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ベーチェット病診療ガイドライン2020診断と治療社 | 書籍詳細:ベーチェット病診療ガイドライン2020

日本ベーチェット病学会 監修

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)ベーチェット病に関する調査研究班 編集

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 編集

初版 B5判 並製 200頁 2020年01月27日発行

ISBN9784787824042

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定価:本体4,800円+税
  

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ベーチェット病標準化医療のバイブルがついに完成!ベーチェット病は,全身に多様な症状が出現する難治性炎症性疾患で,特異的な検査所見がないために診断に苦慮することも少なくありません.本書では多臓器にわたる症状を横断的に理解できるよう,治療に限らず症状や所見に関するアルゴリズム・CQを豊富に収録し,ベーチェット病の多彩な症状・所見・治療すべてを網羅.ベーチェット病専門外の一般医にも使いやすい1冊です.

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目次

序 文……水木信久
執筆・協力一覧
略語一覧

第1章 ガイドライン作成にあたって……水木信久
第2章 ベーチェット病の疾患概念,病因・病態
 [1]疾患概念……大野重昭
 [2]病因・病態……石ヶ坪良明/竹内正樹/水木信久
第3章 ベーチェット病の臨床
 [1]症状,身体所見
 ❶主症状
  (a)口腔内アフタ性潰瘍……中村晃一郎
  (b)皮膚症状……中村晃一郎
  (c)眼症状……南場研一
  (d)外陰部潰瘍……中村晃一郎
 ❷副症状
  (a)関節炎……齋藤和義/廣畑俊成
  (b)精巣上体炎(副睾丸炎)……菊地弘敏
  (c)消化器病変(腸管型ベーチェット病)……久松理一
  (d)血管病変(血管型ベーチェット病)……岳野光洋
  (e)中枢神経病変(神経型ベーチェット病)……廣畑俊成
 [2]血液生化学検査所見……井上 詠
 [3]厚生労働省ベーチェット病診断基準(2016年小改訂)
 [4]ベーチェット病重症度分類(2016年小改訂)
 [5]疫学(症状,重症度の変遷)……石戸岳仁/黒澤美智子
 [6]ベーチェット病患者の妊娠について……岳野光洋
 [7]小児ベーチェット病の特徴……山口賢一
第4章 ベーチェット病の診療ガイドライン
 [1]診断・治療に関するアルゴリズム
 ❶皮膚粘膜病変治療アルゴリズム
 ❷眼病変治療アルゴリズム
 ❸関節病変治療アルゴリズム
 ❹精巣上体炎診断治療アルゴリズム
 ❺腸管型ベーチェット病診断治療アルゴリズム
 ❻血管型ベーチェット病診断治療アルゴリズム
 ❼神経型ベーチェット病診断治療アルゴリズム
 [2]診断・治療のクリニカルクエスチョン(CQ)と推奨文,推奨度,解説
 ❶皮膚粘膜病変CQ
  (a)口腔内アフタ性潰瘍
  (b)外陰部潰瘍
  (c)結節性紅斑
  (d)毛包炎様皮疹
  (e)血栓性静脈炎
 ❷眼病変CQ
  (a)眼発作時の治療
  (b)眼発作抑制の治療(TNF 阻害薬以外の治療)
  (c)TNF阻害薬
  (d)眼科手術
 ❸関節病変CQ
 ❹精巣上体炎CQ
 ❺腸管病変CQ
  (a)診 断
  (b)予 後
  (c)モニタリングと治療目標
  (d)治療(内科的治療)・総論
  (e)治療(内科的治療)・各論
  (f)治療(外科的治療)
  (g)その他(小児例,トリソミー8など)
 ❻血管病変CQ
 ❼神経病変CQ
  (a)神経型ベーチェット病の一般的事項
  (b)急性型神経型ベーチェット病について
  (c)慢性進行型神経型ベーチェット病について
 ❽小児ベーチェット病CQ
 ❾治療総論CQ
  (a)TNF阻害薬に関する注意点
  (b)妊娠・授乳中の薬物治療リスク
第5章 参考資料・情報
 [1]ベーチェット病国際診断基準(ISG, ICBD, PEDBDなど)との比較……岳野光洋
 [2]神経型ベーチェット病メタ解析……石戸みづほ/堀田信之
 [3]ベーチェット病臨床調査個人票(2016年改訂)
 [4]関連情報
 [5]ベーチェット病患者会情報
 [6]ベーチェット病に関する調査研究班のあゆみ

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序文

 ベーチェット病は全身の諸臓器に急性の炎症発作を繰り返す難治性炎症性疾患です.ベーチェット病では特異的な検査所見がなく,多臓器にわたる症状や所見の組み合わせから診断がなされているため,診断に苦慮することも少なくありません.そこで,厚生労働省の研究班が中心となって,日本を代表するベーチェット病診療の専門医師が集まり,本病の臨床症状や治療法およびその効果に関する臨床実態調査および文献的な科学的根拠の検索を行い,エビデンスに基づいた診療ガイドラインを作成しました.各項目についてclinical question(CQ)形式で作成し,一般医が現場ですぐに理解し実践できる実用性の高いガイドラインの作成に努めました.
 しかしながら,ベーチェット病においては,患者数が少なく,炎症の強さや組織傷害の不可逆性からランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)や前向きコホート研究などエビデンスレベルの高い臨床試験が困難であり,充分な科学的根拠(臨床試験や学術論文)が得られているとはいえません.したがって,本ガイドラインでは,各診療科の専門医師が合議的に議論を重ね,各CQと推奨文に対する同意度をデルファイ法にて集計・評価し,エビデンスレベルの低い科学的根拠を補い最終的な推奨度を決定しました.
 また,多臓器にわたる症状を横断的に理解するために,あえて治療のみならず症状や所見の診断に関するアルゴリズムやCQも作成し,専門医師以外の一般医が自身の診療科以外の領域も理解できるようなガイドライン構成としました.診断や治療に苦慮する小児のベーチェット病に関しても可能な限り検討,記載をしました.生物学的製剤(TNF阻害薬)に関する治療に関しては,先行する他疾患のガイドラインの記載を引用し,他のいろいろなガイドラインを検索せずに済むようにしました.このように本ガイドラインでは,多診療科にわたるベーチェット病の多彩な症状や所見および治療方針をすべてこの1冊で網羅できるようなall in oneのガイドラインを目指しました.
 ベーチェット病患者がどこの施設を受診しても不利益がなく同様の適切な診療を受けられるように,本ガイドラインがベーチェット病の標準化医療のバイブルとなることを期待しております.本ガイドラインが,先生方の明日からのベーチェット病診療の一助となり,本病で苦しむ人々が少しでも減ることを願っております.

2019年11月吉日

日本ベーチェット病学会理事長
厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)ベーチェット病に関する調査研究班班長
横浜市立大学大学院医学研究科視覚器病態学主任教授
水木信久