン」「2008年版  慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」「透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドライン」と,腹膜透析や透析合併症の診療に対するガイドラインが日本透析医学会より新しく出されたり改訂されたりしました.
 治療薬では,腎性貧血に対する薬として赤血球造血刺激因子製剤(ESA)であるダルベポエチンαの登場,また骨・ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder:CKD-MBD)に対する薬として,カルシウム受容体作動薬という従来の薬とは作用が全く異なるシナカルセト塩酸塩や,リン吸着薬である炭酸ランタンが使用可能となりました.
 今回の改訂では,基本的なことに関しては大きくは変更しておりませんが,近年使用されなくなったことなどは削除し,ガイドラインで新しく示されたところや,腹膜透析患者さんが使われる新しい治療薬などは取り入れております.
 これから腹膜透析を始めようとする患者さんや腹膜透析に従事しようとするスタッフに,本書が少しでも役立てば幸いです.

2010年7月        
田畑 勉 
新CAPDセルフケア 序
 CAPDセルフケアを出版して7年が経ちました.CAPD療法も進歩が大きく,現状と合わない点が多くみられるようになり,新版の発刊となりました.たとえばPD液に関しましても,浸透圧物質としてブドウ糖のみであったのが,イコデキストリンといった新しい浸透圧物質のPD液が使用可能となりました.自動灌流装置や接続装置も改良されてきました.カテーテル挿入術に関しても,CAPDの段階的導入法(SMAP)が行われるようになっています.
 近年,EBM(科学的根拠に基づく医療)という言葉がよく用いられます.EBMとは「診ている患者さんの臨床上の疑問点に関して,医師が関連文献などを検索し,それらを批判的に吟味したうえで患者さんへの適応の妥当性を評価し,さらに患者さんの価値観や意向を考慮したうえで臨床判断を下し,専門技術を活用して医療を行うこと」とされています.透析医療においても数多くの報告をもとに生存率を高め,合併症を抑えるために,診断や治療に関してEBMに基づくガイドラインが出されるようになりました.たとえば米国のK/DOQIガイドライン,欧州EDTAのガイドラインが出されており,CAPDにおいても適正透析に関するもの,栄養に関するもの,貧血や骨合併症に対するガイドラインなどが出されております.今回の改訂ではこれらのガイドラインより,適正透析に関して,また目標検査値に関して引用させていただいております.

2004年4月        
田畑 勉 
初版 序
 みなさんがCAPDか血液透析か,どちらの透析療法を選ぼうかなと考えられるとき,まず両者の特色を検討されることでしょう.CAPDと血液透析の異なる点のひとつに,CAPDは血液浄化器として腹膜を用いるということがあげられます.血液透析では,あらかじめ性能のわかっているダイアライザという血液浄化器を患者さんの病状に合わせて選ぶことができ,そのダイアライザは使い捨てでいつでも性能のいいものを使うことができます.それに対し,CAPDでは腹膜がダイアライザであり,その性能はCAPDを開始して初めてわかるもので,腹膜の性能によってどのような透析処方を選ぶかを考えなければなりません.腹膜炎をはじめ,いろいろな原因で腹膜の性能が悪くなることは知られていますが,当然のことながら,血液透析でダイアライザを取り替えるように,CAPDでは腹膜を取り替えることはできません.このため自分の腹膜の性能を知っていただき,そして腹膜を大切にしていただかなければなりません.
 長くCAPDとおつきあいしていただき,快適な生活を送っていただくためにも,CAPDに関して専門的な知識や技術を正確に身につけることが必要です.手順を省略したり自分勝手なアレンジをすると,思わぬミスを引き起こすことがあります.
 CAPD療法を受けられるにあたり,専門的な知識や技術を身につけていただけるよう心がけて,本書を書いたつもりです.CAPDをしようとするみなさんに,本書が少しでも役立てば幸いです.

1997年4月        
田畑 勉