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小児神経学の進歩第39集診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経学の進歩第39集

日本小児神経学会教育委員会(にほんしょうにしんけいがっかいきょういくいいんかい) 編集

東京大学大学院医学系研究科発達医科学

水口 雅・他(みずぐち まさし) 著

初版 B5判 並製 152頁 2010年05月25日発行

ISBN9784787817563

定価:本体6,200円+税
  

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今回は「小児神経疾患の新しい予防・治療」をテーマに取り上げ,脳性麻痺,筋疾患,発作性疾患など多くの神経疾患について,日々の診療に役立つ情報,また将来を見据えた治療法などを解説している.

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目次

小児神経疾患の新しい予防・治療
・脳性麻痺………根津敦夫   
Ⅰ ボツリヌス毒素療法
Ⅱ 機能神経外科治療
Ⅲ 小児CPにおける痙縮やdystoniaの長期的マネージメント

・筋疾患の進歩 ―ケアや治療の可能性を求めて―………大澤真木子  
Ⅰ 筋ジストロフィー
Ⅱ 先天性筋ジストロフィー(congenital muscular dystrophy;CMD)
Ⅲ Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)に対する治療
Ⅳ 糖原病Ⅱ型

・乳幼児の発作性疾患と治療………鈴木保宏  
Ⅰ てんかん
Ⅱ 機会発作(状況関連性発作)
Ⅲ Paroxysmal movement disorders(PMD)

・小児神経疾患と予防接種………永井利三郎  
Ⅰ 我が国の予防接種の歴史
Ⅱ 熱性けいれんと予防接種
Ⅲ てんかんと予防接種
Ⅳ 重症心身障害児と予防接種
Ⅴ その他の神経疾患における予防接種
Ⅵ その他の話題
Ⅶ 諸外国における神経疾患に対する予防接種の現状

・手術療法を主体とした脳神経外科疾患:動画を中心に………伊達 勲  
Ⅰ 水頭症に対するシャント術
Ⅱ 水頭症に対する第3脳室底開窓術
Ⅲ くも膜囊胞に対するナビゲーションを用いた内視鏡下開窓術
Ⅳ Spina bifida cysticaの修復術
Ⅴ Spinal lipomaに対する修復術
Ⅵ Chiari 1奇形に伴う脊髄空洞症に対するforamen magnum decompression(FMD,大孔部拡大術)
Ⅶ Craniosynostosisに対するdecompressive surgery
Ⅷ もやもや病に対する血行再建術
Ⅸ 脳腫瘍
・ライソゾーム病………難波栄二  
Ⅰ 臨床症状と一般検査
Ⅱ 酸素診断と遺伝子診断について
Ⅲ 遺伝学的検査の対応
Ⅳ 現在の主な治療法
Ⅴ 研究中の治療法
Ⅵ オートファジーとライソゾーム病
Ⅶ ライソゾーム病のホームページ上の情報に関して

・子どもの発達と睡眠障害………宮本晶恵 
Ⅰ 睡眠覚醒リズムの基礎知識
Ⅱ 睡眠関連病態
Ⅲ 障害児における睡眠障害

・AD/HDの診断と治療………宮島 祐  
Ⅰ 小児医療における「発達障害」とは?
Ⅱ 注意欠陥/多動性障害の概念に至る歴史的背景
Ⅲ AD/HDの診断と治療における問題点
―小児科医のためのAD/HD診断治療ガイドライン作成の経緯と
methylphenidate(MPH)の問題点
Ⅳ 病態理論(生物学的背景)
Ⅴ AD/HDの鑑別診断
Ⅵ AD/HD治療の基本

・低酸素虚血と脳エネルギー代謝………岩田欧介 
Ⅰ なぜ今脳代謝モニタリングが必要なのか?
Ⅱ MRSによる脳代謝モニタリング
Ⅲ 一過性低酸素虚血後の脳代謝
Ⅳ 潜伏期の科学
Ⅴ 臨床現場での脳代謝情報
Ⅵ 将来の展望


Clinical Conference (C.C.)
片麻痺で発症し意識障害を呈した10歳男児 
【司 会】 鈴木保宏  【症例担当】大村馨代

Clinical Pathological Conference(C.P.C.)
学業の遅れと歩行の異常で発症し,多彩な神経症状が進行した男子症例
【司 会】 林 雅晴  【症例担当】 小森 拓  【病理担当】島田厚良

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序文

第39回小児神経学セミナーは平成21年11月21日(土)~23日(月)に大阪市住之江区のホテルコスモスクエア国際交流センターで開催され,受講者として,初参加から参加10回以上まで120名が出席し,盛況でした.本セミナーは,卒後3~5年の小児神経学を志向する医師を主たる対象としています.今回は「小児神経疾患の新しい予防・治療」をメインテーマに取りあげました.
 第1日目は根津敦夫先生(横浜療育センター神経小児科・神経内科)に「脳性麻痺」を,大澤真木子先生(東京女子医科大学小児科)に「筋疾患の進歩―進行性筋ジストロフィーを中心に―」を講義していただきました.脳性麻痺の講義はボツリヌス療法の治療効果を示す動画が印象的,筋疾患の講義は臨床に重点がおかれ,わかりやすく魅力的でした.
 第2日目は,鈴木保宏先生(大阪府立母子保健総合医療センター小児神経科)に「乳幼児の発作性疾患と治療」を,永井利三郎先生(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻)に「小児神経疾患と予防接種」を,伊達勲先生(岡山大学脳神経外科)に「手術療法を主体とした脳神経外科疾患―動画を中心に」を,難波栄二先生(鳥取大学生命機能研究支援センター遺伝子探索分野)に「ライソゾーム病」を講義していただきました.発作性疾患の講義はてんかん性,非てんかん性のさまざまな発作が見事に整理され,予防接種の講義は熱性けいれん・てんかん患児や重症心身障害児への予防接種の考え方が具体的にわかり,脳外科の講義では内視鏡,ナビゲーションなど最新の手術を活き活きとした動画で実感することができ,ライソゾーム病の講義では遺伝病の基礎から最新の研究成果(ケミカルシャペロン療法)まで明快に解説され,それぞれ明日からの診療,また将来の診療に資する内容であったと思われます.
 第3日目も3つの講義がありました.宮本晶恵先生(北海道立旭川肢体不自由児総合療育センター小児科)に「子どもの発達と睡眠障害」を,宮島祐先生(東京医科大学小児科)に「AD/HDの診断と治療」を,岩田欧介先生(久留米大学小児科)に「低酸素虚血と脳エネルギー代謝」を講義していただきました.睡眠障害の講義では睡眠の生理学から睡眠障害の治療までバランス良く解説され,AD/HDの講義では豊富な内容が熱意をこめてわかりやすく提示されました.低酸素虚血の講義では,脳代謝やMRSなど多くの受講者にとって目新しい内容を印象的なスライドをふんだんに用いて解説し,強いインパクトを与えました.
 C.C.では発作性片麻痺,C.P.C.では精神運動退行の症例が提示され,活発な議論が交わされました.講師の先生方が綿密に用意・計画してプレゼンテーションされたので,非常に教育的な内容でした.
 本セミナーの講義,C.C.,C.P.C.はいずれも周到な企画と準備の下になされたものであり,受講者に裨益するところ大でした.本書はこれらの講演,C.C.,C.P.C.の内容を,担当の先生に執筆していただいたものです.それゆえ,日常の臨床に役立つ情報を多く含んでいるものと確信しています.
 なお昨年度まで本書の巻末にあった各分野の文献レビュー「小児神経学−最近の話題−」は,インターネット検索の発達・普及により歴史的役割を終えたと判断し,本年度から廃止いたしました.
 小児神経学セミナーの企画・運営および本書の編集は日本小児神経学会教育委員会の委員の先生方の力によるものです.また実務の面では学会事務局の内田久美さん達に多大のご尽力をいただきました.紙面を借りて御礼申し上げます.

平成22年4月

日本小児神経学会教育委員会
委員長 水口 雅