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小児神経学の進歩第40集診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経学の進歩第40集

日本小児神経学会教育委員会(にほんしょうにしんけいがっかいきょういくいいんかい) 編集

初版 B5判 並製 150頁 2011年05月25日発行

ISBN9784787818485

定価:本体6,200円+税
  

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新生児をテーマに,「障害児の親・保護者の支援」,「脳波の読み方」,「ハイリスク児の発達」,「新生児画像診断」,「先天性水頭症と二分脊椎」,「低酸素性虚血性脳症の治療」,「NICUでの脳保護を目指した循環管理」,「先天性CMV感染症」を詳述,症例検討では,「慢性歩行障害」,「てんかんと精神運動退行」の2症例を呈示.いずれも日常診療に直結するプラクティカルかつ今日的視点からの有益情報を満載.

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目次

新生児神経学
・障害のある子どもを持つ親・保護者支援の実際/林  隆
 Ⅰ 発達外来の役割と親・保護者の支援
 Ⅱ 親・保護者支援の必要性
 Ⅲ 育児不安と障害のある子どもを持つ親・保護者
 Ⅳ 育児不安の起こるメカニズム
 Ⅴ 親・保護者支援の原則
 Ⅵ 親・保護者支援の具体的ヒント
・新生児脳波の読み方と考え方/早川文雄
 Ⅰ 総論(1 睡眠段階  2 脳波成熟  3 脳波異常)
 Ⅱ 各論(1 周生期脳障害  2 子宮内発育遅延  3 新生児発作)

Clinical Conference(C.C.)
歩行の異常で発症し,緩徐に進行した男児例
 【司 会】斎藤義朗  【症例担当】齋藤貴志

新生児神経学
・ハイリスク児の発達/小沢 浩 
 Ⅰ 運動の方向
 Ⅱ 筋緊張
 Ⅲ 脳室周囲白質軟化症児の発達と正常発達との比較
 Ⅳ 乳児における錐体路障害の特徴
 Ⅴ PVL における視覚的発達
 Ⅵ PVL における視覚障害の特徴
・新生児の画像診断―MRI を中心とした Review と Update―相田典子
 Ⅰ 新生児脳,脊髄の撮像法,撮像の工夫
 Ⅱ 新生児低酸素性虚血性脳症の MRI 診断
・先天性水頭症と二分脊椎/山崎麻美
 Ⅰ 先天性水頭症,胎児期水頭症
 Ⅱ 二分脊椎症
・低酸素性虚血性脳症の治療/清水正樹
 Ⅰ 低酸素性虚血性脳症とは
 Ⅱ HIE の病態生理
 Ⅲ HIE の症状
 Ⅳ HIE の基本的な管理
 Ⅴ 新生児脳低温療法
 Ⅵ 抗酸化療法

新生児神経学
10 歳時全身性けいれんで発症し,退行,ミオクローヌスてんかんがみられた女性症例
 【司 会】熊田聡子  【症例担当】神田祥子  【病理担当】林 雅晴

新生児神経学
・NICU における脳保護を目指した循環管理と予後不良児に対する治療差し控えの実際/豊島勝昭
 Ⅰ NICU における脳保護を目指した循環管理
 Ⅱ NICU における予後不良児に対する治療差し控えの実際
・先天性サイトメガロウイルス感染症の現状と臨床像/岡  明
 Ⅰ 今,なぜ先天性サイトメガロウイルス感染症か
 Ⅱ CCMV 感染症の病態
 Ⅲ CCMV 感染症と難聴
 Ⅳ CCMV 感染症の中枢神経系合併症
 Ⅴ CCMV 感染症の頭部画像所見と神経後遺症
 Ⅵ CCMV 感染症による神経後遺症への抗ウイルス治療の有効性

発達期における神経回路機能
・神経回路機能の発達と病態(GABA を中心に)/福田敦夫 
 Ⅰ 神経細胞内 Cl-ホメオスターシスの調節因子と Cl-ホメオダイナミクス仮説
 Ⅱ 発達期の GABAA受容体活性化による興奮性作用と神経回路
 Ⅲ マルチモーダルな GABA 作用の脳発達における役割
 Ⅳ GABA システム発達に対する母体ストレスの影響
 Ⅴ 皮質形成異常と Cl-ホメオダイナミクス
 Ⅵ GABAA受容体作動薬による発達期の脳への影響のエビデンス

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序文



 第 40 回小児神経学セミナーは,2010 年 9 月 18 日(土曜日)から 20 日(月曜日)の 3 日間,神奈川県三浦郡葉山町の湘南国際村センターにて開催されました.受講者数は 115 名で,そのうち初めて参加された方が 60 名と,過半数を占めました.その一方で,10 回以上参加された受講者も 6 名おられました.
 初日は,林 隆先生(山口県立大学看護栄養学部看護学科)に「障害のある子どもをもつ親・保護者の支援の実際」を,早川文雄先生(岡崎市民病院小児科)に「新生児脳波の読み方と考え方」を講義していただきました.いずれの講義も理論と実際が直結しており,わかりやすく,説得力が抜群でした.
 2 日目は,小沢 浩先生(島田療育センターはちおうじ神経小児科)に「ハイリスク児の発達」を,相田典子先生(神奈川県立こども医療センター放射線科)に「新生児の画像診断」を,山崎麻美先生(国立病院機構大阪医療センター脳神経外科)に「先天性水頭症と二分脊椎」を,清水正樹先生(埼玉県立小児医療センター未熟児新生児科)に「低酸素性虚血性脳症の治療」を講義していただきました.発達の講義は講師自らが撮りためたビデオが最大限に活用され印象的,画像診断の講義は MRI を中心に撮像から読影までの全過程が実際的,脳外科の講義では水頭症と二分脊椎の病因・病態から治療・管理にいたるまで包括的,低酸素性虚血性脳症の講義では脳低温療法や抗酸化療法の理論と実際が明快に解説され,それぞれ明日からの診療,また,将来の診療に資する内容であったと思われます.
 最終日も 3 講義がありました.豊島勝昭先生(神奈川県立こども医療センター新生児科)に「NICU における脳保護を目指した循環管理と予後不良児に対する治療差し控えの実際」を,岡 明先生(杏林大学医学部小児科)に「先天性サイトメガロウイルス感染症」を,福田敦夫先生(浜松医科大学医学部生理学第一講座)に「神経回路機能の発達と病態」を講義していただきました.循環管理と治療差し控えの講義では循環生理学から医療倫理まで,サイトメガロウイルスの講義では抗ウイルス治療の展望,神経回路機能の講義では GABA の多面的な機能といった奥深い内容が情熱をこめて話され,強いインパクトを与えました.
 CC では慢性の歩行障害,CPC ではてんかんと精神運動退行の症例が呈示され,参加者・講師の活発な討論がなされました.
 本セミナーの講義,CC,CPC は,いずれも周到な企画と準備に基づいており,受講者に裨益するところ大でした.本書はこれらの講義,CC,CPC それぞれの内容を,担当の先生に執筆していただいたものです.それゆえ,日常の臨床に役立つ情報を多く含んでいるものと確信しています.
 小児神経学セミナーの企画・運営および本書の編集は,日本小児神経学会教育委員会の委員の先生方の力によるものです.また実務面では,学会事務局の内田久美氏ほかの皆さんに多大のご尽力をいただきました.この場を借りて,改めて御礼申し上げます.

2011 年 4 月
日本小児神経学会教育委員会
委員長 水口 雅