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書籍詳細

カラーアトラス 臨床解剖学に基づいた
新版産婦人科手術シリーズⅠ診断と治療社 | 書籍詳細:新版産婦人科手術シリーズⅠ DVD

田附興風会医学研究所北野病院病院長

藤井 信吾(ふじい しんご) 総監修/責任著者

東京慈恵会医科大学産婦人科

落合 和徳(おちあい かずのり) 共著者

京都医療センター婦人科

関山 健太郎(せきやま けんたろう) 共著者

初版 B5判 並製 144頁 2012年03月31日発行

ISBN9784787819185

定価:本体14,000円+税
  

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好評を得た前シリーズより,若干の項目を加え,全3巻として発売が決定.本書はその第一弾である,シリーズ第1巻である.産婦人科のさまざまな手術において,正確な解剖学的知識に裏打ちされた確実な手術操作をイラストでわかりやすく解説.これにより,患者の手術侵襲を極力おさえることができる.今回のシリーズでは,「単純子宮全摘」の手術動画(約40分)が付録のDVDにおさめられている.

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目次

目 次
著者略歴
序文
産婦人科手術で心がけていること
付録DVDについて

産婦人科医のための 腹壁の解剖学
1 腹壁の層構造
2 腹壁の血管 
3 腹壁のリンパ管
4 腹壁の神経
5 臍部における局所解剖

開腹および閉腹の基本術式
1 開腹法(celiotomy, laparotomy)
2 下部正中切開
3 既往手術の開腹 
4 開腹法(closing of the abdomen)
5 Pfannenstiel横切開(Pfannenstiel incision)

単純子宮全摘術 基本原理と局所解剖
1 単純子宮全摘術の原理
2 単純子宮全摘術に必要な局所解剖 

単純子宮全摘術 腹式
1 手術操作手順 
2 開腹の方法
3 子宮の牽引
4 子宮円索の結紮・切断 
5 卵巣提索(卵巣動静脈)あるいは卵管・固有卵巣索の結紮・切断


6 広間膜後葉および仙骨子宮靱帯の切開
7 広間膜前葉の切開
8 膀胱の子宮頸部からの剥離 
9 広間膜腔結合組織の剥離・切断
10 子宮動静脈の結紮・切断
11 子宮頸部支持組織の切断・結紮 
12 腟管の切開と離断
13 腟管の縫合
14 腹膜縫合と閉腹

子宮頸部支持組織の処理法
1 子宮頸部支持組織の処理方法① 
2 子宮頸部支持組織の処理方法② 

腹式帝王切開術
1 開腹
2 膀胱子宮窩腹膜の切開・膀胱の剥離 
3 子宮壁の切開
4 胎児の娩出
5 胎盤娩出 
6 子宮切開創の縫合 
7 帝王切開時のアクシデント

頸管縫縮術
1 Shirodkar法
2 McDonald法 

索引

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序文

序文
 診断と治療社から出版されたカラーアトラス産婦人科手術シリーズ─臨床解剖学と基本手技─1~5巻の第1巻の発刊は1996年のことで,それから現在に至るまで多くの先生方にこのシリーズをご愛顧いただいた.この手術シリーズは故・桑原慶紀順天堂大学教授,落合和徳慈恵医科大学教授と私とが,解剖に沿った解りやすい手術書をと思って書いたものである.発刊から16年たった今,編集をし直し新たな3巻のシリーズとして,それぞれにDVDを付けて新版を発刊することになった.
 産婦人科という診療科は,骨盤臓器である子宮とその付属器にかかわる疾患あるいは病態に対して外科的介入を行う.この外科的介入には,分娩にかかわる帝王切開や分娩前あるいは分娩後にかかわるさまざまな出血への対応・止血から各種婦人科疾患での子宮や付属器の摘出,あるいは機能温存手術など多彩な手術手技がある.それも開腹手術から,内視鏡手術,腹腔鏡手術あるいはロボット手術まで,さまざまなアプローチの仕方がある.しかし,どのような手術であれ,どのような手術アプローチであれ,その原理原則は同じである.それは疾患や病態によって混沌とした解剖を,もとの解剖に戻して必要な止血操作をし,摘出あるいは機能を温存する手術を行うのである.基本はやはり正確な解剖学的知識に裏打ちされた確実な手術操作の繰り返しである.このことによって手術侵襲の際に抱いている患者の不安を確実に取り除き,患者に安心を与えることができる手術を行うことが最も大切である.
 骨盤臓器の手術といっても,そこにはさまざまな問題点あるいは難関がある.病変の存在場所によってその手術が急に難しいものになることがあるし,場合によっては発想の転換をする必要が生じてくる.しかし,いずれの場合においても,手術をする前に得られた,診察所見,画像所見等を総合して,手術のシミュレーションを行うことが大切である.手術の手順が頭の中に描き切れた時は問題なく手術ができる.シミュレーションが出来ない場合は問題である.術前から発想の転換も加えてシミュレーションを繰り返し,手術手順が全てにおいて描き切れたときに手術日を迎えるとよい.
 手術をするにあたっては臆病さも大切であるが,臆病すぎてはならない.臆病さの中で確信をえて,決断して動作をすすめるのが手術であろうと考えている.多分これでよいだろうとか,自分は良いと思ったからという言い訳は禁物である.確信を持ってことを進めることが大切である.過信ではなく確信を持って手術操作をすすめること,これを心がけるとよい.いつでも,初心にかえって手術を行い,手術中は自己に対する厳しい問いかけを行う.その中で,確信できることを感じそれを喜びとして手術を進める.手術者のそうした心がけは,患者の予後にかかわるはずだと思っている.術者は,いかなる手術でも手術のたびに持てるエネルギーを全て注いで,完全燃焼すべきである.
 こうした手術に対する心がけのために必要な解剖学を出来るだけ詳細に解説したつもりである.本書では全ての術式を網羅することは出来ないが,さまざまな手術に対応できる解剖学が含まれていると考えていただきたい.本書のシリーズが,多くの産婦人科学を学ぶ医師の方々に何らかの形でお役に立てれば幸いである.


平成24年 3月吉日
藤井信吾

本書には,藤井信吾が行った単純子宮全摘術のDVDが付録として付いている.DVDの中身と本書の中身と少し異なった点が子宮動静脈上行枝のところでみられると思う.最近は,この方法の方が若い人たちにとってやりやすいのではないかと思っているので,このDVDを付録として付けた.参考にしていただければ幸いである.