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小児神経学の進歩 第43集診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経学の進歩 第43集

日本小児神経学会教育委員会(にほんしょうにしんけいがっかいきょういくいいんかい) 編集

初版 B5正寸 アジロ 並製 1色刷り 一部カラー印刷 160頁 2014年05月26日発行

ISBN9784787820761

定価:本体6,200円+税
  

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「発達と小児神経疾患」をテーマに,「発達の見方」「知能検査・心理検査」「脳波と神経生理検査の読み方」「頭部画像検査」「水頭症と二分脊椎」「乳幼児期の反射・反応」「児童虐待の脳科学」「てんかん」「自閉症の脳科学」を,図表や写真とともにわかりやすく解説.症例検討では「右不全麻痺とチック症状」と「進行性ジストニアと知的障害」の2症例を提示し,活発な討論も掲載.最新情報が満載で,日常臨床にも役立つ一冊.

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目次

発達と小児神経疾患―原点に立ち返って
発達の見方   荒井 洋 
I なぜ発達を評価するのか
II 発達概論
III 発達各論
IV 発達評価の視点
V 実 例

知能検査・心理検査   郷間英世 
I 知能検査・発達検査
II 心理(性格)検査,行動の検査
III 心理士等へ検査を依頼する場合

Clinical Conference(C. C.)
右不全麻痺,多動衝動性,チック症状を呈し,
 多発性大脳病変を認めた 1 男児例 
 【司 会】松尾宗明  【症例担当】鳥巣浩幸

発達と小児神経疾患―原点に立ち返って
臨床診断に役立つ脳波と神経生理検査の読み方   前垣義弘 
I 脳 波
II 神経生理検査

頭部画像検査(MRI を中心に)   早川克己 
I 正期産児の低酸素虚血性脳症の MRI 画像診断
II 早期産児における低酸素虚血性脳症(hypoxic ischemic encephalopathy:HIE)
III white matter injury in very preterm infants
IV MRI scoring system at term equivalent age
V advanced MRI technique

小児脳神経外科の総論 水頭症と二分脊椎   伊藤千秋 
I 水頭症
II 二分脊椎症

乳幼児期にみられる反射・反応の捉え方   北原 佶 
I 乳児期初期にみられるが消褪し,再び出現するとされる反射・反応
II 非対称性緊張性頚反射(asymmetric tonic neck reflex:ATNR)
III Moro 反射
IV パラシュート反応(parachute reaction)

Clinical Pathological Conference(C. P. C.)
幼児期発症の進行性ジストニアと知的障害を認めた 14 歳男児 
【司 会・病理担当】林 雅晴  【症例担当】熊田聡子

発達と小児神経疾患―原点に立ち返って
児童虐待の脳科学   友田明美 
I 性的虐待による脳への影響
II 暴言虐待による脳への影響
III 厳格体罰による脳への影響
IV 両親間の DV 曝露による脳への影響
V 被虐待と脳発達の感受性期との関係
VI 被虐待児のこころのケアの重要性
VII「生態的表現型」という疾患概念

てんかんと年齢依存性   秋山倫之 
I 年齢依存性の機序
II 従来の特発性てんかん
III てんかん性脳症

自閉症の脳科学―理解と治療に向けて―   北澤 茂,中野珠実 
I 非侵襲脳計測の知見
II 自閉症の遺伝子
III 自閉症は「離断」症候群か
IV 応用行動分析による治療とその神経基盤
V 自閉症治療の展望

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序文

 第 43 回小児神経学セミナーは 2013 年 11 月 2 日(土)~4 日(月)に大阪市のホテルコスモスクエア国際交流センターで開催されました.今回は「発達と小児神経疾患―原点に立ち返って」をメインテーマに取り上げました.
 本セミナーは,若手を小児神経に誘い,地方で一人で孤軍奮闘している医師に小児神経を学ぶ機会を提供して応援し,またベテランの先生方にも最近の進歩をブラッシュアップできるように,すぐに臨床に役立ち,一方では脳科学の先端を知るべく,周到に企画,準備しており,受講者からは高い評価を受けております.本書は,そのすばらしい内容をセミナーの参加者以外や小児神経学会員以外にもお伝えし,お役に立てるために,担当の先生方に執筆していただき,発刊いたしました.
 受講者数は 127 名(男性 51 名,女性 76 名),初めて参加された方は 68 名と,過半数を占めました.一方で,10 回以上参加された受講者も 6 名おられ,いちばん多い先生は 36 回目でした.
 第 1 日目は,荒井 洋先生(森之宮病院小児神経科)が「発達の見方」を,郷間英世先生(京都教育大学教育学部発達障害学科)が「知能検査・心理検査」を話されました.CC は鳥巣浩幸先生(九州大学小児科,福岡歯科大学小児科)が担当され,活発な討論と投票の後,基底核原発の germinoma と明かされましたが,むずかしかったようです.CC の後,本セミナーのもう一つの目的である人の繋がりを図って懇親会を開き,講師の先生方,教育委員を囲み,参加者が親しく懇談しました.
 2 日目は,教育委員長の私が「目でみるモーニングセミナー:神経学的診察の実習」を行い,前垣義弘先生(鳥取大学医学部脳神経小児科)が「臨床診断に役立つ脳波と神経生理検査の読み方」を,早川克己先生(京都市立病院放射線診断科)が「頭部画像検査(MRI を中心に)」を,伊藤千秋先生(千葉県こども病院脳神経外科)が「水頭症・二分脊椎」を,北原 佶先生(鳥取県立総合療育センター)が「反射・反応・運動発達の捉え方―小児神経疾患と関連して―」を講義されました.
 午後には教育委員が担当し,(1)奇跡がくれた宝物―「いのちの授業」―(小沢 浩委員),(2)乳幼児の「育てにくさ」への支援(宮本晶恵委員),(3)画像からみた小児神経疾患(森本昌史委員),(4)歩容の異常(萩野谷和裕委員)に関する少人数でのグループ・ディスカッションを行いました.
 夜には CPC を行い,熊田聡子委員が臨床を,林 雅晴先生(東京都医学総合研究所脳発達・医学再生分野)が病理と解説を担当され,活発な討論と投票の後,pantothenate kinase-associated neurogeneration と明かされましたが,約半数が正解でした.
 3 日目は,熊田聡子委員が「目でみるモーニングセミナー:不随意運動のビデオと解説」を行い,友田明美先生(福井大学子どものこころの発達研究センター)が「児童虐待の脳科学」を,秋山倫之先生(岡山大学医学部小児神経科)が「てんかんと年齢依存性」を,北澤 茂先生(大阪大学大学院生命機能研究科)が「自閉症の脳科学」を講義されました.
 小児神経学セミナーの企画・運営および本書の編集は日本小児神経学会教育委員会の先生方,実務面は小児神経学会事務局,本書の発刊は診断と治療社の多大なご尽力の賜物であり,この場を借りて御礼申し上げます.

2014 年 4 月
日本小児神経学会教育委員会
委員長 須貝研司