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小児感染症学改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:小児感染症学改訂第2版

国立感染症研究所感染症情報センター長

岡部 信彦(おかべ のぶひこ) 編集

改訂第2版 B5判 並製 648頁 2011年07月20日発行

ISBN9784787817907

定価:本体8,500円+税
  

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日常遭遇する機会の多い感染症から,診断に知識を要する輸入感染症まで,90にわたる感染症を網羅し,概念・疫学・症状・診断/検査・治療・予後・予防をわかりやすく詳説.迅速かつ的確な診断・治療を行うにあたって臨床現場で実用に耐えうるものを目指した.改訂にあたって「歯科感染症」「梅毒」「インフルエンザA/H1N1 2009」「新たな呼吸器感染症」「HIV」「ヒトパピローマウイルス」等数項目も追加.「感染症治療薬の投与法一覧」等巻末付録も充実.エキスパート専門医による,感染症を専門としない医師へ向けた一冊.

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目次

改訂第2版の序文
初版の序文
執筆者一覧

I.総論
 A.感染症概論 岡部信彦
 B.感染症サーベイランス,そこから得られるもの 多田有希,谷口清州
 C.感染と生体防御(免疫) 野々山恵章
 D.小児感染症の診断 庵原俊昭
 E.小児感染症の治療 佐藤吉壯
 F.予 防 宮﨑千明
 G.感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法) 岡部信彦

II.臓器別感染症
 A.中枢神経感染症 川田潤一・木村 宏
 B.呼吸器感染症 田島 剛
 C.消化器感染症 牛島廣治
 D.肝胆道系感染症 鍵本聖一
 E.循環器感染症 石和田稔彦
 F.腎泌尿器感染症 宮田 曠
 G.運動器感染症 小林信一
 H.皮膚感染症 本田まりこ
 I.性感染症 佐藤武幸
 J.耳鼻咽喉感染症 山中 昇
 K.眼感染症 北市伸義・大野重昭
 L.歯科感染症 朝田芳信
 M.小児外科感染症 小高哲郎・岩中 督

III.特殊な状況下での感染症
 A.免疫不全と感染症 岩田 力
 B.輸血と感染症 浜口 功
 C.移植と感染症 齋藤昭彦
 D.院内感染 満田年宏
 E.救急医療における感染症 村田厚夫
 F.胎児感染症 森内浩幸・森内昌子
 G.新生児感染症 北島博之
 H.学校・幼稚園・保育園などの集団における感染症 和田紀之1
 I.スポーツと感染症 河野照茂


IV.国際機関と感染症対策
WHOにおける感染症対策 砂川富正

V.各論
 A.細菌感染症
1)  ブドウ球菌 豊永義清
2)  溶連菌 鈴木葉子
3)  肺炎球菌 黒崎知道
4)  インフルエンザ菌 黒木春郎
5)  百日咳 岡田賢司
6)  ジフテリア 勝田友博・加藤達夫
7)  破傷風 山根一和
8)  髄膜炎菌 番場正博
9)  モラキセラ・カタラーリス 川崎幸彦
10)  結核菌・非結核性抗酸菌 横田俊平
11)  サルモネラ,腸チフス,パラチフス 田尻 仁・松岡喜美子
12)  細菌性赤痢 角田隆文
13)  コレラ 杉山 明
14)  カンピロバクター 青木知信
15)  ヘリコバクター・ピロリ 豊田 茂
16)  大腸菌 渡邉治雄
17)  ボツリヌス 赤坂真奈美・千田勝一
18)  緑膿菌 豊永義清
19)  バルトネラ 吉田 博
20)  レジオネラ 比嘉 太
21)  淋 菌 小野寺昭一
22)  梅 毒 堀 成美・青木 眞
 B.ウイルス感染症
1)  麻 疹 齋藤義弘
2)  風 疹 寺田喜平
3)  ムンプス 田中孝明・中野貴司
4)  単純ヘルペス 佐藤哲也・前田明彦・脇口 宏
5)  水痘帯状疱疹 吉川哲史
6)  サイトメガロウイルス 沼﨑 啓
7)  EBウイルス 岡野素彦
8)  HHV‐6,HHV‐7 多屋馨子
9)  インフルエンザ 新庄正宜
10)  インフルエンザA/H1N1 2009 谷口清州
11)  ヒトコロナウイルス,ヒトライノウイルス,パラインフルエンザウイルス 一戸貞人
12)  RSウイルス 堤 裕幸
13)  ヒトメタニューモウイルス,ヒトボカウイルスなど新たな呼吸器感染症 菊田英明
14)  パルボウイルスB19 要藤裕孝
15)  肝炎ウイルス
   a)  A型肝炎ウイルス 伊藤玲子
   b)  E型肝炎ウイルス 伊藤玲子
   c)  B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルス
 須磨崎 亮・工藤豊一郎・和田宏来
16)  エンテロウイルス
   a)  ポリオ―その疾患と世界ポリオ根絶計画の進展と挑戦 遠田耕平
   b)  エコーウイルス,コクサッキーウイルス 細矢光亮
17)  ロタウイルス 松永健司
18)  ノロウイルス,その他の腸管ウイルス 中田修二
19)  アデノウイルス 西村 章
20)  HTLV‐I 川上 清
21)  HIV 松下竹次・細川真一・大熊香織
22)  日本脳炎 小西英二
23)  ヒトパピローマウイルス 今野 良
 C.真菌感染症 森 雅亮
 D.マイコプラズマ,リケッチア,クラミジア,ニューモシスチス感染症
1)  マイコプラズマ 大石智洋
2)  リケッチア 山崎 勉
3)  クラミジア 尾内一信
4)  ニューモシスチス 松下竹次・瓜生英子・田中瑞恵474
 E.小児の寄生虫症 大西健児
 F.国内発生はほとんどないが注目される感染症
1)  ウイルス性出血熱 西條政幸
2)  黄熱・ウエストナイルウイルス 髙崎智彦
3)  ニパウイルス 森田公一
4)  SARSコロナウイルス 川名明彦
5)  デング熱・デング出血熱 Moi Meng Ling・髙崎智彦
6)  マラリア 水野泰孝
7)  痘 瘡 森川 茂
8)  炭 疽 滝本浩平・岩田健太郎
9)  狂犬病 髙山直秀
10)  高病原性鳥インフルエンザウイルスの人での感染 押谷 仁
 G.感染症か確定していない「川崎病」 古川 漸・松原知代

付録
1)  医薬品健康被害救済制度について 佐藤淳子
2)  略語・full spell一覧
3)  感染症治療薬の特徴,投与法一覧* 関口進一郎・木実谷貴久(1)
 *:この項目は書籍の後から前にお読み下さい.

索 引

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序文

改訂第2版の序文


 2007年9月に本書が発刊されて以降,お陰さまで多くの方にお読みいただき,また小児感染症のスタンダードな書として各所で備えていただきましたことに,厚く御礼申し上げます.
 本書の発刊から4年の間に,小児感染症の診断・治療,そして疫学・対策などは大きく変化をしてきました.ことに2009年(平成21年)に新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザ2009)の発生は,感染症を扱う臨床・基礎研究・公衆衛生対策などの分野のみならず,一般の人々へも大きなインパクトを与えました.わが国での患者数は2,000万人を超える一方,死亡者は200人程度にとどまり,諸外国に比べて最低レベルの死亡率でした.これは決して自然になったことではなく,医療関係者,保健担当者などの努力,そして一般の人々の新型インフルエンザに関する関心と知識の高さが大きな影響を与えたと思われますが,その対策のあり方や,「備え」に対する考え方に改善すべき点も多々明らかとなりました.しかし「感染症」というものに対して多くの人々の耳目を引いたことは,感染症に関わるものとしては大きな風が吹いたことであり,逆風も多々ありましたが,強い追い風とすべきところかと思います.最近では,ポリオ根絶や麻疹排除の進展と問題点,多剤耐性Acinetobactor baumauniiやNDM―1産生多剤耐性菌による院内感染の発生,新たなワクチンの導入とその後に報告された死亡例の報告,大震災と感染症対策,そして腸管出血性大腸菌O111やO104のアウトブレイクなど,枚挙に暇がありません.
 このような背景は,本書の改訂を促す大きなきっかけとなりました.構成等には大きな変化はなく,分担執筆者も多くは初版の担当の方にお願いし,初版以降に変化した事柄,新たな知見などを付け加えていただきました.限られた紙幅のなかですが,それぞれの分担の先生方には重要な点を今回も要領よくまとめていただき,ここに『小児感染症学‐改訂第2版』が完成しました.小児の感染症の診断,治療,対策,研究へのヒントが得られるものとして,初版同様多くの方々に本書をご利用いただければ幸いです.
 本書改訂の主旨にご賛同を頂き多大なご協力を頂いた分担執筆の先生方,本書の完成に今回も強い力添えをいただいた診断と治療社の皆様方に,この場を借りて厚く御礼申し上げます.

2011年7月
国立感染症研究所感染症情報センター・センター長
岡部信彦



初版の序文


 かつて「病気」といえば流行病あるいは疫病,すなわち感染症(伝染病)が最も恐れられ,またそれが中心であった.しかし病原体の発見,検査法や診断法の進歩,そして抗菌薬やワクチンの開発と普及,衛生環境の向上,栄養状態の改善そして医療そのものの向上などによりかなりの感染症は激減した.わが国において平均寿命が著しく延びたのは,先人の努力により感染症による小児の死亡数が激減したことによるところが大きい.このような状況から,あたかも感染症はすでに人のコントロール下にある疾患であるかのように錯覚され,感染症に対する医学教育や研究部門が次第に縮小された時期があった.しかし感染症は,個々の単純,単一感染症から,複合感染症,合併症,基礎疾患に加わる感染症など複雑化し,新興感染症,再興感染症の出現,耐性菌の増加,医療機関における院内感染対策など,取り組むべき問題は増加し,なおかつ広域化となり地球規模での対策も必要とされ,大幅に見直されてきている.
 そのような状況のもと,雑誌の特集などでは感染症が臨床面,研究面あるいは公衆衛生対策上のトピックスとしてしばしば取り上げられるようになってきたが,一冊の本としてまとめられたものは少なく,教科書として世に出す価値は高まったとして本書の企画が診断と治療社で生まれ,編集者がその相談を受けた.
 企画当初は,編集者自身の教科書として何回も読み直した小児感染症学(金原出版,中尾亨著)のような書を目指そうとしたが,目次作りの段階で,それは自分の能力をはるかに超えた無謀な考えであることにすぐに気づいた.そうであるなら,Pediatric Infectious Diseaseも,Red Book(American Academy of Pediatrics)も多くの専門家による集大成ではないかと直ちに方針を変え,わが国の感染症領域の第一線におられる多くの先輩,知人,友人,あるいはご紹介頂いた先生方に,協力と分担をお願いしたところ,諸先生から快くご承諾を頂いた.
 本書は,小児の感染症を総合的にまた各視点からみることができるよう,臓器別感染症,小児にとってある環境下にあるいわば特殊な状況での感染症,WHOにおける感染症対策などの項目に加えて,各論として病原体別の感染症,そして,国内ではまれであるが注目される感染症,と欲張った構成とした.限られた紙幅のなか,分担して頂いた先生方には重要な点を要領よくまとめて頂き,ここに編集者の期待をはるかに超えたわが国の小児の感染症に関する大教科書が完成した.
 小児の感染症の診断,治療,対策,研究のヒントとして,多くの方々に本書を利用して頂ければ,編集者として望外の幸いである.
 本書の趣旨に賛同頂き多大なご協力を頂いた分担執筆の先生方,そして長い時間粘り強く本書の完成に力を添えて頂いた診断と治療社の関係者の皆様方に,この場を借りて厚く御礼申し上げます.

  2007年9月
国立感染症研究所感染症情報センター・センター長
岡部信彦