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書籍詳細

小児脳波診断と治療社 | 書籍詳細:小児脳波
―判読のためのアプローチ

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科発達神経病態学分野(小児神経科)

大塚 頌子(おおつか ようこ) 監修

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科発達神経病態学分野(岡山大学病院・小児神経科)

小林 勝弘(こばやし かつひろ) 著

初版 A4判 並製 304頁 2008年11月20日発行

ISBN9784787816771

定価:7,150円(本体価格6,500円+税)
  

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脳波は身近な脳機能検査であり,複雑な脳機能の情報の集大成がリアルタイムに表現される検査である.本書は脳波を系統的に習得していくために,自分で脳波を一から勉強したいと思う医師や,自分流で脳波を判読しているが,ちょっと自信がないのでもう一度基礎から復習してみたいという医師を対象に,新生児から年長児にいたる多数例の脳波の基礎波と正常亜型を「覚醒時脳波」「賦活脳波」「睡眠脳波」「特殊波形」「各種アーチファクト」に分けて200以上呈示し,また同じ脳波が記録後に条件を変更することにより,どのように変わるかも見開きで呈示した.

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目次

小児脳波
―判読のためのアプローチ

序文
本書の図一覧
脳波に関する基礎用語

第1章 脳波とその判読
 1.1 脳波とその記録法
 1.2 脳波判読の実際

第2章 覚醒時脳波
 2.1 正常および境界域
 2.2 異常覚醒時脳波

第3章 賦活脳波
 3.1 過呼吸賦活
 3.2 光刺激賦活

第4章 睡眠脳波
 4.1 睡眠段階による正常脳波の変化
 4.2 瘤波と睡眠紡錘波の年齢的変化
 4.3 各種睡眠脳波

第5章 特殊波形
 5.1 覚醒時 
 5.2 睡眠時
 5.3 意識障害・脳症

第6章 各種アーチファクト

文献
索引
おわりに

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序文

序 文
 脳波は脳機能を評価するための強力な手段として,長い間,おもに神経疾患の診療,研究に活用されてきました.その応用範囲は広く,てんかんなどの発作性疾患をはじめとし,急性,慢性の脳機能障害をきたすすべての疾患・状態において,脳機能の判定の手段として重視されています.また,ポータブル脳波計の進歩により,いつでもどこでも繰り返し気軽に検査できる利点も発揮されています.このように脳波は身近な脳機能検査であり,かつその情報はくみ取ればくみ取るほど深いものがあります.
 一方,最近はさまざまな神経画像検査や脳磁図が台頭し,若い世代の医療関係者や研究者において,脳波の価値がともすると忘れられがちなことは残念でなりません.新しい検査法はそれぞれの利点がありますが,相互に補完し合いながら脳機能を包括的に調べることが重要であります.その中で,脳波はまさに複雑な脳機能の情報の集大成がリアルタイムに表現される検査であり,今後その活用をさらに推進する必要が痛感されます.
 脳波が敬遠されがちな理由の一つに,脳波に慣れていない場合には脳波の判読が難しそうに感じられる点があります.確かに脳波の判読にはある程度の修練を要しますので,特別の速習術というのはないかもしれません.しかし,系統的にじっくり勉強していくことにより,概要がある程度わかり始めると,急に脳波の判読が身近になり,面白くなってきます.ところが,臨床の現場では,一人でそこまで辛抱強く経験を重ねることが難しい現状もあります.
 そこで,本書はそのような人々,すなわち,自分で脳波を一から勉強したいと思う方,また,自分流で脳波を判読しているが,ちょっと自信がないのでもう一度基礎から復習してみたいという方を対象に,できるだけ実物を見ていただくことを心がけて執筆しました.今回取りあげたのは,おもに脳波の基礎波と正常亜型です.てんかん発射のほうは見た目にわかりやすく比較的習得しやすいのですが,それ以外の部分にも読み取るべきさまざまな情報があります.また,脳波の基礎波は脳の発達現象を直接反映しますので,小児期にはめざましい変化を示すことが興味深い点です.
岡山大学小児神経科は大田原名誉教授の時代から,小児脳波の発達研究を教室の重要な研究テーマとしてきました.本書は私たちのそのような歴史の積み重ねがあったからこそ実現できた力作であると自負しております.実際の執筆はもっぱら小林勝弘講師が担当しました.脳波の進歩として最近のデジタル脳波計の普及がありますが,実際にはデジタル脳波計はまだ十分に活用されているとは言えないと思います.本書では同じ脳波が記録後に条件を変更することにより,どのように変るかも具体例を見ていただけます.さらにモンタージュに関しても,なるべく一般的で,かつ判読しやすいことを重視して選びました.

 本書を皆様の身近においていただき,日常診療・研究の場でいつも参考にしていただけることを祈念しております.


平成20年 11月吉日
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科発達神経病態学分野(小児神経科)大塚頌子