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書籍詳細

糖尿病学2012診断と治療社 | 書籍詳細:糖尿病学2012

東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科学教授

門脇 孝(かどわき たかし) 編集

初版 B5判 並製 152頁 2012年05月20日発行

ISBN9784787819444

定価:本体9,500円+税

日進月歩の進歩を遂げる糖尿病学の中でも特にわが国発の研究に重点を置いて重要な課題を取り上げ,専門的に解説したイヤーブック.今年もこの 1 年の基礎的研究,展開・臨床研究の成果が 19 編の論文に凝集されている.糖尿病研究者のみならず,一般臨床医にとっても必読の書.

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目次

目 次
口絵
序文
執筆者一覧
基礎研究
 1.膵β細胞におけるインスリン-PI3K の生理的・病態生理的役割
[植木浩二郎]
■はじめに
■2 型糖尿病の自然史とβ細胞機能・量の変化 
■インスリンシグナリング関連分子遺伝子改変マウスの知見から
■β細胞におけるインスリンシグナリング
■インスリンシグナリングのβ細胞量調節における役割 
■インスリンシグナリングのインスリン分泌における役割 
■おわりに 8
 2.膵β細胞の in vivo イメージングの現状と展望
[豊田健太郎,稲垣暢也]
■はじめに 11
■正常の耐糖能を維持するのにどれくらいの膵島量が必要か 
■糖尿病の発症と膵島機能の関係
■糖尿病における膵β細胞量の減少について
■膵β細胞の in vivo イメージングの方法
■おわりに
 3.膵β細胞の糖鎖修飾とグルコース輸送低下を介する糖尿病発症経路
[大坪和明]
■はじめに 
■GnT-Ⅳa 欠損マウスにおけるインスリン分泌機能不全 
■高脂肪食負荷による 2 型糖尿病発症と GnT-Ⅳa 発現低下 
■GnT-Ⅳa の発現制御機構と高脂肪食負荷による発現抑制
■ヒト 2 型糖尿病と膵β細胞における糖鎖機能 
■膵β細胞特異的 GnT-Ⅳa 導入による糖代謝機能維持の試み
■おわりに 
 4.iPS 細胞からのランゲルハンス島作製―現状と展望
[齋藤弘樹,宮島 篤] 
■はじめに 
■インスリン産生細胞誘導の試み
■膵臓の発生と構造 
■β細胞誘導系の開発 
■膵島形成の試み 
■おわりに
 5.脂肪細胞分化特異的エンハンサーのゲノムワイド解析と分化における NFI の役割
[脇 裕典] 
■はじめに
■高速シークエンサーによるゲノムワイド解析とエンハンサーの新しい考え方
■オープンクロマチン解析(FAIRE-seq)による脂肪細胞分化に伴う転写制御領域の同定 
■モチーフ解析と FAIRE-seq の組み合わせによる新たな分化制御因子の同定
■おわりに
 6.血管内皮細胞インスリンシグナル障害と骨格筋インスリン抵抗性
[窪田直人,窪田哲也,門脇 孝] 
■はじめに
■インスリンと血管内皮機能 
■血管内皮細胞特異的インスリン受容体欠損マウス 
■肥満モデル動物の血管内皮細胞における選択的インスリン抵抗性 
■骨格筋インスリン感受性調節における血管内皮細胞の役割
■おわりに 
 7.脂肪細胞に発現する新規転写因子 IRF4 の同定と機能解析
[江口 潤]
■はじめに
■脂肪細胞に発現する新規転写因子ファミリー IRF の同定
■IRF について 
■脂肪細胞における IRF4 の発現は絶食により誘導される
■インスリンは転写因子 forkhead box O1(FoxO1)を介して IRF4 の発現を抑制する
■IRF4 は脂肪融解を促進し脂質生合成を抑制する 
■脂肪細胞特異的 Cre リコンビナーゼ発現マウスの作製 
■脂肪細胞特異的な IRF4 欠損マウスは脂肪組織の重量の増加を呈する
■脂肪細胞特異的 IRF4 欠損マウスは脂肪融解能の低下を呈する
■おわりに 
 8.インスリンによる脳コレステロール代謝調節
[鈴木 亮] 
■はじめに
■1 型糖尿病と 2 型糖尿病における認知機能低下パターンの違い
■STZ 糖尿病マウスの脳でコレステロール合成が減少している
■脳における SREBP-2 経路とインスリン作用
■コレステロールとシナプス形成
■おわりに 
 9.糖尿病腎症進展と低酸素
[南学正臣]
■腎臓の酸素化
■糖尿病腎の低酸素の証明
■糖尿病腎の低酸素の機序
■糖尿病における低酸素防御機構の破綻
■metabolic memory と低酸素
■低酸素に対する治療
■まとめ 
展開研究・臨床研究
10.劇症 1 型糖尿病は自己免疫機序により発症する
[島田 朗,多田 愛,及川洋一]
■はじめに
■poly(I:C)による糖尿病発症促進
■膵外分泌腺炎とα細胞の減少
■膵島および膵外分泌領域の浸潤リンパ球分画
■IL-18 と Granzyme B の発現増強
■おわりに
11.糖尿病腎症の遺伝素因
[前田士郎] 
■イントロダクション 
■ゲノムワイド関連解析:GWAS 
■GWAS による糖尿病腎症感受性領域の探索 
■おわりに 
12.米国糖尿病学会(ADA)の基準 HbA1c(国際標準値)5.7~6.4%と空腹時血糖値異常による“前糖尿病”診断とその後の 2 型糖尿病発症リスク
[平安座依子,曽根博仁]
■はじめに
■HbA1c 5.7~6.4%と空腹時血糖値異常による pre-diabetes の診断とその意義
■IFG と HbA1c 5.7~6.4%による pre-diabetes 診断とその後の糖尿病進展リスクの前向き検討 81
■HbA1c 5.7~6.4%基準を pre-diabetes 診断と糖尿病発症予測に導入する臨床的意義
■おわりに
13.HbA1c の国際標準化の最新情報
[西尾善彦,柏木厚典]
■HbA1c の定義と測定系 
■国際標準化にいたる経緯 
■国際標準化への対応の詳細 
14.糖尿病と Alzheimer 病
[清原 裕]
■はじめに 
■久山町における老年期認知症の疫学調査 
■糖尿病有病率の時代的変化
■認知症有病率の時代的変化
■糖尿病と Alzheimer 病の関係 
■高血糖が認知症発症に関与する機序 
■おわりに
15.インスリンポンプ療法の現状と未来
[黒田暁生,松久宗英]
■はじめに 
■インスリンポンプの導入―ペン型インスリン療法の限界 
■インスリンポンプ療法の適応
■インスリンポンプの設定
■まとめ 
16.インクレチンの血管保護作用
[三田智也,綿田裕孝]
■はじめに
■血管内皮細胞に対する GLP-1 の作用 
■単球/マクロファージに対する GLP-1 の作用
■血管平滑筋細胞に対する GLP-1 の効果 
■DPP-4 阻害薬の GLP-1 を介さない作用 
■おわりに
17.細胞シートを用いた糖尿病次世代再生医療の展望
[大橋一夫,後藤満一,岡野光夫] 
■はじめに
■門脈外部位の魅力 
■皮下等局所における膵島生着の課題
■細胞シート工学を基盤とする組織工学
■膵島細胞シート作製 
■膵島細胞シート移植による皮下膵島組織作製と意義
■次世代細胞シートによる高機能化膵島組織作製への展望 
■異種細胞・幹細胞由来細胞による展開
■おわりに
18-1.東日本大震災と糖尿病医療 1)日本糖尿病学会の活動
[田中治彦,植木浩二郎,門脇 孝] 
■はじめに 
■東日本大震災時における日本糖尿病学会の活動 
■今後の災害時糖尿病医療構築と日本糖尿病学会の活動
18-2.東日本大震災と糖尿病医療 2)大震災後の糖尿病医療
[高橋和眞,佐藤 譲]
■はじめに
■医療機関の防災設備,特にライフ・ラインの確保に関する対策 
■医薬品の備蓄,搬送,供給対策
■慢性疾患への対策の早期実施と合併症の予防 
■臨床検査の迅速対応
■防災対策の指導と災害時の生活変化に対応しうる患者教育の必要性 
■行政,医療機関,医療チームとの連携と情報伝達の整備 
■おわりに

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序文

 『糖尿病学』は 1976 年に故小坂樹徳先生により創刊されて以来,本年で 36 年目を迎えた.また,今回から岡芳知先生,谷澤幸生先生の後を引き継ぎ,小生が編集を担当することとなった.
 糖尿病に関する研究は,各分野の科学・技術の進歩を取り入れて,まさに日進月歩の進歩を遂げている.本書は毎年,その年の糖尿病に関する重要な話題や,研究成果を取り上げ,糖尿病学の進歩を刻むマイルストーンの役割を果たしてきた.
 また,『糖尿病学』では,特にわが国発の研究に重点を置いて重要な課題を取り上げ,専門的に解説いただく年報として歩みを進めて来た.
 『2012 年版』でもこれまで同様,「基礎研究」および「展開研究・臨床研究」に関するレベルの高い 19 の論文を掲載し,読者の皆様にお届けできる運びとなった.今回特筆すべきは,昨年未曾有の被害をもたらした東日本大震災に関連するテーマとして「東日本大震災と糖尿病医療」に関する 2 論文も掲載した.過去の教訓に学び,かつ今後の糧としていくにあたり大切なテーマと思われる.被災地の復興が一日も早く進むことを願ってやまない.
 最後に,up-to-date な情報を発信するため非常に短い期間で執筆をいただいた著者の皆様に深謝申し上げる.
平成 24 年 5 月
門脇 孝