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小児慢性特定疾病 ―診断の手引き―診断と治療社 | 書籍詳細:小児慢性特定疾病 ―診断の手引き―

日本小児科学会  監修

国立成育医療研究センター小児慢性特定疾病情報室 編集

初版 B5判 並製 1003頁 2016年01月30日発行

ISBN9784787822307

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定価:本体18,000円+税
  

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2015(平成27)年1月の「児童福祉法の一部を改正する法律」の施行にともない,小児慢性特定疾患治療研究事業の小児慢性特定疾病として認定される対象疾病が,14疾患群704疾病(+56包括病名)に拡大.本書は,対象疾病を診断する際に参照すべき「小児慢性特定疾病情報センターウェブサイト」の「診断の手引き」を書籍化.診断・診療を行う医師のみならず,助成の申請を取り扱う行政の方々にも,活用して頂きたい.

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目次

発行にあたって/五十嵐 隆
序文/横谷 進
執筆者一覧
本書の使い方

総論
新しい小児慢性特定疾病対策について

各論
①悪性新生物
②慢性腎疾患
③慢性呼吸器疾患
④慢性心疾患
⑤内分泌疾患
⑥膠原病
⑦糖尿病
⑧先天性代謝異常
⑨血液疾患
⑩免疫疾患
⑪神経・筋疾患
⑫慢性消化器疾患
⑬染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
⑭皮膚疾患
成長ホルモン治療

付録・告示疾病一覧
索引(和文)
索引(欧文)

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序文

発行にあたって

 医学・医療の進歩は慢性疾病患児の生命予後を著しく改善しています。同時に、年長児、青年、そして成人になってからも治療や経過観察の必要な患者が増加しています。その結果、これまであまり知られていなかった様々な疾患固有の合併症や新たな病態が生じることが明らかになってきています。

 小児慢性特定疾患治療研究事業は慢性疾病をもつ子どもの健全育成の手助けになることをおもな目的としており、患者と家族の様々な支援だけでなく、疾病の原因究明や治療法の解明の点においても大きな役割を果たしてきました。その結果、対象疾病の1 ~ 19 歳死亡率(人口10 万人あたり)は1974 年に10.46 だったものが現在では3.44 となり、わが国の小児慢性特定疾病の生命予後は劇的に改善しています。2015(平成27)年1 月の「児童福祉法の一部を改正する法律」の施行にともない、同事業はいわゆる義務的経費による運用となり運営基盤がしっかりとしたものになっただけでなく、小児慢性特定疾病として認定される対象疾病が14 疾患群704 疾病に増やされました。今回の改定では、より公平で安定的な助成のための仕組みを目指すこと、疾病研究を推進すること、そして、支援の充実を図ることを目的としています。これらの改革は慢性疾病をもつ患者と家族にとって大変に有意義なものになっています。

 同事業をできるだけ公平かつ公正に運営するためには、対象疾病の診断が全国同一の基準に基づいて行われることがまず必要です。対象疾病のなかには稀少疾病も含まれており、世界的にも診断基準が確立していなかった疾病も少なくありませんでした。そこで、日本小児科学会を中心とする小児疾病にかかわる関連学会と厚生労働科学研究班とが全面的に協力し、関係する専門家の意見を集約し、本書に掲載されている「診断の手引き」を作成いたしました。

 診療現場では、小児医療を専門とする診療科ではない医師も、対象疾病の患者の診療に日々従事されています。対象疾病の患者の診療を担うすべての医師だけでなく、小児慢性特定疾病としての認定を求める申請を審査する担当者にも現場で役に立つ診断の手引きが不可欠です。そこで、対象疾病に関する概説、診断基準、そして当該事業の対象基準をわかりやすくかつ丁寧に掲載することを心がけて作られたのが本書『小児慢性特定疾病─診断の手引き─』です。

 小児医療に関係するすべての方が、診療や行政の場で慢性疾病をもつ子どもや青年と家族を支援するために、本書を大いに活用して戴ければ幸いに存じます。

日本小児科学会 会長
国立成育医療研究センター 理事長
五十嵐 隆


序 文

 小児慢性特定疾病対策は、1974(昭和49)年より9 疾患からなる小児慢性特定疾患治療研究事業として開始され、2005(平成17)年には児童福祉法に基づく法的根拠をもつ11疾患群514 疾患を対象とする事業に拡大されました。

 そして、2014(平成26)年5 月の児童福祉法一部改正により、2015(平成27)年1 月1日より小児慢性特定疾病対策は新たな段階を迎えることになりました。特に、今回の新制度では事業が義務的経費化され、対象疾病が拡大される点を踏まえ、より公平・公正な制度の運用が求められました。そのためすべての対象疾病について客観的な診断基準があること等が条件とされました。そこで、厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)「今後の小児慢性特定疾患治療研究事業のあり方に関する研究」班( 1年目 研究代表者 松井 陽 国立成育医療研究センター院長(当時)、2, 3 年目 研究代表者 横谷 進 国立成育医療研究センター副院長)では、小児慢性特定疾患治療研究事業のあり方の再検討を踏まえ、日本小児科学会小児慢性疾病委員会、ならびに日本小児科学会分科会、その他の関連学会、関連研究会等と連携し、慢性の経過を辿る小児疾病の診断ならびに治療に携わる多くの専門家の協力を得て、種々の検討を重ねてきました。すなわち、対象疾病の再検討、追加候補疾病の検討、各対象疾病の対象基準の見直し、各対象疾病の疾患概要及び診断ガイドライン(診断の手引き)の作成、登録申請に用いる医療意見書の再検討、申請システムおよび登録システムの検討等の当該事業にかかる様々な課題に関する検討でした。特に、診断ガイドラインの作成については、対象疾病となりました14 疾患群704疾病すべてに対して、日本小児科学会小児慢性特定疾病委員会委員を中心とした多くの方々のご尽力ならびにご協力を得て、Minds の手法を用いる等により、可能な限り客観的手法を採用して、公正に作成して参りました。

 本書は、この診断基準(診断の手引き)を取りまとめたものです。まさに当該事業を公平・公正に運用して頂くために、診断を行う医師、医療費助成の申請を取り扱う行政の方々、対象審査を行う審査委員会の医師らに、手元に置いて活用して頂くことを目的として作成いたしました。是非とも、ご活用頂ければと考えております。

 なお最後になりましたが、本書において対象疾病の概要、診断の手引き等を執筆、取りまとめしてくださいましたすべての先生方に、心から感謝申し上げます。

日本小児科学会 小児慢性疾病委員会 委員長
厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)
「今後の小児慢性特定疾患治療研究事業のあり方に関する研究」研究代表者
横谷 進