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小児内分泌学 改訂第3版診断と治療社 | 書籍詳細:小児内分泌学 改訂第3版

日本小児内分泌学会 編集

改訂第3版 B5判 並製 688頁 2022年02月10日発行

ISBN9784787824721

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定価:14,300円(本体価格13,000円+税)
  

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初版から約12年,改訂第2版から約5年.この間の新たな疾患の発見・病態の解明から,診療ガイドラインの充実,遺伝医学の進歩,新規治療法の開発,生殖医学・胎児医学・トランジッションなどの移行期医療を盛り込み,日本小児内分泌学会の総力を結集して編集した学会編教科書,改訂第3版.小児内分泌を専門とする医師のみならず,内分泌疾患患者を診る機会のある小児科医,内科医などにも必携の,小児内分泌学の決定版!

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目次

口絵
改訂第3版序文
改訂第2版序文
初版序文
執筆者一覧
凡例

Ⅰ 総 論
第1章 内分泌総論
A 内分泌系の役割
B ホルモンの種類
C ホルモンの作用機序
D ホルモンの分泌調節
E ホルモンの生合成と代謝

第2章 内分泌疾患の原因・種類と診察法
A 内分泌疾患の原因と分類
B 診察法
C 体格と成長の評価

第3章 内分泌関連疾患の遺伝学と遺伝学的検査
A 内分泌疾患のジェネティックス
B 内分泌疾患のエピジェネティクスとインプリンティング
C 遺伝学的検査

第4章 内分泌学的検査
A ホルモンの測定法
B 内分泌検査の実際と評価

第5章 画像診断
A 視床下部-下垂体系
B 甲状腺,副甲状腺
C 副腎
D 性腺

第6章 その他の検査
A 下錐体(海綿)静脈洞サンプリング
B 副腎静脈サンプリング
C 細胞診
D 骨密度

第7章 内分泌疾患患者にみられる所見,主要症候から診断へのアプローチ
A 低身長
B 高身長
C やせ
D 肥満
E 思春期早発
F 思春期遅発症
G 月経異常
H 非典型的外性器
I 口渇/多飲
J 高血糖
K 低血糖
L 電解質異常Na/K
M 電解質異常Ca
N 電解質異常IP
O 甲状腺クリーゼ
P 副腎不全
Q 糖尿病性昏睡

第8章 内分泌救急処置
A 甲状腺クリーゼ
B 副腎クリーゼ
C 糖尿病性昏睡
D 低血糖
E 低カルシウム血症

Ⅱ 各 論
第1章 新生児内分泌学
A 胎児期・新生児期の内分泌機能
 1 間脳・下垂体機能
 2 副腎皮質機能
 3 甲状腺機能
 4 糖代謝機能
 5 腎機能・電解質
 6 カルシウム代謝
 7 性腺機能・内性器外性器の分化と成長
B 内分泌疾患を有する母体と児の管理
 1 糖尿病
 2 甲状腺機能関連
 3 尿崩症(妊娠尿崩症を含む)
 4 副腎皮質機能関連
C 新生児マススクリーニングシステム
 1 先天性副腎過形成症
 2 先天性甲状腺機能低下症
D 新生児医療と内分泌疾患
 1 急性期離脱後循環不全(晩期循環不全)
 2 早産児低サイロキシン血症
 3 新生児甲状腺機能亢進症
 4 新生児に対するステロイドホルモン治療
 5 未熟児代謝性骨疾患(未熟児骨減少症,未熟児くる病)
 6 新生児期に診断可能な小児内分泌疾患

第2章 成長障害
A 視床下部-下垂体系の発生・分化
B 成長の機構とその制御
C 成長障害の鑑別と診断の進め方
D 成長障害にかかわる遺伝子とその分子基盤
 1 GHRH受容体遺伝子異常症
 2 GH1遺伝子異常症
 3 GH不応症
 4 IGF-Ⅰ異常症
 5 IGF-Ⅰ受容体遺伝子異常症
 6 SHOX異常症
E 成長ホルモン分泌不全性低身長症と成人成長ホルモン分泌不全症
 1 成長ホルモン分泌不全性低身長症
 2 成人成長ホルモン分泌不全症
F Turner症候群における成長障害
G 軟骨無形成症・低形成症
H Noonan症候群
I Prader-Willi症候群
J SGA性低身長症
K その他の低身長(先天異常症候群を含む)
L 高身長と過成長

第3章 視床下部・下垂体障害による内分泌疾患
A 視床下部下垂体ホルモン
B 複合型下垂体ホルモン欠損症
C 間脳-下垂体近傍腫瘍
D 視床下部-下垂体近傍の炎症・感染症
E 外傷性下垂体機能低下症
F 高プロラクチン血症
G 下垂体性巨人症などの下垂体腺腫
 1 下垂体性巨人症
 2 その他の下垂体腺腫
H リンパ球性下垂体炎

第4章 水・電解質代謝異常
A 水・電解質代謝の生理学
B 中枢性尿崩症
C Wolfram症候群
D 口渇中枢障害を伴う高ナトリウム血症(本態性高ナトリウム血症)
E 腎性尿崩症
F 乳幼児習慣性多飲多尿
G 低浸透圧症候群
 1 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群(SIADH)
 2 中枢性塩喪失症候群(CSWS)
H 夜尿症

第5章 思春期発来異常
A 視床下部-下垂体-性腺系の発生・分化
B 思春期の生理学
 1 思春期発来の内分泌機構
 2 二次性徴の発現機序
C 思春期発来異常をきたす疾患
 1 思春期早発症
  1.ゴナドトロピン依存性思春期早発症(GDPP)
  2.ゴナドトロピン非依存性思春期早発症
   a hCG産生腫瘍
   b 家族性男性思春期早発症(familial testotoxicosis)
   c McCune-Albright症候群
  3.内分泌疾患に伴う続発性思春期早発症
  4.部分型思春期早発症
 2 体質性思春期遅発症と性腺機能低下症
  1.体質性思春期遅発症
  2.低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
   a Kallmann症候群
   b Kallmann症候群以外の先天性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
   c 先天性複合型下垂体ホルモン欠損症に伴う性腺機能低下症
   d 器質性性腺機能低下症
  3.高ゴナドトロピン性性腺機能低下症

第6章 性分化疾患と性発達異常を伴う疾患
A 性の分化機構
B 46,XY DSD
C 46,XX DSD
D Turner症候群
E Klinefelter症候群
F その他の性染色体異常による性分化疾患
G 機能性無月経
H 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
I トランスジェンダーと性別違和

第7章 副腎疾患
A 副腎の発生・分化
B 副腎ホルモン産生・作用
C 副腎皮質機能低下症
 1 先天性原発性副腎皮質機能低下症
  1.先天性副腎低形成症
   a DAX1異常症
   b SF1異常症
   c IMAGe症候群
   d MIRAGE症候群
   e sphingosine-1-phosphate lyase insufficiency syndrome
  2.先天性副腎過形成症
   a 21水酸化酵素欠損症
   b 先天性リポイド副腎過形成症
   c コレステロール側鎖切断酵素欠損症
   d 17α水酸化酵素欠損症
   e 11β水酸化酵素欠損症
   f 3β水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症
   g P450酸化還元酵素欠損症
   h 先天性副腎過形成患者の生殖能力
  3.グルココルチコイド単独欠損症
   a ACTH不応症
   b NNT遺伝子異常症
   c TXNRD2遺伝子異常症
  4.副腎白質ジストロフィー
  5.アルドステロン合成酵素欠損症
  6.偽性低アルドステロン症
   a 偽性低アルドステロン症Ⅰ型(PHA Ⅰ)
   b 偽性低アルドステロン症Ⅱ型(PHA Ⅱ)
   c 二次性偽性低アルドステロン症
 2 後天性原発性副腎皮質機能低下症
 3 二次性副腎皮質機能低下症
D Cushing症候群(Cushing病を含む)
E 高血圧を特徴とする疾患
 1 グルココルチコイド奏効性アルドステロン症
 2 見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群
 3 原発性アルドステロン症
F 褐色細胞腫

第8章 甲状腺疾患
A 甲状腺の発生・分化
B 甲状腺ホルモンの産生・代謝・作用
C 先天性甲状腺機能低下症
 1 原発性甲状腺機能低下症
  1.永続性先天性甲状腺機能低下症
  2.一過性甲状腺機能低下症
 2 中枢性(下垂体性,視床下部性)甲状腺機能低下症
D 後天性甲状腺機能低下症
 1 頭蓋内病変による甲状腺機能低下症
 2 放射線性甲状腺機能低下症
E 甲状腺炎
 1 橋本病(慢性甲状腺炎)
 2 萎縮性甲状腺炎
 3 亜急性甲状腺炎
 4 急性化膿性甲状腺炎
F 甲状腺中毒症
 1 Basedow病
 2 中毒性腺腫,中毒性多結節性甲状腺腫
 3 無痛性甲状腺炎
G 薬剤による甲状腺機能異常
H 甲状腺ホルモン不応症とTSH不応症
 1 甲状腺ホルモン不応症
 2 甲状腺ホルモン代謝異常症
  1.MCT8異常症
  2.SBP2異常症
  3.Consumptive hypothyroidism
 3 TSH不応症
I 甲状腺結節・甲状腺癌
 1 甲状腺結節の診療方針
 2 腺腫様甲状腺腫
 3 甲状腺良性腫瘍
 4 甲状腺悪性腫瘍(甲状腺癌)

第9章 カルシウムとビタミンD関連疾患
A 副甲状腺などカルシウム代謝に関与する臓器の発生・分化
B カルシウム・リン代謝調節と骨代謝
C 副甲状腺機能亢進症
 1 原発性副甲状腺機能亢進症
 2 二次性副甲状腺機能亢進症
D 副甲状腺機能低下症
 1 PTH分泌不全性副甲状腺機能低下症
 2 偽性副甲状腺機能低下症
E くる病
 1 ビタミンD欠乏性くる病
 2 低リン血症性くる病
 3 その他のくる病
F 骨系統疾患

第10章 糖代謝異常症
A 膵臓の発生・分化・生理学
B 糖尿病
 1 1型糖尿病
  1.病因
  2.治療
 2 2型糖尿病
  1.病因と病態
  2.治療
 3 その他,特定の機序・疾患によるもの
  1.遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの(単一遺伝子異常糖尿病)
  2.他の疾患・条件に伴うもの
  3.妊娠糖尿病
C 糖尿病コントロールと合併症
 1 糖尿病関連指標
 2 小児・思春期発症糖尿病合併症
  1.慢性血管合併症
  2.その他の合併症
D 低血糖症
 1 先天性高インスリン血症
 2 インスリノーマ
 3 ケトン性低血糖症

第11章 肥満,メタボリックシンドロームと脂質異常症
A 肥満の生理学
B DOHaD
 1 胎内環境と小児肥満
 2 アディポシティリバウンド
C 肥満症
D 小児のメタボリックシンドローム
E 脂質異常症

第12章 尿細管異常
A 尿細管の生理
B 腎尿細管性アシドーシス
 1 遠位型RTA
 2 近位型RTA
C Bartter症候群およびGitelman症候群
D 腎性糖尿

第13章 多腺性内分泌疾患
A 多発性内分泌腫瘍症
 1 多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)
 2 多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)
B 自己免疫性多内分泌腺症候群
 1 自己免疫性多内分泌腺症候群1型(APS1またはPGA1)
 2 自己免疫性多内分泌腺症候群2型(APS2またはPGA2)
 3 免疫チェックポイント阻害薬による内分泌系の免疫関連有害事象

第14章 疾患と内分泌異常
A 神経性食欲不振症にみられる内分泌異常
B Critical illnessでみられる内分泌異常
C 小児がん経験者(CCS)における晩期内分泌合併症

第15章 小児内分泌疾患の成人診療へのトランジション
A トランジションの基本的考え方と課題
B 移行期支援の実際
C 円滑な移行期医療を進めるために

■付録
A 日本人の食事摂取基準(2020年版)
B 標準身長・体重曲線,疾患特異的標準成長曲線,肥満度判定曲線

■索引

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序文

改訂第3版序文

 日本小児内分泌学会編の「小児内分泌学」の初版が発刊されてから約12年,第2版が発刊されて約5年となりました.この間,小児内分泌の教科書である「小児内分泌学」は,小児内分泌学の普及,発展に大きく貢献してきたと思います.このことは,ひいては内分泌疾患に罹患した小児患者さんの役に立ってきたと言えます.このような大きな貢献ができたのも,初版の編集主幹の故藤枝憲二先生,第2版の編集主幹の横谷 進先生のリーダーシップのもと,日本小児内分泌学会会員が力を合わせて,教科書としてわかりやすく公正な記述を心掛けた結果と思います.発行部数は,日本小児内分泌学会会員数を遥かに超え,本書「小児内分泌学」が多くの医師に頼りにされていることが伺えます.
 このような教科書としての質を担保するためには,小児内分泌学の進歩に合わせた定期的な改訂が必要です.このような認識から,日本小児内分泌学会の理事を中心とする第3版の改訂チームが立ち上がりました.編集主幹として,私のほか,緒方 勤先生,長谷川奉延先生と,連続3代の日本小児内分泌学会理事長が,その任にあたり,第3版の企画段階から,各章の担当の理事の選定,執筆者の確定,原稿内容のチェックを行いました.
 最近の小児内分泌分野の発展としては,診療ガイドラインの充実,診断および治療に関する遺伝医学の進歩,トランスレーショナルリサーチや患者レジストリを基盤とした新規治療法の開発,生殖医学・胎児医学・トランジションなどの移行期医療を含めた小児内分泌分野の守備範囲の拡大などがあげられます.これらを取り入れ,また,専門医制度などの教育面での変化にも対応して,日本小児内分泌学会の評議員を中心として,120名近い執筆者が,力を注いで執筆しました.第3版が初めての執筆となるような,若い執筆者も多く登場しています.第3版をお手にとって読んでいただければわかると思いますが,小児内分泌の教科書として,Updateされた内容となっております.
 本書は,小児内分泌学の幅広い領域をカバーし,簡便に内容を理解できるようにエッセンスに絞って,記述しております.しかしながら,小児内分泌学の面白さを十分に感じていただけるように,図表や表現に工夫もしております.多くの情報をインターネットで得ている現状から,参考文献として多くのWeb siteを記載しております.さらに,今後,日本小児内分泌学会編の「小児内分泌疾患の治療」を発行する予定であり,本書とともに読んでいただければ,小児内分泌領域の診療の実践ができるように配慮しております.「小児内分泌疾患の治療」にもご期待ください.
 最後に,本書に執筆いただいた先生および編集を担当された日本小児内分泌学会理事の方々に深く感謝申し上げます.不慣れな私たちを色々とサポートしていただきました「診断と治療社」の坂上昭子さん,松田和貴さんに感謝します.

 令和3年12月

編集主幹を代表して

一般社団法人 日本小児内分泌学会前理事長
大薗恵一



改訂第2版序文

 日本小児内分泌学会編の「小児内分泌学」(初版)が発刊されてから6年余りが過ぎました.この間の学問の進歩や医療をめぐる環境の変化は目覚ましく,それに対応した新しい第2版の刊行がぜひ必要になってきました.小児内分泌の領域における変化をあげれば,①遺伝学的研究の成果が新たな疾患の発見や病態の解明にますます結実し,②トランスレーショナル・リサーチなどによる治療方法の開発も急速に進み,超稀少疾患にも有効な薬剤が使用できるようになってきており,③標準的診療のガイドラインや患者向けツールの開発も進んできて,④小児期発症内分泌疾患の成人期医療へのトランジションや生涯管理が注目されて臨床内分泌学がさらに深化してきました.本書はこのような変化を敏感に反映すべく,初版に引き続いて100人近い学会員の力を結集して制作されました.
 幸いにして,初版は日本小児内分泌学会会員数の2~3倍を超えた部数が販売されました.小児内分泌学を専門とする医師だけでなく,内分泌疾患に触れ,内分泌学の知識を診療に役立てている小児科医,成人を主に診療している内分泌専門医の方々にも読まれているのではないかと思います.第2版も,自信をもってこのような読者に新たな知識を提供できるものと信じます.
 本書の制作には,日本小児内分泌学会のすべての理事が本書の構成・目次を検討して新たなものとしました.各理事は自らが担当する章について執筆者から受け取った原稿を校閲しました.横谷も原稿を読み,章担当理事の意見と合わせて執筆者にフィードバックし,最終原稿を完成しました.この過程で,他項目との重複を最小限にし,一貫性を図るように努力しました.編集のこのような過程は,本書が教科書としての堅実さをもつことに貢献したものと考えます.個人的には,こうした作業を通じて改めて勉強し,内分泌学の奥深さを痛感する結果となりました.
 本年2016年は,日本小児内分泌学会が誕生してから50周年という特別な年に当たり,その年に第2版を刊行できることは大きな喜びです.ここに至るまで学会と小児内分泌学を支えて下さった数々の優れた先輩,とりわけ,初版を企画してその刊行から3か月を経ずに亡くなられた故藤枝憲二元理事長に深く感謝し,謹んで本書を捧げます.
 最後に,本書に執筆いただいた学会員,編集を担当された日本小児内分泌学会理事の方々に深く感謝申し上げます.細部までよく読み,全巻の整合性をとるために日夜尽力していただいた「診断と治療社」の坂上昭子さんに感謝します.

 平成28年5月

編集主幹を代表して

一般社団法人 日本小児内分泌学会前理事長
横谷 進



初版序文

 この度,日本小児内分泌学会では,小児内分泌学・糖尿病学・代謝学の研究を通じて科学の進歩に貢献すること,また小児内分泌,小児糖尿病を専門とする医師を養成することを目的として,『小児内分泌学』を発行することになった.本書の著者として 80 人を超える学会員が参画し,それぞれの専門としている事項を担当し執筆した.
 本書は,日本小児内分泌学会が総力を挙げて作成したテキストである.このようなテキストは,欧米には古くは,世界の小児内分泌学の始祖といえる Lawson Wilkins の小児内分泌学テキストをはじめ,いくつかのテキストがあるが,わが国には今までこのような網羅的な小児内分泌学テキストはなかった.したがって,本書が刊行できた意義は極めて大きいと感じている.
 本書は,総論と各論に分け,現在の小児内分泌学の最新の知識が記載されている.総論は,生体におけるホルモンの役割からはじまり,内分泌疾患患者の診察,診断,検査法,主要症候から診断へのアプローチ,内分泌救急疾患の処置を含んでいる.この部分を読むだけでも,実地診療にも役立つ内容である.各論は,14 章に分け,従来小児内分泌学分野で取り上げられなかった分野も加えてあり,新生児内分泌学,成長障害,視床下部・下垂体障害による内分泌疾患,水・電解質代謝異常,思春期発来異常をきたす疾患,性分化・性発達異常を伴う疾患,副腎疾患,甲状腺疾患,カルシウムとビタミン D 関連疾患,糖・脂質代謝異常症,肥満・メタボリックシンドローム,尿細管異常,多腺性内分泌疾患,疾患(神経性食欲不振症,critical illness,小児がん経験者)と内分泌異常という項目立てにした.できるだけ理解しやすくするために,図表を多くするとともに,内容は分子内分泌という最新先端的な情報も入れ込んである.
 内分泌学は,一般的にむずかしい分野と思われ敬遠されがちであるが,本書を通読されると内分泌学のおもしろみが理解でき,日常診療にいかに重要な分野であるか理解されると思う.また,本書は,専門医には知識の確認,辞書的な使い方もできる.本書が,小児内分泌学を専門とする医師だけではなく,内分泌疾患患者を診る小児科医,内科医に幅広く利用されることを願っている.
 最後に,忙しい中,本書に執筆された先生方に感謝申し上げるとともに,編集を担当された日本小児内分泌学会の理事の先生方に厚く御礼申し上げる.

 平成21年12月

日本小児内分泌学会理事長
旭川医科大学小児科教授
藤枝憲二