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小児内分泌疾患の治療診断と治療社 | 書籍詳細:小児内分泌疾患の治療

日本小児内分泌学会 編集

初版 B5判 並製 352頁 2022年08月10日発行

ISBN9784787825469

定価:7,920円(本体価格7,200円+税)
  

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1997年に初版が発行され,2002年,2007年,2017年と改訂版が発行されてきた「小児内分泌疾患の治療」を,日本小児内分泌学会が責任編集として改訂.最良の治療法だけではなく,小児の治療で問題となる未承認薬・適応外薬の使用や救急対応もまとめられ,現場での適切な対応を可能としている.教科書である「小児内分泌学」とともに,小児科医師のみならず,成人内分泌科医など多くの医師に読んでいただきたい1冊.

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目次

序文
旧版の序文
執筆者一覧
内分泌疾患の治療の考え方
小児内分泌疾患の診療に必要な薬剤の開発
本書中の薬剤の記載について
凡例

第1章 成長障害
A 低身長
 1 成長ホルモン分泌不全性低身長症
 2 Turner症候群における成長障害
 3 軟骨無形成症・低形成症
 4 Noonan症候群における成長障害
 5 Prader-Willi症候群における成長障害
 6 SGA性低身長症
 7 小児慢性腎不全性低身長症
 8 成長ホルモン不応症
  1.成長ホルモン不応症
  2.IGF-Ⅰ欠損症,IGF-Ⅰ受容体異常症
 9 その他の低身長
 10 低身長思春期発来
B 高身長

第2章 視床下部・下垂体障害による内分泌疾患
A 下垂体機能低下症(下垂体近傍疾患を含む)
 1 新生児に起きうる汎下垂体機能低下症
 2 間脳-下垂体近傍腫瘍
 3 リンパ球性漏斗下垂体炎
 4 視床下部-下垂体近傍の炎症・感染症
B 下垂体機能亢進症
 1 高プロラクチン血症
 2 下垂体性巨人症

第3章 水・電解質代謝障害
A 中枢性尿崩症
B 中枢性尿崩症の周産期の管理
C 口渇中枢障害を伴う高ナトリウム血症(本態性高ナトリウム血症)
D 腎性尿崩症
E 乳幼児習慣性多飲多尿
F 低浸透圧症候群
 1 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群
 2 中枢性塩喪失症候群(CSWS)
G 夜尿症

第4章 思春期発来異常をきたす疾患
A 思春期早発症
 1 ゴナドトロピン依存性思春期早発症
 2 ゴナドトロピン非依存性思春期早発症
  1.hCG産生腫瘍
  2.家族性男性思春期早発症
  3.McCune-Albright症候群
  4.自律性反復性卵巣嚢胞
 3 内分泌疾患に伴う続発性思春期早発症
  1.先天性副腎過形成症に伴うゴナドトロピン非依存性思春期早発症
  2.Cushing症候群に伴うゴナドトロピン非依存性思春期早発症
  3.甲状腺機能低下症に伴うゴナドトロピン非依存性思春期早発症
  4.脳腫瘍の放射線治療後に起こるゴナドトロピン依存性思春期早発症
 4 部分型思春期早発症
  1.早発乳房
  2.早発陰毛・早発腋毛
  3.早発月経
B 体質性思春期遅発症
C 性腺機能低下症
 1 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
 2 高ゴナドトロピン性性腺機能低下症

第5章 性分化・性発達異常を伴う疾患
A 性分化へのアプローチ
 1 法律上の性の決定
 2 男性ホルモンによる治療
 3 女性ホルモンによる治療
 4 男性外陰部形成術
 5 女性外陰部形成術
B Turner症候群
C Klinefelter症候群
D 月経の異常を伴う疾患
 1 続発性無月経,機能性無月経
 2 多嚢胞性卵巣症候群
 3 若年性機能性子宮出血
E トランスジェンダーと性別違和

第6章 副腎疾患
A 副腎機能低下症
 1 先天性副腎低形成症
 2 後天性原発性副腎機能低下症
 3 二次性副腎機能低下症(ACTH分泌不全)とACTH不応症
  1.二次性副腎機能低下症(ACTH分泌不全)
  2.ACTH不応症
 4 副腎白質ジストロフィー
 5 アルドステロン合成酵素欠損症
B 急性副腎不全
C 副腎不全の予防
 1 合成ステロイドによる慢性副腎不全
 2 慢性副腎不全患者の手術等
 3 急性期離脱後循環不全(早産児晩期循環不全)
D 先天性副腎過形成症
 1 21水酸化酵素欠損症
 2 先天性リポイド副腎過形成症(STAR異常症)
 3 17α水酸化酵素欠損症
 4 11β水酸化酵素欠損症
 5 3β水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症
 6 P450酸化還元酵素欠損症
 7 先天性副腎過形成症の生殖能力と妊娠の管理
  1.21水酸化酵素欠損症
  2.先天性リポイド副腎過形成症
 8 21水酸化酵素欠損症の胎児治療
E Cushing症候群(Cushing病を含む)
F 高血圧を特徴とする疾患
 1 グルココルチコイド奏効性アルドステロン症
 2 見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群(AME)
G 褐色細胞腫

第7章 甲状腺疾患
A 甲状腺機能低下症
 1 先天性甲状腺機能低下症
 2 新生児一過性甲状腺機能低下症
 3 中枢性甲状腺機能低下症
 4 後天性甲状腺機能低下症
 5 粘液水腫性昏睡
B 甲状腺中毒症
 1 Basedow病
 2 甲状腺クリーゼ
 3 中毒性結節性甲状腺腫
 4 無痛性甲状腺炎
 5 新生児甲状腺機能亢進症
 6 新生児Basedow病
C 甲状腺炎
 1 亜急性甲状腺炎
 2 急性化膿性甲状腺炎
D 自己免疫性甲状腺疾患の妊娠前・中の管理
E 甲状腺ホルモン不応症
F 甲状腺ホルモン代謝異常症(MCT8異常症)
G 甲状腺腫瘍(甲状腺結節)

第8章 カルシウムとビタミンD関連疾患
A 新生児のカルシウム代謝異常
 1 新生児の低カルシウム血症
 2 新生児の高カルシウム血症
 3 未熟児代謝性骨疾患(未熟児骨減少症,未熟児くる病)
B 低カルシウム血症
C 副甲状腺機能低下症
D 偽性副甲状腺機能低下症(PHP)
E くる病
 1 ビタミンD欠乏性くる病
 2 低リン血症性くる病
 3 その他のくる病
  1.ビタミンD依存性くる病1型
  2.ビタミンD依存性くる病2型
  3.ビタミンD依存性くる病3型
  4.肝性くる病
  5.慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常
F 高カルシウム血症
G 副甲状腺機能亢進症
H 骨系統疾患
 1 骨形成不全症
 2 低ホスファターゼ症

第9章 糖代謝異常症
A 糖尿病
 1 1型糖尿病
 2 2型糖尿病
 3 若年性成人発症糖尿病(MODY)
 4 ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病
 5 インスリン作用伝達機構に関与する遺伝子異常による糖尿病
 6 新生児糖尿病
 7 他の疾患・条件に伴う糖尿病
B 低血糖症
 1 先天性高インスリン血症
 2 インスリノーマ
 3 ケトン性低血糖症
C 糖尿病の妊娠管理
D 糖尿病母体から出生した新生児

第10章 肥満・脂質代謝異常症
A 肥満とメタボリックシンドロームの治療
B 脂質異常症

第11章 尿細管障害
A 腎尿細管性アシドーシス
 1 遠位型RTA
 2 近位型RTA
B Bartter症候群とGitelman症候群
C 偽性低アルドステロン症
 1 偽性低アルドステロン症1型(PHA 1)
 2 偽性低アルドステロン症2型(PHA 2)
 3 偽性低アルドステロン症3型(PHA 3,二次性偽性低アルドステロン症)

第12章 内分泌異常に関連するその他の疾患
A 摂食障害
B 小児がん経験者(CCS)
C 骨粗鬆症

■(再掲)内分泌救急対応

■附録
A 本書に掲載した医薬品一覧表
B 横断的標準身長・体重曲線
 1 横断的標準身長・体重曲線
 2 Turner症候群成長曲線
 3 Noonan症候群成長曲線
 4 軟骨無形成症成長曲線
C BMIパーセンタイル曲線
D 肥満度判定曲線
E 標準体重
 1 性別・身長別標準体重計算式
 2 性別・年齢別・身長別標準体重(5歳以降)計算式
F 身長・体重から体表面積を算出するノモグラム
 1 乳幼児用(身長40~120 cm)
 2 学童・成人用(身長120~190 cm)
G 日本人の食事摂取基準
 1 推定エネルギー必要量(kcal/日)
 2 年齢別・性別の食事摂取基準(目安量または推奨量)
 3 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書
H 日本人小児の体格の評価

■索引

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序文

序文

 小児内分泌学の教科書『小児内分泌学』(診断と治療社)に引き続き,『小児内分泌疾患の治療』が,日本小児内分泌学会の会員のご協力のもと,発刊されることになりました.二つの教科書の発刊に対して,まずは,執筆者をはじめとする関係者にお礼を述べたいと思います.二つの教科書は,項目や執筆者もできるだけ揃えるように企画し,統一性が取れるようになっていると思います.
 ご存じの先生も多いかと思いますが,『専門医による小児内分泌疾患の治療』は1997年に国立小児病院(現国立成育医療研究センター)と神奈川県立こども医療センターの先生方(田苗綾子先生,前坂機江先生,田中敏章先生,横谷 進先生,立花克彦先生)が執筆され,出版されました.その先見性と献身性には,改めて敬意を評したいと思います.その後,2002年に改訂第2版が執筆され,2007年には,著者として堀川玲子先生,安達昌功先生が加わって,『専門医による 新 小児内分泌疾患の治療』が出版されました.2017年には,横谷 進先生,田中敏章先生,安達昌功先生を編集者として,改訂第2版が出版されました.このように,『小児内分泌疾患の治療』は時代の進歩に応じて改訂され,小児内分泌分野において,広く活用される教科書になっています.
 今回は,さらに,日本小児内分泌学会を責任編集とすることにより,より公平で,より広い執筆者とすることができたと思います.医療の流れとして,いわゆる診療ガイドラインの整備が進み,エキスパートオピニオンから,より標準的な治療に重点が置かれるようになっており,その流れに対応できていると考えています.また,上述したように,『小児内分泌学』(改訂第3版.2022年2月発行)の教科書とあわせて利用することにより,小児内分泌疾患に関する理解が進み,実践的な知識とすることが可能となりました.小児患者の治療では,未承認薬・適応外薬の使用(off-label use)の問題から逃れることはできません.このような薬剤についても記載し,あわせて,未承認薬・適応外薬であることを明示することで,現場での適切な対応が可能になると思われます.一方で,学会としても制限がある薬剤を明確にしながら,エビデンスを蓄積し,将来の開発や承認に役立てることができるのではないかと期待しております.学会が治療までも含めて最善の指針を示すことは大きな責務であり,この二つの教科書を通じて,日本小児内分泌学会がより深く,広く,小児内分泌の分野に貢献できるのではないかと考えています.
 本書が,皆様に活用され,小児内分泌関連の患者さんの診療に貢献できることを,願っております.

2022年7月

大阪大学大学院医学系研究科小児科学
大薗恵一


旧版の序文

 本書の前身にあたる『専門医による小児内分泌疾患の治療』の初版の刊行は,今から20年近く前の1997年2月に遡ります.当時の5人の執筆者は,国内外の先駆者から学んだ治療に関する知識に自らの経験を重ねて執筆し,互いの原稿を読み合い,長時間の議論を重ねて本を完成させました.そうした背景には,小児内分泌疾患の治療法について,当時はほとんどコンセンサスが形成されていなかったことがあります.この初版は,詳細かつ具体的な治療法が載っている数少ない本として,小児内分泌専門医を目指す若手医師だけでなく,他領域の医師,プライマリケア医など多くの方々に広く活用されました.
 その後の遺伝子解析等の進歩により疾患分類が再整理されて,遺伝子異常の相違は疾患重症度や予後にも影響することが明らかになり,また新しい治療法も開発されました.そうした状況を反映して,新たに2人の執筆者を加えて大幅な改訂を行い,2007年2月に『専門医による 新 小児内分泌疾患の治療』が「新版」として上梓されました.この新版においても,あくまでも治療を中心に記載しましたが,病態や分子メカニズム,診断方法についても必要な記載を加えました.
 そして新版からもさらに10年近くが経過し,その間には遺伝学を中心とする知見の蓄積,コホート研究等による長期予後の解明,新規薬剤の開発など,多方面にわたる変化が相次いで起こってきました.ありがたいことに,新版に対する御意見や御批判も数多く寄せられました.そのため,今回は15人の執筆者によって,新版の改訂第2版を刊行する運びとなりました.
 未だエビデンスの乏しい領域においては,本書に記載された治療法がいっそう吟味され,新たな治療法の確立に役立つことを願っています.また,小児期における小児内分泌疾患の治療が生涯にわたるアウトカムの改善に寄与することが私たちの真の目標です.本書が成人内分泌科医を含む多くの読者に活用され,適切に評価されることを願っています.
 最後に,本書の初版,新版を執筆して本書を文字通り支えてくださった田苗綾子,前坂機江,立花克彦の3人の先生方に深く感謝いたします.

2016年12月

編集者を代表して
国立成育医療研究センター 副院長/生体防御系内科部?部長
横谷 進