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書籍詳細

多発性筋炎・皮膚筋炎治療ガイドライン診断と治療社 | 書籍詳細:多発性筋炎・皮膚筋炎治療ガイドライン

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業

難治性疾患政策研究事業自己免疫疾患に関する調査研究班多発性筋炎皮膚筋炎分科会 編集

初版 B5判 並製 68頁 2015年12月14日発行

ISBN9784787822260

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定価:2,750円(本体価格2,500円+税)
  

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厚労省自己免疫疾患に関する調査研究班における本疾患分科会に膠原病内科,皮膚科,神経内科の専門家が集い作成された.関連学会公認の臨床家のための実践的なガイドライン.自己抗体やステロイドの有用性,再燃時に備えた治療の見通しまで幅広くカバーできる.

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目次

執筆・協力一覧
発刊にあたって 住田孝之
序文─本ガイドラインについて─ 上阪 等
CQ・推奨一覧
多発性筋炎・皮膚筋炎の疾患概要 上阪 等

CQ 1 機能予後や治療反応性を予測できる臨床症状や検査は何か
CQ 2 自己抗体は有用な指標となるか
CQ 3 血清CK 値と筋力のどちらが筋炎の病勢を反映するか
CQ 4 PM/DM 治療の第一選択薬は何か
CQ 5 妥当な副腎皮質ステロイドの初期投与量はいくらか
CQ 6 副腎皮質ステロイドによる治療によって,治療前に比べて,いったん萎縮した筋が回復することはあるか
CQ 7 寛解後に副腎皮質ステロイドを中止することが可能か
CQ 8 PM/DMによる筋力低下とステロイド筋症による筋力低下はどのように鑑別するか
CQ 9 免疫抑制薬の併用は,どのような症例で検討すべきか
CQ10 免疫抑制薬の併用は,副腎皮質ステロイドの早期減量を可能にするか
CQ11 副腎皮質ステロイド以外に用いる免疫抑制薬は何か
CQ12 副腎皮質ステロイド抵抗例では大量免疫グロブリン静注療法(IVIg)による治療を考慮すべきか
CQ13 治療強化の検討を要する筋炎再燃の指標は何か
CQ14 筋炎再燃の場合に選択される治療法は何か
CQ15 間質性肺炎に副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬で治療する場合に日和見感染症対策は必要か
CQ16 治療早期からのリハビリテーションは有効か
CQ17 慢性期の筋炎患者の筋力低下はリハビリテーションで回復するか
CQ18 嚥下障害を伴う場合の治療法は何か
CQ19 間質性肺炎が合併する場合の治療法は何か
CQ20 心筋障害が合併する場合の治療法は何か
CQ21 皮膚症状のみのDM 患者や皮膚症状のみが遷延したDM 患者の治療法は何か
CQ22 DM 患者の石灰沈着に対する治療法は何か
CQ23 悪性腫瘍合併筋炎では,悪性腫瘍の治療とともに筋炎に対する治療を行うべきか

索引

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序文

発刊にあたって

 難治性免疫疾患は,発症機序の解明および特異的治療の開発が求められている.国が難病対策をとるための「難病対策要綱」が以前より存在していたが,その進化形と,平成27年1月1日より「難病の患者に対する医療等に関する法律」が,施行されたのである.これにより,難病に対する診療体制が整い,難病指定医が指定され,効果的な原因解明とそれに対する治療方法の開発促進が図られることになった.研究費が助成されること,患者の長期にわたる医療をサポートするために医療費補助制度が確立されることになった.指定難病は,2015年7月1日から,従来の56疾患から306疾患にまで大幅に拡大され,同時に,診断基準による認定と重症度分類による重症度が医療費補助に必須条件となった.多発性筋炎および皮膚筋炎(PM/DM)は,すでに特定疾患に認定されていたが,この改正で,重症度分類として,筋力低下,筋由来酵素の上昇,活動性の皮疹,活動性の間質性肺炎の項目が含まれ,治療前の症状,所見のみでなく,治療後の重症度も加味された.現在まで,PM/DMに対する治療薬はステロイド,免疫抑制薬,免疫グロブリンなどに限られているが,その使い方は,専門医であっても個人差があり標準化されていなかった.現実問題として,患者の生命予後を改善するために,スタンダード治療の制定が必要であった.そこで厚生労働省の本班PM/DM分科会の上阪 等分科会長および委員により「治療のガイドライン」が作成されるに至った.
 Minds 2007年に準じて,23個のクリニカルクエスチョン(CQ)を選定し,キーワードを基に世界中の論文を検索し,エビデンスレベルの分類,推奨グレードを決定するという作業が粛々と進められた.作成されたガイドライン案は,HP上でパブリックコメントを求め,最終版は,日本リウマチ学会,日本皮膚科学会,日本神経学会の承認を得た.極めて公共性の高いメッセージとなった.
 本ガイドラインは,上阪分科会長による強力なリーダーシップのもと,3年間におよぶ委員の研究成果の結集であり,今後,世界のPM/DM治療を標準化するためにも,必携の治療指針となろう.

2015年11月吉日

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)
自己免疫疾患に関する調査研究班
研究代表者 住田孝之