国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 副センター長
成瀬 光栄 (なるせ みつひで) 編集
先端医療振興財団・先端医療センター 病院長
平田 結喜緒 (ひらた ゆきお) 編集
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター センター長
島津 章 (しまづ あきら) 編集
国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科 医長
田辺 晶代 (たなべ あきよ) 編集協力
横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学 教授
寺内 康夫 (てらうち やすお) 編集協力
神戸大学大学院医学研究科糖尿病内分泌内科学 准教授
髙橋 裕 (たかはし ゆたか) 編集協力
虎の門病院内分泌センター 部長
竹内 靖博 (たけうち やすひろ) 編集協力
国立病院機構京都医療センター 診療部長
田上 哲也(たがみ てつや) 編集協力
改訂第4版 B5判 並製 506頁 2016年04月30日発行
ISBN9784787821577
定価:本体6,900円+税
内分泌代謝疾患の病態,主要症候,検査,診断,治療等のエッセンスをわかりやすくまとめたガイドブックの改訂第4版.前版刊行後に更新されたガイドライン等の情報のアップデートのほか,遺伝学的検査の章,ホルモンと受容体の基礎知識の項などが追加され,さらに充実した内容となった.本分野の診療に携わる医師必携の一冊!
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目次
口 絵
改訂第4版序文 成瀬光栄
執筆者一覧 略語一覧(頻出するホルモン名を中心に)
試験名の表記について
機能検査での使用薬剤一覧
第1章 内分泌代謝疾患総論
1 内分泌代謝疾患の診療 平田結喜緒
2 ホルモンと受容体の基礎知識 平田結喜緒
第2章 主要症候からの鑑別診断
1 高血圧 成瀬光栄他
2 低ナトリウム血症 土井 賢他
3 低カリウム血症 土井 賢他
4 高カルシウム血症 髙野順子他
5 低カルシウム血症 鈴木尚宜他
6 低リン血症 鈴木尚宜他
7 浮 腫 佐藤文俊他
8 多 尿 髙橋 裕
9 低身長 長谷川奉延
10 肥 満 髙橋 裕
11 食欲不振 今城俊浩
12 体重減少 今城俊浩
13 低血糖 荒井宏司
14 脱 毛 荒井宏司
15 多 毛 今城俊浩
16 皮膚病変 川村光信
17 動 悸 今城俊浩
18 無月経 篠﨑博光他
第3章 機能診断
1 機能検査総論 岩﨑泰正
2 視床下部・下垂体 蔭山和則
3 甲状腺 磯崎 収
4 副甲状腺 井口元三
5 副 腎 田辺晶代
6 性 腺 宇治原 誠
7 膵・消化管 泉山 肇他
第4章 画像診断
1 視床下部-下垂体系 藤澤一朗
2 甲状腺・副甲状腺 小野田教高
3 副 腎 河野 敦
第5章 遺伝学的検査
1 家族性内分泌腫瘍 伊澤正一郎
2 ホルモン受容体異常症 伊澤正一郎
3 下垂体関連疾患 伊澤正一郎
4 副腎関連疾患 伊澤正一郎
第6章 視床下部・下垂体疾患
1 視床下部・下垂体ホルモンの基礎知識 髙橋 裕
2 先端巨大症 島津 章
3 高プロラクチン血症/プロラクチノーマ 福岡秀規
4 Cushing病(異所性ACTH症候群を含む) 平田結喜緒
5 subclinical Cushing病 二川原 健他
6 GH分泌不全性低身長症 髙橋 裕
7 成人GH分泌不全症 福田いずみ他
8 ACTH単独欠損症 西山 充
9 下垂体前葉機能低下症 沖 隆
10 リンパ球性下垂体炎 片上秀喜
11 中枢性尿崩症 萩原大輔他
12 SIADH(ADH不適切分泌症候群) 石川三衛
13 下垂体卒中 大塚文男他
14 視床下部・下垂体腫瘍 山田正三
15 中枢性摂食異常症 鈴木(堀田)眞理
第7章 甲状腺疾患
1 甲状腺ホルモンの基礎知識 田上哲也
2 甲状腺中毒症 吉村 弘
3 甲状腺機能低下症 西川光重
4 Basedow病 田上哲也
5 甲状腺眼症 谷 淳一
6 慢性甲状腺炎(橋本病) 田上哲也
7 粘液水腫性昏睡 田上哲也
8 無痛性甲状腺炎 宮川めぐみ
9 亜急性甲状腺炎 木村博典
10 甲状腺クリーゼ 赤水尚史
11 潜在性甲状腺機能異常 吉原 愛
12 SITSH(不適切TSH分泌症候群) 石井角保他
13 中毒性結節性甲状腺腫 西川 徹他
14 薬剤誘発性甲状腺機能異常 田上哲也
15 甲状腺腫瘍 宮川めぐみ
第8章 副甲状腺および関連疾患
1 副甲状腺ホルモンと副甲状腺ホルモン関連蛋白の基礎知識 竹内靖博
2 原発性副甲状腺機能亢進症 杉本利嗣
3 その他の副甲状腺機能亢進症(家族性副甲状腺機能亢進症) 山内美香他
4 高カルシウム血症性クリーゼ 山口 徹
5 副甲状腺機能低下症 井上大輔
6 悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症 岡崎 亮
7 二次性副甲状腺機能亢進症 杉本利嗣
8 骨粗鬆症 竹内靖博
9 骨軟化症 竹内靖博
第9章 副腎および関連疾患
1 副腎ホルモンの基礎知識 田辺晶代
2 原発性アルドステロン症 田辺晶代
3 Cushing症候群 柴田洋孝
4 両側副腎皮質過形成(AIMAHまたはBMAH,PPNAD) 方波見卓行他
5 subclinical Cushing症候群 立木美香他
6 褐色細胞腫/パラガングリオーマ 立木美香他
7 Addison病 柳瀬敏彦他
8 副腎クリーゼ 柳瀬敏彦他
9 先天性副腎皮質過形成 臼井 健
10 副腎偶発腫瘍 方波見卓行他
11 副腎皮質癌 神山隆治他
12 腎血管性高血圧 吉本貴宣他
13 Liddle症候群 北村健一郎
14 Bartter症候群 井上紘輔他
15 Gitelman症候群 菅原 明他
16 AME症候群 宗 友厚
第10章 性腺疾患
1 性腺ホルモンの基礎知識 長島 隆他
2 多囊胞性卵巣症候群 髙木耕一郎
3 性腺機能低下症総論 小島元子
4 性腺機能低下症(女性) 岩下光利
5 性腺機能低下症(男性) 石坂和博他
6 思春期早発症 堀川玲子
7 Klinefelter症候群 小島元子
8 Turner症候群 福田いずみ他
9 精巣女性化症候群 北原聡史
第11章 多腺性内分泌疾患
1 多発性内分泌腫瘍症 櫻井晃洋
2 自己免疫性多内分泌腺症候群 伊藤光泰
3 神経内分泌腫瘍総論 髙野幸路
4 インスリノーマ 辻野元祥
5 ガストリノーマ 五十嵐久人他
6 その他の消化管ホルモン産生腫瘍 泉山 肇他
7 カルチノイド症候群 平田結喜緒
8 ホルモン受容体異常症 菅原 明他
第12章 代謝疾患
1 糖代謝総論 綿田裕孝
2 1型糖尿病 川畑由美子他
3 2型糖尿病 中村昭伸他
4 遺伝子異常による糖尿病と二次性糖尿病 山内俊一
5 インスリン自己免疫症候群(IAS) 内潟安子
6 インスリン療法 安藤恭代他
7 GLP-1受容体作動薬 山田祐一郎
8 経口血糖降下薬 青木一孝他
9 食事療法・運動療法 西田 進他
10 糖尿病における急性代謝失調 吉岡成人
11 糖尿病大血管障害 島野 仁
12 糖尿病腎症 北田宗弘他
13 糖尿病網膜症 向後二郎他
14 糖尿病神経障害 金森 晃
15 その他の糖尿病合併症 河野茂夫
16 小児・思春期の糖尿病管理 内潟安子
17 妊娠・産後の糖尿病管理 柳沢慶香
18 高齢者の糖尿病管理 荒木 厚
19 肥満症 南 勲他
20 脂質異常症 大須賀淳一他
21 脂肪萎縮症 海老原 健
22 高尿酸血症 正木嗣人他
23 メタボリックシンドローム 浅原(佐藤)哲子
第13章 その他の内分泌機能異常
1 内分泌代謝疾患のトランジション医療 横谷 進
2 妊娠と内分泌疾患 永井まり子他
3 薬剤による内分泌異常 永井まり子他
付 録
1 内分泌機能検査の判定基準一覧 立木美香
2 内分泌緊急症対応一覧 立木美香
3 人名,略語の疾患,症候群 橋本真紀子他
索 引
Column
・Making of 「内分泌代謝専門医ガイドブック」 成瀬光栄
・BMIの話―ウルトラマンの場合― 田上哲也
・アミオダロン誘発性甲状腺機能異常症 田上哲也
・原因不明の中枢性甲状腺機能低下症をみたら「抗PIT−1抗体症候群」の鑑別を 髙橋 裕
・患者を指導する前に,まずは自分から 寺内康夫
Information
・内分泌シリーズ書籍の紹介①:難治性内分泌代謝疾患Update 成瀬光栄
・内分泌シリーズ書籍の紹介②:内分泌代謝疾患クリニカルクエスチョン 成瀬光栄
・内分泌シリーズ書籍の紹介③:内分泌クリニカルパール 成瀬光栄
・内分泌シリーズ書籍の紹介④:内分泌代謝専門医のセルフスタディ 成瀬光栄
・内分泌シリーズ書籍の紹介⑤:患者さんのための 原発性アルドステロン症Q&A 成瀬光栄
・内分泌シリーズ書籍の紹介⑥:内分泌代謝臨床研究マニュアル 成瀬光栄
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序文
改訂第4版序文
内分泌代謝学は内分泌代謝疾患に関する包括的な学問であるが,時代とともに内分泌疾患を主とする内分泌学,糖尿病を主とする糖尿病学に分かれ,その流れがますます加速しているのが現状である.しかしながら,実際の診療現場では内分泌疾患と代謝・糖尿病疾患の診療が明確に区別されているわけではなく,両者を並行して診療する機会が圧倒的に多いことから,バランスのとれた専門知識の習得が不可欠である.
2007年4月に,内分泌代謝疾患の診療水準向上を目的として『内分泌代謝専門医ガイドブック』を企画,初版を刊行した.本書は,内分泌代謝疾患の診療に一定期間従事してきた内科系医師が,今後さらに指導的立場となり内分泌代謝疾患の診療と教育に従事する場合に知っておくべき内容に重点をおいた書籍として企画した.初版の発刊後,多くの読者の先生方から評価のお言葉とともに,不十分な点についても改善の要望が寄せられたことから,2009年3月に改訂第2版,2012年11月に改訂第3版を刊行した.しかし,内分泌代謝学の進歩は早く,常にアップデートしておくことが診療水準の維持向上には必須である.そのため,本書の内容をさらに充実させるために改訂第4版を刊行することとした.
今回の主要な改訂点は以下のとおりである.
①ホルモンと受容体に関する基本的知識の追加
②遺伝学的検査の章の新設
③複数の項目を新設,記述を充実化(例:甲状腺眼症,潜在性甲状腺機能異常,AIMAH,PPNAD,副腎クリーゼ,脂肪萎縮症,妊娠と内分泌疾患,薬剤による内分泌異常,高齢者の糖尿病管理など)
執筆は内分泌代謝学の分野でわが国を代表する諸先生方にお願いしたが,お蔭様でアップデートかつ極めて充実した内容の書籍とすることができた.ここに誌面を借りて改めて各先生のご協力に心より感謝申し上げる次第である.本書が内分泌代謝疾患領域における専門医の方々の日常診療に貢献できれば幸いである.
2016年3月
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター
副センター長
内分泌代謝高血圧研究部 部長
成瀬光栄