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イメージからせまる小児神経疾患50診断と治療社 | 書籍詳細:イメージからせまる小児神経疾患50
―症例から学ぶ 診断・治療プロセス―

一般社団法人 日本小児神経学会(いっぱんしゃだんほうじん にほんしょうにしんけいがっかい) 編集

初版 A4判 並製 132頁 2010年07月29日発行

ISBN9784787817884

定価:本体5,700円+税
  

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本書は,日本小児神経学会機関紙『脳と発達』にて連載30症例に,書き下ろし20症例を新たに追加した,写真で見る小児神経疾患50症例.臨床情報・身体所見に加え,クイズ形式で小児神経科医がどのように診断・治療プロセスを進めるか,2pでポイントを解説した.

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目次

Contentsイメージからせまる小児神経疾患50

口絵カラー  

case 01 幼児期より転びやすくなった6歳女児
case 02 小児期から統合失調症と診断されていた26歳女性
case 03 新生児期に敗血症の既往を有し,特異な顔貌を示した3カ月男児
case 04 入眠中のけいれん発作を繰り返した9歳女児
case 05 乳児期よりけいれん重積を反復し,インフルエンザ罹患後に脳萎縮を
示した3歳男児
case 06 左肩周囲に有痛性の筋腫脹をきたした8歳男児
case 07 喘息性気管支炎の経過中に連続して左右の片麻痺を呈した1歳男児
case 08 緩徐に意識レベルが低下し髄液に異常を認めた6カ月男児
case 09 熱性けいれん重積後に呼吸障害をきたした1歳女児
case 10 出生直後から難治けいれんを認めた1歳男児
case 11 乳児期より急激な発達退行を示した3歳女児
case 12 1歳以後発達遅滞を認め,4歳よりジストニアが進行した6歳男児
case 13 中心静脈栄養施行中に進行性の錐体外路症状を示した8歳男児
case 14 るいそう・低身長を伴う進行性の大脳白質異常症の1歳7カ月男児
case 15 けいれん,頭蓋内石灰化を呈した5カ月女児
case 16 乳児期早期より小頭症,発達遅滞,けいれん発作を示した2歳女児
case 17 CT上後頭蓋窩に異常を示した11歳女児
case 18 下肢の痛み,歩行障害を示した4歳女児
case 19 緩徐に進行する運動失調,構語障害を呈した7歳女児
case 20 行動異常をきたしたAddison病の10歳男児
case 21 11歳から急激に精神運動機能が退行し発症10年後に死亡した21歳女性
case 22 乳児早期より眼振と運動発達の遅れを示した24歳男性
case 23 周期性嘔吐症候群を疑われ,けいれん重積を繰り返した6歳女児
case 24 片麻痺性片頭痛を繰り返し,小脳失調を呈した16歳女子
case 25 けいれん重積を主訴とした1歳3カ月女児
case 26 2カ月から難治けいれんを示した4カ月男児
case 27 左顔面皮膚病変と右片麻痺を呈した2歳男児
case 28 上肢の挙上困難を示した8歳女児
case 29 筋緊張低下,痙性四肢麻痺および重度の知的障害を示した39歳女性
case 30 下腿筋優位の筋力低下と筋萎縮が進行した13歳男子
case 31 白内障,筋緊張低下を認めた4歳男児
case 32 口唇口蓋裂ならびに左小眼球症を呈した6カ月女児
case 33 複視をきたした11歳女児
case 34 皮膚の鱗屑と発達遅滞を認めた2歳女児
case 35 多発性黒色斑,てんかん発作を呈した4カ月女児
case 36 顔面に隆起性の母斑を有しけいれんと発達退行を呈した66歳女性
case 37 有熱時に急性弛緩性麻痺をきたした8カ月女児
case 38 6カ月頃より筋緊張低下・筋力低下に気づかれた1歳女児
case 39 歩行障害を発症した4歳男児
case 40 意識混濁の精査により頭部MRIで異常を指摘された13歳女子
case 41 出生直後より全身の筋緊張低下を示した3歳女児
case 42 カフェオレ斑,右視力低下,多動を認めた7歳男児
case 43 幼少期より軽度の下肢近位筋優位の筋力低下を認めた8歳女児
case 44 水平性眼振と視力低下を認めた2歳男児
case 45 8カ月より発達退行を示した2歳女児
case 46 筋緊張低下を示し腎不全で死亡した11歳女児
case 47 後頭部に部分多毛を認めた4カ月男児
case 48 日齢1にけいれん発作を認めた男児
case 49 特異顔貌と退行を示した1歳男児
case 50 学童期から視力低下,精神運動機能の退行を示した32歳女性


 1 脳波異常と判読される小児の生理的脳波
 2 脳形成異常の遺伝相談
 3 小児白質病変の鑑別
 4 小児頭部MRI・CT撮像上の留意点
 5 大脳形成異常の画像の見方


 memo
 1 BECTSに類似した発作症状と脳波所見を呈した脳腫瘍
 2 不対称な大脳病変
 3 病理標本での組織化学染色


疾患別索引  
索引

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序文

序文

 本書のルーツは,平成16年11月開催の日本小児神経学会「脳と発達」編集委員会で新機軸を検討し合ったことにさかのぼります.当時でも国内国外を問わず,アトラスとして特に稀少な症例の写真,神経画像,神経生理や病理所見など視覚化できる図を掲載した書籍は散見されました.あるいは,図をいくつか組み合わせてクイズとし,問題集的に掲載した書籍や連載した雑誌も見受けられました.ただし,実際に臨床で遭遇した症例の臨床症状や,身体所見に上記視覚情報を加えて,小児神経専門医がどのように診断・治療プロセスを進めるかなど,そのコツを解説した書籍が皆無に近いことが話題となりました.そこで発案されたのが,「脳と発達」巻頭に連載されている“Images in Child Neurology”です.幸い好評が得られたので,今回,連載を「イメージからせまる小児神経疾患50─症例から学ぶ 診断・治療プロセス─」として書籍にまとめることにしました.
 書籍化にあたっては,すでに掲載された30症例(37巻3号~42巻2号まで)に加え,新たに20症例とコラムを追加し,総計50症例を収録しました.本書は小児神経専門医を目指す医師だけではなく,一般の小児科医,神経内科医,小児脳神経外科医も“診断推論”能力が高まることを眼目にしました.“診断推論”は最近30年ほど欧米の心理学者を中心に盛んに研究されており,「臨床診断に不可欠な思考と決断過程」と定義されています.経験豊富な臨床医は,疾患に関する情報を体制化して貯蔵する心的構造を利用して,より正しい診断に至ると考えられています.Boshuizenらはこの現象を“知識の被包化”とよんでいます.症状,病態生理,疾患などいろいろなレベルで知識が脳内に“ファイル”されて活用されることが推測されます.
 その主旨に沿って,既掲載30症例も新たに訂正,加筆を行いました.日本小児神経学会では専門医が学ぶべき症例として,先天異常症候群,神経発生異常,先天代謝異常,神経変性疾患,神経皮膚症候群,周産期神経系疾患,神経系感染症,自己免疫性神経疾患,神経系の外傷,脳腫瘍,脳血管障害,てんかん,神経筋疾患,脊髄疾患などをあげています.書籍化にあたっては,掲載症例が上記分類すべてを網羅すべく,20症例を新たに選定し,本書限定で掲載しました.また,稀少な症例に限定することなく,一般総合診療で遭遇しうる症例も数多く収載しました.さらにコラムでは,神経放射線,神経病理,神経生理検査を解釈する上で有用な最新知見を諸所に掲載しました.本書を読み進めていく中で従来の知識が構造的に整理され,“診断推論”能力が飛躍的に向上することを期待します.多くの臨床医に読まれ,明日への診療に役立ってくれるならば,編者の望外の喜びです.
 最後に,本書の出版に際し力をつくされた執筆者の皆様,国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第二部 後藤雄一先生,同 疾病研究第一部 後藤加奈子先生,大阪府立急性期・総合医療センター 田口智己先生,大阪さやま病院 上間 武先生,高石クリニック高石 穣先生,神奈川県立こども医療センター神経内科 和田敬仁先生,東京都立神経病院放射線科 柳下 章先生,同 脳神経外科 谷口 真先生,同 検査科 水谷俊雄先生,順天堂大学医学部附属練馬病院脳神経外科 下地一彰先生,診断と治療社編集部 内田 文さん,柿澤美帆さんをはじめとして多くの関係者に厚く御礼申し上げます.

平成22年7月
監修 杉田克生
林 雅晴