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最新 アレルギー疾患の免疫療法と分子標的治療診断と治療社 | 書籍詳細:最新 アレルギー疾患の免疫療法と分子標的治療
―理論と実践―

岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学

近藤 直実(こんどう なおみ) 編集

初版 B5判 並製 162頁 2013年01月04日発行

ISBN9784787819956

定価:本体4,800円+税
  

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近未来の目標であるアレルギー疾患の治癒に向けた取り組みである,根治療法としての,テーラーメイド医療を目指した免疫療法と分子標的治療についてまとめた.
それぞれの方法のエキスパートが,現在取り組んでいる免疫療法や分子標的治療を具体的に,その展望も含めて記載した.このうち臨床の場で適用されている方法については,安全性に配慮しつつその実施の視点から論じている.アレルギー疾患治療のアップデートに欠かせない一冊.

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目次

序文
執筆者一覧

1 アレルギー疾患における免疫療法と分子標的治療の位置づけ  /近藤直実
2 免疫療法の歴史と種類  /秋山一男,粒来崇博,谷口正実,安枝 浩
3 免疫療法の作用機序  /大嶋勇成
4 分子標的治療とその機序  /加藤善一郎,近藤直実
5 アレルギーのテーラーメイド治療  /近藤直実
6 アレルゲン免疫療法の理論と実際-米国における経験を基にして
  /長屋 宏
7 成人気管支喘息に対するアレルゲン免疫療法  /永田 真,杣 知行
8 成人気管支喘息に対するアレルゲン特異的免疫療法  /谷口正実,福冨友馬
9 小児領域におけるアレルゲン特異的免疫療法-その1-
  -皮下免疫療法  /栗原和幸
10 小児領域におけるアレルゲン特異的免疫療法-その2-
  -喘息を中心に  /勝沼俊雄
11 小児喘息に対するアレルゲン特異的免疫療法  /藤澤隆夫
12 気管支喘息に対する抗IgE抗体療法  /大田 健
13 アレルギー性鼻炎に対するアレルゲン特異的免疫療法-その1-
  /岡本美孝,米倉修二
14 アレルギー性鼻炎に対するアレルゲン特異的免疫療法-その2-
  -おもに皮下免疫療法  /大橋淑宏
15 アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法  /大久保公裕
16 食物アレルギーに対する経口免疫(減感作)療法  /海老澤元宏
17 食物アレルギーに対する抗原改変牛乳による経口免疫療法
  /金子英雄,大西秀典,近藤直実 
18 食物アレルギーに対する改変卵蛋白による経口免疫療法
  /柘植郁哉,宇理須厚雄
19 CpGワクチン  /阪口雅弘 
20 アトピー性皮膚炎に対する核酸医薬療法  /横関博雄 
21 アレルゲン製剤の現状と今後  /夏井謙介
22 免疫異常疾患に対する免疫療法と抗体療法-その1-
  -生物学的製剤の総論  /松井永子
23 免疫異常疾患に対する免疫療法と抗体療法-その2-
  -リウマチ性疾患に対する生物学的製剤  /寺本貴英
24 免疫異常疾患に対する免疫療法と抗体療法-その3-
  -自己炎症性疾患に対する生物学的製剤  /大西秀典

付録
索引

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序文



 アレルギー疾患については,医学の進歩と薬の開発とガイドラインの発刊により治療効果が示されてきました.しかし,多くの場合が対症療法であり治癒(cure)に至っていません.
 ここにおいて,アレルギーが治りきること,すなわち治癒,そして予防こそが近未来の大きな目標であると考えます.
 疾患に対する治療管理には症状に対する対症療法も必要ですが,この方法のみでは自然治癒を期待する以外に治癒は望めません.幸いにも,ヒトの体には自然の治癒力が備わっていることから,自然治癒も大いに期待されるものです.免疫の基本は自己と非自己を認識し,非自己に対して反応して生体を守ることですが,一方,アレルギーでは非自己に対する過剰反応を回避するような免疫寛容現象が成立することが,アレルギーの自然治癒につながります.
 しかし自然治癒を期待できない場合,根治療法が治癒を目指す唯一の方法となります.そのためには,テーラーメイド医療を目指した分子標的治療や免疫療法などが展開されるべきと考えます.免疫療法は過去からの長い歴史を経て現在に引き継がれてきましたが,いよいよ近未来において,このような極めて重要な位置を占めると考えます.
 アレルゲン特異的免疫療法の基本的な方法は,アレルゲンを繰り返し投与することであります.近年,有効性と安全性の向上を求めて,種々の新たな方法が検討開発されてきています.アレルゲンの改良や投与方法の改良などです.
 アレルゲン特異的免疫療法の作用機序については,制御性T細胞が中心的役割を演じ,T細胞,とくにTh1とTh2,さらにTh17のアンバランスの是正,サイトカインやIgE抗体の産生の是正,IgG4抗体の誘導,炎症細胞と炎症反応の抑制などが報告されていますが,免疫療法の確立のためには今後のさらなる分析が大いに期待されています.
 免疫療法を広く捉えれば,医療の多くの分野で免疫学的な方法での治療法が,免疫療法として行われています.本書ではこのような視点から,アレルギー疾患において行われている免疫療法を広く捉え,この領域のエキスパートである先生方にそれぞれのお立場や視点から,現在取り組んでおられます免疫療法や分子標的治療について記載していただきました.
 臨床の場ですでに適用されているか,あるいは現状は研究段階であるかを明記の上,その具体的な内容や今後の展望についてご紹介いただきました.このうち臨床の場で適用されている方法については,安全性の問題などを十分に含め,本書を見ながら実施できる場合にはそのような視点からご紹介いただきました.ただし,実施にあたっては,もちろん十分な経験(例えばいわゆる専門医など)のうえで,さらに個々の患者の状態を把握して,安全を期すようくれぐれもお願いいたします.本書の編集にあたり,著者の方々,ならびにご協力いただいた診断と治療社の堀江様,土橋様,日野様に深謝致します.

平成24年12月吉日
岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学
近藤直実