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産婦人科研修ノート 改訂第3版診断と治療社 | 書籍詳細:産婦人科研修ノート 改訂第3版

自治医科大学学長

永井 良三(ながい りょうぞう) 総監修

帝京大学教授

綾部 琢哉(あやべ たくや) 編集

東京大学教授

大須賀 穣(おおすが ゆたか) 編集

改訂第3版 A5判 並製 634頁 2019年04月25日発行

ISBN9784787823601

定価:本体7,000円+税
  

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マスターすべき産婦人科の知識はもちろん,医師としての心構えや技術,各種書類の書き方,臨床で役立つコツなど,知っておきたいエッセンスを余すところなく網羅.5年ぶりの全面改訂で,前版より30ページ増量した充実の一冊.貴重な経験談やアドバイスを含んだコラムも多数収載.

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目次

第1章 臨床医がマスターすべきこと
A 産婦人科医としてはたらくために
 1. 医師としての構え   藤井信吾
 2. 若い医師へのメッセージ   武谷雄二
 3. これからの社会と産婦人科医   吉村泰典
 4. 産婦人科専攻(研修)医と指導医   峯岸 敬
 5. 産婦人科におけるインフォームド・コンセント   海野信也
 6. 胎児・新生児異常の告知   馬場一憲
 7. 母体保護法   前田津紀夫
 8. 社会制度と産婦人科   星合 明
B 問診・所見
 1. 産婦人科での問診の仕方   沖 利通
 2. 産婦人科での一般全身所見のとり方   山下隆博
 3. 婦人科患者の内診所見のとり方とその記載   池田仁恵,三上幹男
 4. 産科患者の内診所見のとり方とその記載   杉本充弘
 5. 若年患者の診察   齊藤和毅
 6. 高齢者の診察   宮﨑亮一郎
 7. 新生児の診察法と注意すべき異常所見   國方徹也,田村正徳
C 検査
 1. 子宮頸部細胞診―採取法と読み方―   山下 博,青木大輔
 2. コルポスコピー(腟拡大鏡診)   長谷川壽彦
 3. 子宮内膜細胞診・組織診   山澤功二
 4. 腫瘍マーカー   髙松 潔,杉山重里
 5. 卵巣腫瘍の超音波検査   市原三義
 6. 婦人科疾患のCT診断   市川新太郎
 7. 婦人科疾患のMRI診断   木戸 晶,富樫かおり
 8. 月経異常の内分泌検査   生水真紀夫
 9. 不妊症の検査と治療   桑原慶充
 10. 排卵時期の推定   髙倉賢二
 11. 基礎体温   横田英巳
 12. 子宮通水検査,子宮卵管造影検査   長田尚夫
 13. 精液検査   吉田 淳
 14. フーナー検査   佐藤 卓,吉村泰典
 15. 抗精子抗体   柴原浩章
 16. 妊娠初期の超音波診断   吉田幸洋
 17. 妊娠中・後期の超音波診断   池ノ上 学,宮越 敬,田中 守
 18. 胎児発育・児体重の推定   伊藤 茂
 19. 胎児の機能評価   古川誠志
 20. 胎児・臍帯の血流測定   江口勝人,三枝資枝,大倉磯治
 21. 出生前診断   鈴森伸宏
D 処置および手術
 1. ショックの対応   堤 晴彦,山口 充
 2. DICの処置   重光貞彦
 3. 子宮内容除去術   味村和哉,木村 正
 4. ヒステロスコピー(子宮鏡)   奥田喜代司,大道正英
 5. ラパロスコピー(腹腔鏡)   岩田壮吉
 6. 単純子宮全摘術   三橋直樹
 7. 骨盤臓器脱の手術   永田一郎
 8. 悪性腫瘍の手術   平松祐司
 9. 骨盤位牽出術   亀井良政
 10. 吸引分娩   長阪恒樹
 11. 鉗子分娩(鉗子遂娩術)   亀井良政
 12. 帝王切開術Ⅰ 基本術式―そのコツと勘所   松原茂樹
 13. 帝王切開術Ⅱ difficult caseでの工夫   松原茂樹
 14. 新生児仮死蘇生術   志賀清悟
 15. 光線療法・交換輸血   垣内五月
 16. 避妊法,薬物による月経の移動   土谷 聡,荻野雅弘
E 薬剤
 1. 子宮収縮薬   木下二宣,竹田 省
 2. 子宮収縮抑制薬   三橋直樹
 3. 排卵誘発薬   辻 勲,松村謙臣
 4. 性ステロイドホルモン   藤本次良
 5. GnRHアナログ   大石 元
 6. ホルモン補充療法   水沼英樹
 7. 抗菌薬・抗真菌薬   三鴨廣繁
 8. 悪性腫瘍の化学療法   中井英勝
 9. 抗癌剤の副作用対策   木村英三
 10. がんの症状対策   有賀悦子
F 産婦人科で必要な麻酔
 1. 局所浸潤麻酔   今宿康彦
 2. 静脈麻酔   髙田真二
 3. 無痛分娩時の麻酔   照井克生
 4. 帝王切開時の麻酔   照井克生

第2章 症候からみる疾患
 1. 下腹部痛   五十嵐敏雄
 2. 不正性器出血   杉野法広
 3. 帯下   甲斐健太郎,楢原久司
 4. 無月経,希発月経,頻発月経   岡田英孝
 5. 過多月経,過少月経   折坂俊介,小野政徳,藤原 浩
 6. 月経困難症   泉谷知明,深谷孝夫
 7. 外陰部腫瘍・外陰部痛   梁 善光
 8. 腟・外陰部掻痒感   梁 善光
 9. 下部尿路症状・下部尿路機能障害   中田真木

第3章 産科
A 妊娠中・分娩時・産褥期に必要な指導,管理
 1. 妊娠中の管理,健診時のポイント   増﨑英明
 2. 妊婦と予防接種   横尾郁子
 3. 妊娠と薬物   三橋直樹
 4. 分娩時の管理   田中宏和
 5. 産褥期の管理   竹田善治,中林正雄
B 産科疾患の診断・治療・管理
 1. 流産,習慣流産   牧野恒久
 2. 異所性妊娠   藤下 晃
 3. 妊娠悪阻   中井章人
 4. 頸管無力症   杉村 基
 5. 妊娠中問題となる感染症   中川潤子,西 洋孝
 6. 心疾患合併妊娠   西島浩二
 7. 糖尿病合併妊娠,妊娠糖尿病   杉山 隆
 8. 腎疾患合併妊娠   吉松 淳,江口勝人,宮川勇生
 9. 甲状腺疾患合併妊娠   百渓尚子,岩間カールソン彩香
 10. 膠原病合併妊娠   吉田幸洋
 11. 血液型不適合妊娠   川上剛史
 12. 切迫早産   金山尚裕
 13. 妊娠中期の破水   安田 俊,福田冬馬,経塚 標,藤森敬也
 14. 妊娠高血圧症候群   山崎峰夫
 15. 多胎妊娠   中井祐一郎
 16. 常位胎盤早期剥離   竹田善治,中林正雄
 17. 子癇   佐川典正
 18. 前置胎盤   竹内紗織,池田智明
 19. 陣痛誘発   木下二宣,竹田 省
 20. 胎児機能不全   菅原準一
 21. 弛緩出血   水内将人
 22. 頸管裂傷   増山 寿
 23. 子宮破裂   関 博之
 24. 会陰裂傷   鈴木俊治
 25. 子宮復古不全   相良祐輔
 26. 乳腺炎   三鴨廣繁
 27. 産後うつ病   岡野禎治
 28. 静脈血栓塞栓症   牧野真太郎,竹田 省
 29. 血液疾患合併妊娠   小林隆夫

第4章 婦人科
A 婦人科疾患の診断・治療
 1. 骨盤内感染症,内性器感染症   藤原道久
 2. 腟炎   坂元秀樹
 3. クラミジア感染症   野口靖之
 4. 尖圭コンジローマ   川名 敬
 5. 性器ヘルペス   川名 尚
 6. 機能性出血   寺内公一
 7. 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)    森下美幸,遠藤俊明
 8. ターナー症候群   多賀理吉
 9. アンドロゲン不応症候群(AIS)   岡垣竜吾,石原 理
 10. 体外受精胚移植の実際   齊藤英和
 11. 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)   本田律生,片渕秀隆
 12. 高プロラクチン血症,プロラクチノーマ   五十嵐秀樹
 13. 多毛   山本 宝,山本 輝
 14. 性器の先天性形態異常   岡垣竜吾,永田一郎
 15. 子宮筋腫   稲葉不知之,深澤一雄,稲葉憲之
 16. 子宮内膜症   谷口文紀,原田 省
 17. 良性卵巣腫瘍の分類と取り扱い   落合和徳,山内茂人
 18. 悪性卵巣腫瘍の組織分類および期別分類
        あるいはpathognomonic features(病理推定所見)   西田 敬
 19. 悪性卵巣腫瘍の治療方針   長谷川清志,宇田川康博
 20. 子宮頸癌の組織分類および期別分類  山田秀和,海法道子,工藤 敬
 21. 子宮頸癌の治療方針   宮本 強,塩沢丹里
 22. 子宮体癌の組織分類,期別分類および再発リスク分類   藏本博行
 23. 子宮体癌の治療方針   渡利英道
 24. 子宮肉腫   角田 肇
 25. 外陰癌   荷見勝彦
 26. 絨毛性疾患   半藤 保

第5章 書類の作成
 1. 産婦人科カルテの書き方   米山剛一,竹下俊行
 2. 死産証書(死胎検案書)および出生証明書の書き方   久保武士
 3. 診断書の書き方   峯岸 敬,村田知美
 4. 死亡診断書(死体検案書)の書き方   峯岸 敬,村田知美
 5. 手術記録の書き方   村上幸祐
 6. 分娩記録の書き方   酒井啓治,岩下光利
 7. 麻薬の処方と扱い方   佐野元彦

◆Column

人生100年時代   吉村泰典
Fetus as a Patient   馬場一憲
内診の方法   山下隆博
内診所見の活用で診断能力向上   杉本充弘
医療の個別化   齊藤和毅
形態学の奥行き   長谷川壽彦
常識の壁:腟鏡操作   長谷川壽彦
婦人科医病理の重要性   山澤功二
多時相撮影(ダイナミックCT)が診断に有用な症例   市川新太郎
画像診断医からのお願い   市川新太郎
大きさの表現:教科書に載っていない必須知識   髙倉賢二
子宮筋腫手術と医療のエンドポイント   髙倉賢二
ICSIの適応   柴原浩章
胎児超音波スクリーニングで診断が困難な意外な疾患:鎖肛   池ノ上 学
Wertheimの論文   三橋直樹
腹腔鏡をはじめる専攻医の皆さんへ   岩田壮吉
手術と芸術   平松祐司
吸引分娩は安易に行うべきでない   長阪恒樹
骨盤位牽出術は冷静に  亀井良政
絶対に核黄疸をきたしてはならない   垣内五月
プロ   木下勝之
塩酸リトドリン   三橋直樹
多毛を訴える患者の診療手順   山本 宝,山本 輝
GnRHアゴニスト使用のコツ   大石 元
HRTとHT   水沼英樹
医学の進歩と忘れられない患者   宮川勇生
知っていますか? 健康保険と治療費   木村英三
「ちょっと眠るだけの麻酔」って何?   髙田真二
静脈麻酔はとても難しい   髙田真二
硬膜外無痛分娩のコツ   照井克生
痛みは異常のサイン   五十嵐敏雄
産婦人科と排尿トラブル   中田真木
小は大を兼ねる   楢原久司
数年たってからの慣れや思い込みに注意   折坂俊介
女性と月経   宮嵜康二
インフォームド・コンセントについて   増?英明
添付文書における「妊娠中投与禁忌」について   横尾郁子
先天異常調査会   三橋直樹
軟産道と加齢   田中宏和
基本中の基本,忘れるべからず   田中宏和
近年の内診事情   田中宏和
ヨーロッパでの前向きランダム化試験   藤下 晃
子宮形成術の考え方   牧野恒久
不育症とHematologyの相関   牧野恒久
研修医に向けての一言本音   藤下 晃
たかが「つわり」,されど「つわり」   中井章人
子宮頸管縫縮術も考えながらの子宮頸管円錐切除術   杉村 基
忘れられない肺高血圧症合併妊娠患者   西島浩二
妊娠糖尿病の診断基準について   杉山 隆
劇症1型糖尿病   杉山 隆
母体の甲状腺機能低下症と子どものIQ   百渓尚子
膠原病治療薬の進歩と妊娠中の対応   吉田幸洋
不定愁訴に対する診療の心構え   太田博明
産科医療の現場にて   山崎峰夫
帝王切開の特殊性   松原茂樹
早剝の管理のむずかしさ   中林正雄
妊娠高血圧症候群の降圧薬の選択   佐川典正
帝王切開:the shorter, the better   松原茂樹
お金をかけない内分泌診断!   生水真紀夫
産後に胎胞膨隆?   松原茂樹
産褥期の自己免疫疾患   岡野禎治
術後肺塞栓症例の対応   竹田 省
前置胎盤:腟方向への出血に留意   松原茂樹
異常子宮出血のPALM-COEIN分類   寺内公一
PCOSとAMHの関係性   遠藤俊明
絨毛性疾患の取り扱いは疾患本態を念頭に置くこと   半藤 保
油断大敵――過信は禁物   稲葉憲之
内診を悔るなかれ   山田秀和
子宮体癌の低中リスク群と高中リスク群   藏本博行
cureとcare   坂元秀樹
診療録への記載   佐野元彦

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序文

第3版編集の序

 世に電子化が普及してから生まれた世代が本書を手にする時代になりました.研修医制度が定着し,さらに専門医制度が試走しています.かつては卒業生の多くが出身大学の医局に残り,そこで学んだ流儀を医局外でも踏襲していました.研修施設の選択肢が大きく広がった今,実は様々な流儀が存在することが知られるようになりました.専門医制度のもとでは技術的な側面が症例経験数として計測され,基本的理解に至るはずの思索は評価されることなく忘れ去られてしまいそうです.数多の流儀をまとめ,今得られる範囲内での統計上,最も良い方向に進めるであろう指針がガイドラインとして提示されています.この指針により,独善に陥ることなく一般的な医療を提供できるようになりました.しかしながら,指針の遵守のみでは現時点の枠を超えて医学が更なる高みへと上ることは難しくなります.
 電子化により簡単に触れることができる一般論の紹介ではなく,その流儀・指針が生まれるに至った経緯や社会的背景を伝え,簡潔にまとめられたマニュアルの行間を説明して戴きたい.先輩として,後進に伝えておきたい心・技・工夫・コツを教えて戴きたい.これが本書の編集方針です.それを受け継いだ研修医は,学び覚えてきたものとは別の流儀に触れ,それぞれの意味を考え,比較し,唯一絶対という正解のない臨床の奥深さを垣間見ることができるようになるはずです.
 2000年3月に生まれた「研修医」ノートは,雑誌「産科と婦人科」にお寄せ頂いた種々の話題の中から,順天堂大学の三橋直樹教授が若手医師向けの内容を吟味し,選び抜いたものを纏める形で上梓されました.このため,系統的に項目を決めてから執筆をお願いする通常の書籍とは少し異なる項目だてになっていました.この「研修医」ノートが2009年,新たに「研修」ノートとして生まれ変わり,2014年には「研修」ノート第2版として改訂されました.そして今回が第3版となりますが,なお初代の良さを生かすような独自の項目配置が受け継がれています.19年の歳月の中で医療を取り巻く環境は大きく変貌しましたが,先輩から後輩への思いは変わらないはずです.
 直接会うことは無い,しかしながらこの情勢下に同じ道を歩み始めた,生き方は下手かもしれない後進に,共に進む道標を伝えるべく何度も推敲を繰り返して下さった先輩の熱意を,秘技を,是非とも感じとって頂ければ幸いです.

2019年3月吉日
帝京大学医学部産婦人科学講座主任教授
綾部 琢哉
東京大学大学院医学系研究科産婦人科学(分子細胞生殖医学)教授
大須賀 穣