HOME > 書籍詳細

書籍詳細

あいち小児保健医療総合センター編 ~行動観察と小さな目標からはじめる~
気になる子どもの保育の基本あい・あい保育向上プログラム診断と治療社 | 書籍詳細:気になる子どもの保育の基本あい・あい保育向上プログラム

あいち小児保健医療総合センター保健センター

山崎 嘉久 (やまざき よしひさ) 監修

あいち小児保健医療総合センター診療支援部

今本 利一 (いまもと としかず) 編著

大阪府立母子保健総合医療センター遺伝診療科

植田 紀美子(うえだ きみこ) 編著

初版 B5判  144頁 2015年03月31日発行

ISBN9784787821201

定価:本体2,000円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


「あい・あい保育向上プログラム」は,あいち小児保健医療総合センター診療支援部の保育リーダー研修から始まり,10年あまりの実践と実績を通してまとめられたもので,障がい児や気になる子どもを含めたすべての子ども達を対象とした,日常生活の身の回りのこと通して子ども達の持っている力を引き出す保育実践プログラム.本書は,本プログラムの理念・効果・方法・事例から保育日誌への応用などをまとめたガイドとなる1冊.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

あい・あい保育向上プログラムの生い立ち

執筆者

第1章 あい・あい保育向上プログラムとは
A 保育の理念とあい・あい保育向上プログラム
B あい・あい保育向上プログラムの効果とエビデンス
Column ウェブサイト「あい・あい すてっぷ プロジェクト」

第2章 あい・あい保育向上プログラムの基本知識
A あい・あい保育向上プログラムの3つのステップ
B 個別の対応
C 集団での応用と効果

第3章 実際にやってみよう
A 手 順
B 年少事例
・3歳・男児 りくちゃん─身の回りのことを楽しみながら身につけた例
・3歳・男児 こう君─子どもの興味を生かしてゆっくり変化していった例
C 年中事例
・4歳・女児 のんちゃん─シンプルな目標に取り組んで表情が豊かになった例
・4歳・男児 こうちゃん─困った行動を大目に見て行動が改善した例
・4歳・男児 のり君─ほめてほしくて気持ちの切り替えが早くなった例
D 年長事例
・5歳・女児 あきちゃん―いろいろな視覚的手がかりを与えて行動できるよう
になった例
・5歳・男児 とし君―事実を伝えて理解を促し困った行動がなくなった例
・5歳・男児 とも君―手洗いを通して友達に認められるようになった例

第4章 記録を活用して話し合ってみよう
A 保育日誌の様式
B 所内での話し合い

第5章 あい・あい保育向上プログラムQ&A

索 引

ページの先頭へ戻る

序文

あい・あい保育向上プログラムの生い立ち


 あいち小児保健医療総合センターは,21世紀の最初の年(2001年)にオープンした比較的新しい小児保健医療施設です。児童精神科医や臨床心理士に人材を得ていたことから,発達障がいの診断と対応を求めて,「心療科」の受診予約はあっというまに「3年待ち」となりました。また,地域と病院とをつなぐ部門(保健センター)が設置されていたこともあって,私たちは,「気になる子どもたち」への対応に苦慮してされていた近隣の保育園からの事例相談に数多く出合うこととなりました。
 たくさんの園長先生,主任先生や担任の保育士さんたちが,子どもたちへの対処法を求めて当センターに来所されました。まだ特別支援教育という名称すらなかった中で,保育士さんたちのニーズは,薬物や心理療法などの医療的な対処でもなければ,名前の通ったプログラムでもありませんでした。日常の保育園生活の中で繰り返される,子どもたちの行動や態度,気持ちにどのように向き合うのかなど,きわめて現実的なものでした。
 相談を繰り返すうちに,子どもや保育園の状況が違っても,一定の共通した課題や解決法のあることに気づきました。その方法は,特別な道具やテクニックを使うのではなく,ふだんの保育活動の中での関わり方を,タイミングや順序を変えて行うことです。そこで当時,心理指導科長であった大河内修先生(現,中部大学幼児教育学科教授)を中心に「あいち小児センター方式」として保育士さん向けの研修を開始しました。
 2006年から心理指導科長となった今本利一先生は,グループワークのファシリテーターを担った総合診療部(現,診療支援部)や保健センターのスタッフとともに研修に数々の工夫を加えました。そして研修に参加いただいた保育士さんたちとともに,現場の経験の積み重ねで作り上げてきたのが,あい・あい保育向上プログラムです。
 私たちはあくまで現場のニーズに対応しながら歩んできましたが,2013年に植田紀美子先生が,その効果について客観的な評価をされるとともに,園長先生や主任先生などが,それぞれの園の担任保育士さんを指導する新しい形の研修スタイルの開発にご協力をいただきました。
 この間に,センターでの研修に直接ご参加いただいた保育士さんだけでもゆうに400名を超え,愛知県内には,このプログラムを応用した独自の保育計画や研修を展開している自治体もあります。また現在,福島でも実践が試みられているところです。今回の発刊を機に,さらに多くの保育士さんと子どもたちにこのプログラムが広まることを望んでやみません。
 終わりにあたり,プログラムの開発と実践にご協力をいただいた愛知県内外の保育関係者の皆様,大河内先生をはじめとした診療支援部のスタッフ(臨床心理士,作業療法士,チャイルドライフ担当の保育士)・保健センターの保健師,ならびに植田先生の研究班員の皆様に謝意を申し上げます。

 平成27年3月 山崎 嘉久
あいち小児保健医療総合センター保健センター長