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小児神経学の進歩第41集診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経学の進歩第41集

日本小児神経学会教育委員会(にほんしょうにしんけいがっかいきょういくいいんかい) 編集

初版 B5判 並製 144頁 2012年05月25日発行

ISBN9784787818850

定価:本体6,200円+税

症候・疾患と検査・診断をテーマに,「学習障害」,「けいれん・せん妄」,「電気生理学的検査」,「頭部MRI」,「てんかんの外科治療」,「神経筋疾患」,「脳性麻痺」,「脳波検査」,「歩行・姿勢の生理学」を詳述,症例検討では,「白質変性疾患」,「脳形成異常」の2症例を呈示.いずれも日常診療に直結するプラクティカルかつ今日的視点からの有益情報を満載.

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目次

症候・疾患と検査・診断
・学習障害 ― 発達性 dyslexia を中心に   /宇野 彰
 I 学習障害の定義と運用
 II 発達性 dyslexia の診断評価
 III 学習障害の実際例
 IV 発達性 dyslexia 研究の現状

・有熱時けいれん・熱せん妄の病態と診断   /松尾宗明
 I 有熱時けいれん
 II 熱せん妄

Clinical Conference(C. C.)
てんかんで発症し,頭部 MRI でびまん性対称性の白質病変を認めた男子
 【司 会】千代延友裕  【症例担当】諸戸雅治

症候・疾患と検査・診断
・電気生理学的検査   /熊田聡子
 I 末梢神経伝導検査
 II 誘発電位検査
 III 表面筋電図

・頭部 MRI   /森  墾
 I 「検査所見」の価値判断
 II 症候・疾患と頭部 MRI

・てんかんの治療 ― 特に外科的治療について   /川合謙介
 I 手術適応
 II 術前検査,術式の選択
 III 焦点切除術
 IV 大脳半球切除術(大脳半球離断術)
 V 脳梁離断術
 VI 迷走神経刺激療法

・神経筋疾患の診断   /小牧宏文
 I 診察のポイント
 II 臨床検査
 III 代表的症例の提示

Clinical Pathological Conference(C. P. C.)
動脈管開存の既往があり,難治性てんかんを示した女性例
 【司 会】森本昌史  【症例担当】遠山 潤  【病理担当】柿田明美

症候・疾患と検査・診断
・脳性麻痺   /萩野谷和裕
 I 運動ニューロンの下行路 ― 外側運動制御系と内側運動制御系
 II 痙直型脳性麻痺
 III 視床・被殻病変に伴った脳性麻痺
 IV 陽性徴候(spastic co-contraction,spastic dystonia,overflow)と筋緊張異常
 V 拘  縮

・脳波検査   /榎 日出夫
 I 脳波の鉄則 1 ― 耳朶も脳波を拾う
 II 脳波の鉄則 2 ― 街に出て光刺激を摘発せよ
 III 脳波の鉄則 3 ― もやもや病,脳波で診断する時代は終わっている
 IV 脳波の鉄則 4 ― ついでに心電図も読め
 V 脳波の鉄則 5 ― 前頭部優位 phantom,怪しいと疑え
 VI 脳波の鉄則 6 ― 自分で記録してみよ
 VII 脳波の鉄則 7 ― 大きな波形,周囲に広がる
 VIII 脳波の鉄則 8 ― 「物語を読む」ように見よ
 IX 脳波の鉄則 9 ― 「風景を眺める」ように見よ
 X 脳波の鉄則 10 ― 脳波はファジー
 XI 脳波の鉄則 11 ― 脳波を過信するな
 XII 脳波の鉄則 12 ― 発作性疾患,症候学で攻めよ

運動制御障害に関わる神経機構
・歩行・姿勢の制御とその障害   /高草木 
 I 運動制御に関与する神経機構の基本的枠組み
 II 運動プログラム ― 姿勢と運動の協調的制御
 III 脳幹と脊髄における歩行と姿勢の統合機構
 IV 基底核と小脳による歩行と筋緊張の調節

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序文




 第 41 回小児神経学セミナーは 2011 年 9 月 17 日(土曜日)~19 日(月曜日)に大阪市住之江区のホテルコスモスクエア国際交流センターで開催されました.受講者数は 139 名で,そのうち,はじめて参加された方が 79 名と,過半数を占めました.その一方で,10 回以上参加された受講者も 9 名おられました.
 初日は宇野 彰先生(筑波大学人間系障害科学域)に「学習障害」を,松尾宗明先生(佐賀大学小児科)に有熱時けいれん・熱せん妄の病態と診断」を講義していただきました.学習障害の講義は発達障害に関する曖昧さを払拭するものであり,けいれん・せん妄の講義はわかりやすく,実践に直結するものでした.
 2 日目は,熊田聡子先生(東京都立神経病院神経小児科)に「電気生理学的検査」を,森 墾先生(東京大学放射線科)に「頭部 MRI」を,川合謙介先生(東京大学脳神経外科)に「てんかんの治療」を,小牧宏文先生(国立精神・神経医療研究センター小児神経科)に「神経筋疾患の診断」を講義していただきました.電気生理の講義では,書物では難解な検査の実際がわかりやすく教えられました.MRI の講義では検査の適応や所見の解釈に関する基本的考え方,てんかん外科の講義では手術の適応や実際が明確に伝わり,とても有益でした.神経筋疾患の講義では運動症状の診かたが丁寧に解説されました.いずれの講義も,ビデオなど視覚教材が素晴らしく強い印象を残し,明日からの診療に直結する内容であったと思われます.
 最終日の講義は三つで,萩野谷和裕先生(宮城県拓桃医療療育センター小児科)に「脳性麻痺」を,榎 日出夫先生(聖隷浜松病院小児神経科)に「脳波検査」を,高草木 薫先生(旭川医科大学脳機能医工学研究センター)に「歩行・姿勢の制御とその障害」を講義していただきました.脳性麻痺の講義では運動障害の解剖・生理学的背景がみごとに整理され,脳波の講義ではユーモアあふれる解説で判読法が説かれました.歩行・姿勢の生理学の講義では研究の最前線の情報がわかりやすく伝えられ,強いインパクトを与えました.
 CC では白質変性疾患,CPC では脳形成異常の症例が提示され,参加者と講師の間で活発な討論がなされました.
 本セミナーにおける講義,それに CC,CPC は,いずれも周到な企画と準備に基づいており,受講者に裨益するところ大でした.本書は,これらの九つの講義と,CC および CPC の,それぞれの内容を,担当の先生に執筆していただいたものです.それゆえ,日常の臨床に役立つ情報を多く含んでいるものと確信しています.
 小児神経学セミナーの企画・運営および本書の編集は,日本小児神経学会教育委員会の委員の先生方の力によるものです.また実務面では,学会事務局の内田久美氏ほかの皆さんに多大のご尽力をいただきました.紙面を借りて御礼申し上げる次第です.


2012 年 4 月
日本小児神経学会教育委員会
委員長 水口 雅