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書籍詳細

aEEGビギナーズマニュアル診断と治療社 | 書籍詳細:aEEGビギナーズマニュアル

順天堂大学医学部小児科 准教授

奥村 彰久(おくむら あきひさ) 監修

埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター新生児科 教授

側島 久典(そばじま ひさのり) 監修

名古屋大学医学部附属病院周産母子センター 講師

早川 昌弘(はやかわ まさひろ) 監修

 

初版 B5判 並製 96頁 2010年10月22日発行

ISBN9784787818065

定価:本体2,800円+税
  

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NICUにおいて近年普及しつつあるaEEG(amplitude-integrated EEG)を,有用性からトラブル対処法,実際の機器の解説まで,写真や図を多用しながらわかりやすくまとめた一冊.波形判読のコツや取扱いの注意点など,ポイントを随所に盛り込み,aEEGを取り扱う看護師や臨床検査技師,医師など,幅広い対象ですぐに活用できる充実した内容となっている.

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目次

1章 aEEGとは
1 aEEGの原理 奥村彰久  
 1 aEEGの原理 
 2 aEEGの表示 
2 aEEG判読の基礎知識 奥村彰久  
 1 aEEGの判読のポイント 
 2 aEEG判読に必要な通常脳波の知識 
 3 aEEG判定の実際 
 4 アーチファクト 

2章 aEEGによるモニタリングの実際
1 電極とその装着法 國方徹也 
 1 電極の装着 
 2 電極の種類 
 3 電極装着位置 
 4 電極の装着方法 
2a 脳波モニタ NicoletOneTMの使い方 早川昌弘
 1 特徴と機器の構成 
 2 基本操作 
 3 便利な機能
2b 脳波モニタ CFM-6000の使い方 服部哲夫 
 1 特徴と機器の構成
 2 基本操作
 3 便利な機能 
 4 まとめ 
2c 脳波モニタ Neurofax QP-160Aの使い方  久保田哲夫 
 1 特徴と機器の構成 
 2 基本操作 
 3 便利な機能 
3 ベッドサイドモニタによる脳波モニタリング  久保田哲夫 
 1 はじめに 
 2 方法 
 3 利点,欠点 
4 アーチファクトとその対応 加藤 徹 
 1 はじめに
 2 アーチファクトの見分け方 
 3 アーチファクトに関する検討論文 
 4 アーチファクトの具体的な原因とその対策について

3章 aEEGの有用性
1 背景活動の評価 城所博之
 1 背景活動の評価 
 2 経時的変化
 3 早産児における背景活動の評価 
 4 解釈上の注意点 
2 新生児発作の評価 城所博之 
 1 新生児発作の診断 
 2 発作症状 
 3 aEEGでみた発作時所見 
 4 aEEGによる診断精度 
 5 aEEGの背景活動の評価 
 6 aEEGを用いた発作の管理 
 7 発作評価における注意点 

付録 Q&A――aEEGトラブル対処法 久保田哲夫

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序文

序 文
 周産期医療の進歩によって超早産児の多くが生存し,重症新生児仮死に対しても脳低体温療法をはじめとする脳保護療法が多くの施設において施行される時代が到来した.神経学的予後が新生児科医の大きな関心事の一つとなり,われわれが新生児医療に携わり始めた頃と比べると隔世の感がある.しかし新生児の中枢神経評価については,頭部エコーの普及やMRIの導入などの革新はあったが,ベッドサイドにおいてリアルタイムの脳機能を評価する手法はあまり変化していないように思える.画像検査で捉えることができるのは,脳傷害の結果である.刻々と変化し続ける新生児の中枢神経の評価が周産期脳障害の克服に必要であるとはわかっていても,実際にそれを行うことはとても困難であった.新生児脳波は日本や欧米の限られた施設で利用されており,それが有用であることは広く認識されていた.たとえば,われわれの研究で脳室周囲白質軟化症を発症する早産児では出生後早期から強い脳波異常を高率に認めることが判明し,脳障害は分娩までに起きることが多いことを明らかにするという画期的な知見を得ることができた.しかしほとんどのNICUで,早産児や重篤な合併症のある児に脳波を記録することには様々な障壁があり,また記録された脳波はごく一部のエキスパートを除き適切に判読することができなかった.このような状況では,新生児脳波が普及しないのは必然であったといえる.
 そのような状況の中で,1990年代後半からamplitude-integrated EEG(aEEG)が欧米で使われ始めた.aEEGの情報量は通常の脳波に比べて限られているが,その簡便さはNICUにおいて新生児の脳機能モニタリングを行うという目的にはよく合致していた.実際に,欧米から次々と臨床における有用性が報告され,NICUにおける重要なモニタとして普及しつつあるのが窺われた.そして近年についにわが国でもaEEGを記録できる機器が発売され,少しずつNICUの中に入りこみ始めた.しかし,これまで脳機能をモニタすることに慣れていない施設では,aEEGの導入や活用にどうしても障壁があるように思われる.胸に電極を貼って心拍呼吸をモニタすることは日常の業務に溶け込み何の抵抗もなく行われているが,頭に電極を貼るという行為はNICUの多くではこれまでは非日常の出来事であった.表示される波形もほとんどの医師や看護師にとってこれまで見たことがないもので,何のために必要なのかもよくわからないというのが本音であろう.こうした事情がaEEGの普及を妨げているのだとしたら,なんとか少しでもその障壁を取り除きたいとわれわれは考えた.
 本書はaEEGを初めて目にした初心者が,患児に電極を貼ってaEEGを記録し,最小限必要な情報を得ることを目指して作成した.ぜひaEEGに対し苦手意識をもっている方に本書を手にとっていただき,aEEGを身近に感じていただければ大変うれしく思う.

 2010年10月

順天堂大学医学部小児科准教授
奥村彰久
埼玉医科大学総合医療センター
総合周産期母子医療センター新生児科教授
側島久典
名古屋大学医学部附属病院周産母子センター講師
早川昌弘