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小児神経学の進歩 第48集診断と治療社 | 書籍詳細:小児神経学の進歩 第48集

日本小児神経学会教育委員会(にほんしょうにしんけいがっかいきょういくいいんかい) 編集

初版 B5判 アジロ 並製 1色刷り 128頁 2019年06月14日発行

ISBN9784787824059

定価:本体6,200円+税
  

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日本小児神経学会主催の「小児神経学セミナー」の講義内容を書籍化。「小児神経と炎症」をメインテーマに各分野のエキスパートの先生方が図表や写真とともに詳細に解説。討論形式の症例検討では,参加した先生方による活発な討論や質疑応答の内容を掲載し,各先生方の臨床経験による貴重な知見等も得ることができる。小児神経学を志す若手の先生や,中堅・ベテランの先生方のブラッシュアップにも最適な一冊となっている。

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目次

小児神経と炎症
小児免疫性神経疾患へのアプローチ 佐久間 啓
 I Guillain-Barre症候群
 II 抗NMDA受容体脳炎
 III 視神経脊髄炎
 IV 多発性硬化症

熱性けいれん・けいれん重積・急性脳症 診療ガイドラインの概説 前垣義弘
 I 熱性けいれん診療ガイドライン2015
 II 小児けいれん重積治療ガイドライン2017
 III 小児急性脳症診療ガイドライン2016

Clinical Conference(C.C.)
緩徐に進行する上肢の筋力低下を呈した12歳の女児
【司 会】千代延友裕  【症例担当】前田裕史

小児神経と炎症
小児の中枢脱髄性疾患 吉良龍太郎
 I 中枢脱髄性疾患総論
 II 小児の中枢脱髄性疾患の定義
 III ADEMの疫学と臨床像
 IV 中枢脱髄性疾患にみられる自己抗体
 V 小児MSの特徴
 VI 中枢脱髄性疾患の治療

末梢の病態 ~GBS,CIDP,MGの理解と実践~ 稲葉雄二
 I Gullain-Barre 症候群(Guillain Barre syndrome;GBS)
 II 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy;CIDP)
 III 重症筋無力症(myasthenia gravis;MG)

脳神経外科領域の炎症と感染 林 俊哲
 I 頭蓋内感染症に対する対応
 II 急性脳症に対する対応
 III 脳血管の炎症性疾患
 IV 小児脳梗塞と炎症性疾患

中枢神経系免疫細胞ミクログリアの新規生理機能とその病態への関与 和氣弘明,加藤大輔,池上暁湖
 I 背景
 II ミクログリアのモード変化
 III 神経回路の発達におけるミクログリアの役割
 IV 母胎炎症のミクログリアへの作用
 V ミクログリアと情報処理異常

Clinicopathological Conference (C.P.C.)
Neurodegeneration with brain iron accumulationの一剖検例
【司 会】浜野晋一郎  【症例担当】村松一洋  【病理担当】清水 宏

小児神経と炎症
小児けいれん性疾患と神経炎症 ~熱性けいれんと神経炎症~ 福田光成
 I 感染と発熱
 II 体温上昇と熱性けいれん
 III 炎症性サイトカインと熱性けいれん
 IV 熱性けいれん重積と後の内側側頭葉てんかんの関連
 V 炎症性サイトカインと熱性けいれん重積後の二次性てんかん
 VI ヌクレオカインとけいれん性疾患
 VII HMGB1と熱性けいれん
 VIII HMGB1と熱性けいれん重積後の二次性てんかん
 IX IL-1βおよびHMGB1の作用機序

小児けいれん性疾患と神経炎症 ~てんかんと神経炎症~ 山中 岳
 I サイトカインとは?
 II 新たな展望 

辺縁系脳炎(自己免疫介在性脳炎)とてんかん 池田昭夫
 I 歴史的経緯
 II 各種抗体による病型の相違
 III 非典型的な自己免疫てんかんの症例
 IV 自己免疫てんかんの臨床的特徴と診断指針
 V 扁桃体腫大と自己免疫てんかん
 VI 診断アルゴリズムの提唱
 VII 治療
 VIII てんかん発作とmovement disordersの違いの仮説

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序文



 第48回小児神経学セミナーは,2018年11月23日(金)から25日(日)に大阪市のホテルフクラシア大阪ベイで開催されました.受講者数は138名(男性77名,女性61名)でした.
 本セミナーは,小児神経学を志す若手の教育とともに,中堅・ベテランの先生方のbrush upも目的としております.今回もこの視点から「小児神経と炎症」をメインテーマに取り上げました.
 第一日目は,「小児の免疫性神経疾患へのアプローチ」と題する東京都医学総合研究所脳発達・神経再生研究分野 佐久間 啓先生のご講演と,「熱性けいれん・けいれん重積・急性脳症 診療ガイドラインの概説」と題する鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経小児科学分野 前垣義弘先生のご講演があり,続いてのClinical Conferenceでは京都府立医科大学附属北部医療センターの前田裕史先生,京都府立医科大学小児科の千代延友裕先生より,「緩徐に進行する上肢筋力低下を呈した12歳女児」のご提示がありました.続く懇親会には講師の先生方を含む多くの先生方がご参加くださり,夜遅くまで楽しく熱い議論が交わされました.
 二日目は,教育委員の小沢 浩先生によるモーニングセミナー「目でみる小児神経:乳幼児の発達-正常と疾患を比べよう-」からはじまり,続いて福岡市立こども病院小児神経科 吉良龍太郎先生による「小児の中枢脱髄性疾患」,長野県立こども病院神経小児科 稲葉雄二先生による「末梢の病態~GBS,CIDP,MGの理解と実践」,東北医科薬科大学脳神経外科の林 俊哲先生による「小児の感染/炎症:脳神経外科のできること」,神戸大学大学院医学研究科生理学・細胞生物学講座システム生理学分野 和氣弘明先生による「グリア細胞の生理機能と神経回路機能」のご講義がありました.夕刻には教育委員(城所博之先生,横山浩之先生,稲垣隆介先生,石川悠加先生)による少人数でのグループディスカッションが行われ,夜間のClinicopathological Conferenceでは,自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児科 村松一洋先生と,新潟大学脳研究所病理学分野 清水 宏先生より「Neurodegeneration with brain iron accumulationの一剖検例」が提示されました.
 三日目の朝は,教育委員の本田涼子先生のモーニングセミナー「てんかん-発作と発作時脳波をみてみよう-」ではじまり,続いて東京都立神経病院神経小児科 福田光成先生,東京医科大学小児科・思春期科学分野 山中 岳先生に「小児けいれん性疾患と神経炎症」,京都大学大学院医学研究科てんかん・運動異常生理学講座 池田昭夫先生に「辺縁系脳炎(自己免疫介在性脳炎)とてんかん」をご講義いただきました.
 いずれの講義にも講師の先生方の深いご経験と最新の知識が盛り込まれ,また先生方の患者さんに対する真摯な思いがひしひしと伝わってきました.明日からの診療に早速役立つ内容だったと思います.
 本書は,ここで行われた講義とCCおよびCPCの内容を,担当の先生方にご執筆頂いたものです.是非,明日からの診療に役立ててください.
 小児神経学セミナーの企画・運営および本書の編集は,日本小児神経学会教育委員の先生方のお力によるものです.また実務面では学会事務局の皆様に多大なご尽力をいただきました.紙面を借りて御礼申し上げます.

 2019年4月
日本小児神経学会教育委員会
委員長  熊田 聡子 
担当理事 浜野 晋一郎