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新規抗てんかん薬マスターブック 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:新規抗てんかん薬マスターブック 改訂第2版

静岡てんかん・神経医療センター 副院長

高橋 幸利(たかはし ゆきとし) 編集

改訂第2版 B5判 並製 144頁 2017年11月09日発行

ISBN9784787823182

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定価:3,850円(本体価格3,500円+税)
  

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エビデンスに基づいた新規抗てんかん薬の選びかた・使いかたを平明に解説した,好評書籍の改訂第2版.最新情報へのアップデートとともに,新しく4つの薬剤(ビガバトリン,エベロリムス・シロリムス,ブリバラセタム,ミダゾラム頬粘膜投与製剤)を取り上げた.新規抗てんかん薬は,薬物相互作用の注意点,有効性のエビデンス等を整理し,治療効果は治験で用いる客観的指標の表にまとめて併載,抑えておきたい要点を簡潔に示した.

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目次

小児の抗てんかん薬開始量,血中濃度,有効性/高橋幸利

執筆者一覧
発刊にあたって/高橋幸利
略号一覧

第1章 てんかん診療の基礎知識
 1 てんかんの診断から治療のアウトライン/今井克美
 2 てんかん発作分類・てんかん分類/重松秀夫
 3 抗てんかん薬を開始すべきか待つべきか/池田浩子

第2章 抗てんかん薬の選択
 1 新規発病症例の抗てんかん薬選択:小児/最上友紀子・高橋幸利
 2 新規発病症例の抗てんかん薬選択:成人/西田拓司
 3 難治てんかん症例の抗てんかん薬付加選択:小児/高橋幸利
 4 難治てんかん症例の抗てんかん薬付加選択:成人/池田 仁
 5 高齢者の抗てんかん薬選択と管理/臼井桂子
 6 妊娠可能年齢症例の抗てんかん薬選択と妊娠中の管理/松平敬史
 7 精神症状のある症例の抗てんかん薬と向精神薬の選択/中村文裕
 8 アレルギー疾患合併例の抗てんかん薬選択と管理/吉冨晋作・高橋幸利
 9 発達障害のある症例の抗てんかん薬選択/美根 潤・高橋幸利
 Column 抗てんかん薬治療中に注意して用いる他の薬剤,食材/近藤聡彦

第3章 新しい抗てんかん薬の使い方
 1 トピラマートの使い方:小児/重松秀夫
 2 トピラマートの使い方:成人/小出泰道
 3 ラモトリギンの使い方:小児/久保田裕子
 4 ラモトリギンの使い方:成人/山崎悦子・高橋幸利
 5 レベチラセタムの使い方:小児/大谷英之・高橋幸利
 6 レベチラセタムの使い方:成人/寺田清人
 7 ガバペンチンの使い方/芳村勝城
 8 スチリペントールの使い方/高橋幸利
 9 ルフィナミドの使い方/髙山留美子
 10 オクスカルバゼピンの使い方/今井克美
 11 ラコサミドの使い方/井上有史
 12 ペランパネルの使い方/松田一己
 13 ビガバトリンの使い方/山口解冬・高橋幸利
 14 エベロリムス・シロリムスの使い方/白石秀明
 15 ブリバラセタムの使い方/臼井直敬
 16 ミダゾラム頬粘膜投与製剤の使い方/福山哲広

付録
 1 新規抗てんかん薬の作用機序/山本吉章
 2 新規抗てんかん薬の血中濃度モニタリング/山本吉章

索引

成人の抗てんかん薬開始量,血中濃度,有効性/高橋幸利

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序文

発刊にあたって

 てんかん治療の基本は抗てんかん薬ですが,従来のバルプロ酸やカルバマゼピンといった抗てんかん薬では35%くらいの症例が発作未抑制という現状があり,より有効で安全な抗てんかん薬の登場を,多くの患者さんが期待しています.
 2012年に初版を出版させていただいたのち,国内では2013年にルフィナミド,2016年にペランパネル,オクスカルバゼピン(発売未定),ビガバトリン,ラコサミドが承認され,レベチラセタムやトピラマートの小児適応も承認されました.欧州では,従来の抗てんかん薬とは異なる機序のエベロリムスが結節性硬化症のてんかんに承認されました.これらの新しい抗てんかん薬について有効性のエビデンスなどの知識を整理し,より有効に,より安全に使用していただけるように,改訂第2版を出版させていただくこととなりました.
 本書では,新規抗てんかん薬(今後発売が予想されるものを含む)の使い方をわかりやすく解説するために,①発病直後の新規治療開始例と②難治てんかん症例の追加処方に区分して解説しました.③各薬剤の特徴は第3章にコンパクトにまとめ,治療効果は治験で用いる客観的指標の表にまとめ,わかりやすくエビデンスを比較できるようにしました.

 [用いた有効性の指標]
 SFR(%)(seizure free rate):発作が完全に抑制された症例の頻度
 RR(%)(responder rate):発作頻度が50%以下に減少した症例の頻度
 MSR(%)(median seizure reduction rate):発作頻度減少率の中央値
 MR Ratio(mean response ratio):対称化変化率の平均値

 抗てんかん薬の選択は極めて重要です.いったん選んだ抗てんかん薬の有効性評価には,発作頻度にもよりますが,数か月を要することもあります.是非,エビデンスに基づく抗てんかん薬選択を実践いただき,患者さんの1日でも早い発作抑制を実現していただければ幸いです.なお,抗てんかん薬選択のために必須となる発作型診断は,書籍『小児てんかん診療マニュアル(改訂第2版 増補版)』(診断と治療社)をご参照ください.

2017年9月 法師蟬の声聞く漆山にて

静岡てんかん・神経医療センター副院長・小児科
高橋幸利