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臨床医のためのアレルギー診療ガイドブック診断と治療社 | 書籍詳細:臨床医のためのアレルギー診療ガイドブック

一般社団法人日本アレルギー学会(いっぱんしゃだんほうじんにほんあれるぎーがっかい) 編集

初版 B5判 並製 586頁 2012年04月25日発行

ISBN9784787817952

定価:本体7,800円+税

アレルギー疾患罹患人口の増加に伴い,アレルギー専門医に限らずあらゆる臨床医がcommon diseaseとして認識しなおす必要がある.本書はアレルギー診療の第一線で活躍する執筆陣による書き下ろしであり,臨床医が実地で役立つケーススタディやQ&Aなども盛り込んだ.喘息・鼻炎・花粉症・結膜炎・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・心の問題など,現時点におけるアレルギー疾患の診療にまつわるすべてを網羅した.

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目次

序 文
執筆者一覧
略語一覧

第 1 章 アレルギー(総論)
 A アレルギーの概念・病態・発症の機序(免疫とメカニズム) 平田博国
 B アレルギーの診断(問診・病歴・身体所見) 東田有智,佐藤隆司
  memo アレルギーマーチとは 東田有智,佐藤隆司
  memo患者へのアレルギー検査の説明 谷口正実,福冨友馬
 C アレルギーの各種検査と患者への説明方法 谷口正実,福冨友馬
 D アレルギー疾患の地域連携とチーム連携 谷本 安

第 2 章 成人喘息
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 41 歳男性 田中明彦,足立 満
●ケース 2 27 歳女性 黒川真嗣,足立 満
●ケース 3 24 歳女性 秋山一男
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.喘息やアレルギー性鼻炎患者の原因アレルゲン検索を外部の検査会社へ依頼する場合,検査できるアレルゲンは多種類ありますが,具体的にはどのように進めればよいでしょうか. 秋山一男
Q.慢性咳嗽の患者にどのような検査をすべきか教えてください. 黒川真嗣,足立 満
Q.高齢者では,喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)との鑑別診断がむずかしいといわれます.日常診療での鑑別診断方法を教えてください. 秋山一男
Q.喘息患者に対して吸入ステロイド薬を使用していますが,喘息症状を頻回に認めています.このような患者に対してどの薬剤を追加していけばよいのか教えてください. 田中明彦,足立 満

 A 気管支喘息(成人喘息)とは 松永和人,一ノ瀬正和
 B 検査・鑑別・重症度(判定) 松永和人,一ノ瀬正和
 C 治 療 田中明彦,足立 満
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 田中明彦,足立 満
 D 年齢別にみた対応(検査・治療など) 黒川真嗣,足立 満
 E 急性期と長期ケア,自己管理 山口正雄,大田 健
 F 発作予防と日常生活の指導 鈴木直仁,大田 健
 G 救急対応 長瀬洋之,大田 健

第 3 章 小児喘息
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 3 歳男児 近藤直実
●ケース 2 13 歳女子 勝沼俊雄
●ケース 3 1 歳 1 カ月男児 勝沼俊雄
●ケース 4 2 歳 2 カ月女児 近藤直実
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.3 歳男児で軽症持続型の喘息と診断し,ロイコトリエン受容体拮抗薬を使用していますが,3 週間経っても症状が安定しません.どのようにしたらよいですか.なお,環境整
備やアレルゲン回避については十分に対応しています. 近藤直実
Q.中等症持続型喘息の 6 歳男児で,吸入ステロイド薬(フルタイド®50μg エアゾール1 回 50μg 1 日 2 回吸入)を使用して 1 週間になりますが,まだ十分な安定が得られ
ません.どうしたらよいですか.なお,アドヒアランスは良好で,吸入のしかたについ
ても十分になされています. 近藤直実
Q.長期ケアにおけるβ2刺激薬の適正使用について教えてください.予防的にβ2刺激薬を吸入・貼付してもよいのでしょうか. 勝沼俊雄
Q.患児・保護者が喘息日誌やピークフローモニターをしてくれないときはどうすればよいでしょうか. 勝沼俊雄

 A 小児喘息とは 西間三馨
 B 診断,鑑別診断と検査 森川昭廣,小林 徹,重田 誠
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 森川昭廣
 C 急性発作時の治療 西牟田敏之
 D 長期管理(薬物による長期管理を含む) 西牟田敏之
 E 日常生活における問題とその管理 西牟田敏之
 memo小児慢性特定疾患医療給付 西牟田敏之

第4章 アレルギー性鼻炎
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 29歳女性 藤倉輝道
●ケース 2 7歳女児 後藤 穣
●ケース 3 31歳 男性 松根彰志
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.ロイコトリエン受容体拮抗薬の効果的な使いかたを教えてください. 松根彰志
Q.特異的免疫療法の施行法と効果発現機序について教えてください. 後藤 穣
Q.レーザー治療の施行法と効果発現機序について教えてください.また,どのくらいの期間,効果は持続するのでしょうか. 藤倉輝道

 A アレルギー性鼻炎とは 洲崎春海
 B 検査・鑑別 岡本美孝
 C 治 療 川内秀之
 memo診断や治療についての患者への説明ポイント 川内秀之
 D アレルギー性鼻炎をもつ妊婦への薬物療法のリスクと治療法の選択 今野昭義
 E 日常生活の指導 黒野祐一
 memoアレルゲン除去の具体的な説明 黒野祐一

第 5 章 花粉症
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 37 歳男性 太田伸男
●ケース 2 42 歳男性 岡野光博
●ケース 3 19 歳女性 湯田厚司
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.舌下免疫療法の施行法と効果発現機序を教えてください. 湯田厚司
Q.花粉症,アレルギー性鼻炎と睡眠障害の関係を教えてください. 太田伸男
Q.プロスタグランジン D2・トロンボキサン A2受容体拮抗薬の効果的な使いかたを教えてください. 岡野光博

 A 花粉症とは 榎本雅夫
 B 検査・鑑別 荻野 敏
 C 治療と予防 増山敬祐
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 増山敬祐
 D 日常生活の指導 荻野 敏
 memo花粉症の原因となる植物 安枝 浩

第 6 章 アレルギー性結膜疾患
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 24 歳女性 高村悦子
●ケース 2 30 歳男性 高村悦子
●ケース 3 10 歳男児 高村悦子
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.耳鼻咽喉科に通院中の花粉症患者から,目がかゆいと点眼薬の処方を頼まれることがあります.今は抗アレルギー点眼薬を処方していますが,花粉飛散量が多い時期にはそれだけでは効かないようです.耳鼻咽喉科ではアレルギー性鼻炎に対しステロイド点鼻薬を積極的に処方していますが,こういう場合,ステロイド点眼薬を処方してはいけないのでしょうか. 高村悦子
Q.毎年,スギ花粉によるアレルギー性結膜炎で困っている患者には,抗アレルギー点眼薬の初期療法がよいという話を聞きました.耳鼻咽喉科では抗アレルギー薬による初期療法を内服で行うことはありますが,結膜炎の場合には実際,どのように治療すればよいのでしょうか.何をいつから開始するのか,治療薬の種類や開始時期など具体的に教えてください. 高村悦子
Q.春季カタルの治療薬として,2 種類のカルシニューリン阻害点眼薬が処方できるようになったと聞いています.使いわけはどのようにするのでしょうか.また,副作用にはどのようなものがあるのでしょうか.アトピー性皮膚炎に対するタクロリムス軟膏の場合は皮膚への刺激感が問題となったようですが,目ではいかがでしょうか.全身への副作用はありますか. 高村悦子
Q.季節性アレルギー性結膜炎の診断に,血清・涙液中 IgE 抗体の定量・定性検査は有用ですか. 海老原伸行
Q.季節性アレルギー性結膜炎の初期療法について教えてください. 海老原伸行

 A アレルギー性結膜疾患とは 内尾英一
 B 検査・鑑別 庄司 純
 C 治 療 海老原伸行
 D 日常生活の指導 深川和己

第 7 章 アトピー性皮膚炎
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 0 歳 5 カ月男児 有馬孝恭
●ケース 2 7 歳男児 小田嶋博
●ケース 3 24 歳男性 片山一朗
●ケース 4 33 歳女性 佐伯秀久
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.特異的 IgE 抗体価の検査で陽性となった項目に対してはどのような対処が必要ですか. 佐伯秀久
Q.ペットアレルギーを有する 4 歳男児で,自宅では飼っていないのですが,父親の実家でイヌとネコを飼っており,そこを訪問すると悪化するということです.孫を連れて行かないと姑から責められ,嫁・姑の関係がうまくいかないと相談を受けました.どのように指導したらよいですか. 小田嶋博
Q.アトピー性皮膚炎の治療に用いる外用薬の選択と注意点を教えてください. 片山一朗
Q.アトピー性皮膚炎患者では皮膚バリア機能の障害があるといわれます.最近の考えかたと実際の治療での対処法を教えてください. 有馬孝恭

 A アトピー性皮膚炎とは 片山一朗
 B 診断・検査・鑑別 佐伯秀久
 C 治 療 片山一朗
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 片山一朗
 D 合併症 片山一朗
 E 日常生活・園・学校生活の指導 小田嶋博

第 8 章 重症薬疹
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 53 歳男性 塩原哲夫
●ケース 2 62 歳男性 塩原哲夫
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.発症初期の段階で,Stevens-Johnson 症候群(SJS),中毒性表皮壊死症(TEN),薬剤性過敏症症候群(DIHS)を鑑別する方法を教えてください. 塩原哲夫
Q.原因薬を決定するための検査にはどのような方法があり,どれを行うべきなのでしょうか. 塩原哲夫
Q.重症薬疹に対するステロイド薬の使いかたを教えてください. 塩原哲夫
Q.重症薬疹の既往がある患者には,どのように対応していけばよいでしょうか. 塩原哲夫

 A 薬剤アレルギーとは 塩原哲夫
 B 診断・鑑別 狩野葉子
 C 治 療 狩野葉子
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 塩原哲夫
 D 日常生活の指導 狩野葉子

第 9 章 接触皮膚炎
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 72 歳女性 横関博雄
●ケース 2 82 歳女性 横関博雄
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.かぶれ(接触皮膚炎)の頻度とよくある原因アレルゲンを教えてください.横関博雄
Q.かぶれ(接触皮膚炎)の治療のコツを教えてください. 横関博雄
Q.接触皮膚炎にステロイド薬内服療法は適応となりますか. 横関博雄
Q.接触皮膚炎におけるステロイド外用薬の選択はどのようにしたらよいでしょうか. 横関博雄
Q.接触皮膚炎の予防はどうしたらよいでしょうか. 横関博雄

 A 接触皮膚炎とは 相場節也
 B 検査・鑑別 矢上晶子,松永佳世子
 C 治 療 古川福実
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 古川福実
 D 短期・長期的管理 高山かおる

第 10 章 蕁麻疹/血管性浮腫
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 55 歳女性 秀 道広
●ケース 2 35 歳女性 秀 道広
●ケース 3 60 歳男性 秀 道広
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.急性蕁麻疹の診断を行う場合,そのまま急性蕁麻疹として治るか,経過が長引いて慢性蕁麻疹へと移行するかを予測することはできますか. 秀 道広
Q.蕁麻疹で初診時に行っておくべき検査は何ですか. 秀 道広
Q.原因が明らかでない蕁麻疹にヒスタミン H1受容体拮抗薬とステロイド薬の合剤はよく効きますが,使ってはいけませんか. 秀 道広
Q.病歴からⅠ型アレルギーによる蕁麻疹が疑われる場合は,イムノキャップなどの抗原特異的な血清 IgE 抗体の測定により原因を特定することができますか. 秀 道広

 A 蕁麻疹/血管性浮腫とは 平郡真記子
 B 検査・鑑別 猪又直子
 C 治 療 森田栄伸
 memo内臓疾患と関連する蕁麻疹―感染症と蕁麻疹 古川福実

第 11 章 食物アレルギー
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 4 カ月男児 成瀬徳彦,宇理須厚雄
●ケース 2 3 歳男児 近藤康人
●ケース 3 25 歳女性 小倉和郎,近藤康人
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.食物アレルギーの皮膚症状について教えてください. 鈴木聖子,近藤康人
Q.血清特異的 IgE 抗体価の読みかたについて教えてください. 安藤仁志,宇理須厚雄
Q.食物アレルギーの除去はいつまで続けるのでしょうか. 野村孝泰,近藤康人
Q.食物アレルギーの経口免疫療法の適応について教えてください. 柘植郁哉
Q.表示違反の罰則や表示の問題点について教えてください. 中島陽一,近藤康人

 A 食物アレルギーとは 海老澤元宏
 B 検査・交差抗原性・鑑別 伊藤浩明
 C 治 療 伊藤節子
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 伊藤節子
 D 各アレルゲンへの対応 伊藤節子
 memo特定原材料アレルギー表示 伊藤節子
 memo口腔アレルギー症候群 近藤康人
 E 年齢別にみた対応 伊藤節子
 F 日常生活・園・学校生活の指導 海老澤元宏
 memo予防接種 犬尾千聡,近藤康人
 G 救急対応 近藤康人
 memoエピペン®の処方 田中健一,近藤康人

第 12 章 ラテックスアレルギー
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 26 歳女性 矢上晶子,松永佳世子
●ケース 2 5 歳男児 赤澤 晃
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.ラテックスアレルギーの医療従事者が選択すべき手袋について教えてください. 矢上晶子,松永佳世子
Q.花粉症に罹患しており,果物類を食べると咽喉に違和感が生じる,いわゆる pollen-food allergy syndrome(PFS)の患者に対してラテックス特異的 IgE を測定したところ,ラテックスアレルギーの自覚はないにもかかわらず陽性を呈しました.このような患者の場合も,ラテックスアレルギーと考えるべきなのでしょうか. 原田 晋

 A ラテックスアレルギーとは 赤澤 晃
 B 検査・鑑別 赤澤 晃
 C 治 療 矢上晶子,松永佳世子
 memo検査結果,治療についての患者への説明ポイント 矢上晶子,松永佳世子
 D 日常生活の指導 矢上晶子,松永佳世子

第 13 章 アレルギー疾患と心の問題
よくある患者の訴えと診療のコツ(ケーススタディ)
●ケース 1 24 歳女性 檜垣祐子
●ケース 2 35 歳女性 上出良一
よくある患者の訴えと診療のコツ(Q & A)
Q.アレルギー診療を進めていくうえで,医師と患者のパートナーシップを築く重要なポイントを具体的に教えてください. 檜垣祐子
Q.小学生の息子がアトピー性皮膚炎のために学校でいじめられ,最近は学校へ行きたがらなくなったが,親としてどのように対応すべきか,と質問されました.かかりつけ医として,どのように対応すればよいでしょうか. 日野治子
Q.私はある会社の産業医です.22 歳の女性から「隣の席の男性(38 歳)がアトピー性皮膚炎で,四六時中,体中のあちこちを掻きむしっています.皮もぼろぼろと床に落ち,お風呂も入っていないようで,においがするような気がして仕事に集中できません」と相談を受けましたが,どのように対応すればよいでしょうか. 日野治子 
Q.22 歳,自閉症の男性を診ている小児科医です.中学生頃よりアトピー性皮膚炎が始まり,当科でステロイド薬を処方し母親が塗付しています.本人は皮膚の清潔や治療に無頓着でなかなか治りません.今回,職業訓練校に通うことになり,少しでもよくしたいのですがどうすればよいでしょうか. 上出良一

 A アレルギー疾患と心の関係 久保千春
 B 患者と保護者への心理的ケア 久保千春


資 料
関連学会一覧,関連ガイドライン一覧,参考図書一覧
薬剤一覧
抗原一覧

索 引

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序文

序  文


わが国のアレルギー疾患罹病率は人口の 30%を超えているという厚生労働省研究班の疫学研究が報告されてからすでに 20 年近く経過し,現在はさらに増加しているといわれています.そのような今日,アレルギー疾患は決して特殊な病気ではなく,まさに common disease として多くの国^n民の方々が,いつでもどこでも安心してアレルギー疾患の医療を受けることができることを望んでおられます.アレルギー疾患に罹患されている多くの患者さんは,単一のアレルギー疾患のみに罹患していることは少なく,いくつかのアレルギー疾患を併せてもっている場合が多いことは医療の現場でよく経験することです.したがって患者さんは,自分が罹患しているすべてのアレルギー疾患については,ふだん受診しているかかりつけ医の先生が診てくれることを望んでいます.しかしながら,現在のわが国の医学教育・卒後教育においては,すべてのアレルギー疾患をカバーしうるような教育システムになっていないため,なかなかむずかしい面があります.
 これまで厚生労働科学研究さらには日本アレルギー学会などにより,気管支喘息(成人・小児),アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜疾患,アトピー性皮膚炎,食物アレルギーなど,主要アレルギー疾患の診断・治療ガイドラインが刊行・改訂されてきていましたが,日本アレルギー学会では 2007 年に,これら 5 疾患 6 分野を統合した「アレルギー疾患診断・治療ガイドライン 2007(JAGL2007)」を発刊しました.さらに 2010 年には,蕁麻疹,接触皮膚炎,薬疹,ラテックスアレルギーなどを追加し,9 疾患 10 分野のほぼすべてのアレルギー疾患を網羅した形で,各種アレルギー疾患の適切な診断・治療のために「アレルギー疾患診断・治療ガイドライン(JAGL2010)」を刊行しました.
 JAGL2010 は各疾患ごとに,定義・分類・疫学・診断・治療・予防・患者教育などについて記述するとともに,他の疾患が合併しているときの治療のポイント・専門医への紹介を考慮する条件・ワンポイントレッスンなど,ひとりの医師がアレルギー疾患全般をカバーできるよう,また専門医との連携をしやすくするようにとの配慮をした構成となっています.しかしながら,かかりつけ医の先生が日常の多忙な診療の中,診察室で手軽に参考にするにはまだやや取っつきにくい感がぬぐえませんでした.そこで,JAGL2010 とともに傍らにおいて参考にしていただくため,より具体的に日常診療に役立つような形でのマニュアルとして「臨床医のためのアレルギー診療ガイドブック」を作成いたしました.
 本書を作成するにあたりましては,多くのアレルギー学会会員の先生にご協力いただき,JAGL2010 に則った内容をできるだけわかりやすく具体的にご執筆いただきました.発刊にあたり執筆者各位に感謝申し上げますとともに,本書がアレルギー疾患を診るすべての先生のお役に立てることを祈念しております.

2012 年 3 月
日本アレルギー学会前理事長 西間三馨
日本アレルギー学会理事長 秋山一男