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書籍詳細

運動器疾患臨床ガイドブック診断と治療社 | 書籍詳細:運動器疾患臨床ガイドブック
診断とリハビリテーションプロトコール

東北海道病院院長

薄井 正道(うすい まさみち) 監訳

東京北社会保険病院整形外科

北川 寛之(きたがわ ひろゆき) 監訳

Brent Brotzman(ぶらんと・ぶろつまん) 

Kevin Wilk(けびん・うぃるく) 

1版 A4変型判 上製ハードカバー 578頁 2005年04月20日発行

ISBN9784787813992

定価:本体23,000円+税
  

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経験的に行われているリハビリテーションプロトコールを整理・分 析し,実践の場で使いやすいように纏め上げた.不適切な術後リハ ビリテーション手技による瘢痕や拘縮の形成,治療途上の組織断裂 や機能喪失を避けるためのノウハウの集大成.運動器疾患の正しい 検査手技や分類システム,鑑別診断,治療方法,綿密に組み立てら れたリハビリテーションプロトコール.

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目次

■目次

第1章:手と手関節の損傷
 屈筋腱損傷
 バネ指(狭窄性屈筋腱腱鞘滑膜炎)
 深指屈筋腱剥離(Jersey Finger)
 伸筋腱損傷
 手の骨折と脱臼
 第5中手骨頚部骨折(ボクサー骨折)
 母指中手指節関節の尺側側副靱帯損傷
 神経圧迫症候群
 手根管症候群
 神経損傷
 神経麻痺に対するスプリント
 再接着
 関節形成術
 手関節病変
 舟状骨骨折
 橈骨遠位端骨折
 三角線維軟骨複合体損傷
 手関節のIntersection Syndrome
 背側と掌側の手根骨のガングリオン

第2章:肘の損傷
 評価
 内側側副靱帯(尺側側副靱帯)損傷
 肘での尺骨神経損傷(肘部管)
 投球動作を行う運動選手に生じた屈曲拘縮(伸展障害)の治療
 肘の基本的な運動プログラム(1日3回施行)
 肘脱臼の治療とリハビリテーション
 外上顆と内上顆
 橈骨頭単独骨折
 肘関節形成術
 肘頭滑液包炎
 外傷後の肘拘縮

第3章:肩の損傷
 背景
 肩のリハビリテーションの一般的な原則
 初診時の評価
 肩の痛みを評価するための病歴聴取の重要性
 肩の一般的なリハビリテーションの目標
 インピンジメント症候群
 頭上動作を行う運動選手の腱板炎
 腱板断裂
 肩不安定症
 凍結肩(癒着性関節包炎)
 肩関節形成術(置換)後のリハビリテーション上腕二頭筋腱の病変
 肩鎖関節の損傷
 肩甲骨の運動異常(Scapular Dyskinesis)

第4章:膝の損傷
 痛みを生じた膝:評価,診察,画像
 前十字靱帯損傷
 後十字靱帯損傷
 内側側副靱帯損傷
 半月板損傷
 膝蓋大腿関節病変
 膝蓋大腿関節の評価
 膝蓋腱断裂
 膝の関節軟骨に対する手技
 Baker''''s Cyst(膝窩嚢腫)
 膝蓋骨骨折

第5章:足部と足関節の損傷
 足関節捻挫
 慢性の足関節外側不安定性:足関節外側靱帯再建後のリハビリテーション
 踵下方の痛み(足底腱膜炎)
 アキレス腱機能不全
 後脛骨筋腱不全
 Metatarsalgia
 Hallaux Rigidus(強直母趾)
 第1中足趾節関節捻挫(Turf Toe)
 Morton神経腫(趾間神経腫)

第6章:下肢の関節症
 股関節症
 膝関節炎

第7章:特別な話題
 運動選手の膝屈筋損傷
 四頭筋の挫傷と打撲
 鼠径部痛
 受傷した運動選手に対する水中療法
 ランニング損傷
 ランナーのシンスプリン
 脳震盪後の競技復帰
 骨粗鬆症:評価,治療,運動

第8章:反射性交感神経性異栄養症
 病態生理
 疫学
 症状と徴候
 診断基準
 特別な患者のカテゴリー
 診断
 治療
 予後

第9章:腰部損傷
 定義と一般的な用語
 腰痛の発生率
 腰痛の評価でのレントゲン検査の偽陽性
 過去に考えられていた腰痛の危険因子
 腰痛患者(慢性)の復職状況の予測因子
 腰痛患者の評価
 腰痛の臨床的なエッセンス
 腰痛に対する理学療法アプローチ─伸展-屈曲に関するバイアス
 (bias)のまとめ

第10章:整形外科疾患のリハビリテーションで用いられる一般的な
 用語,方法,手技
 Kinematics(運動学)
 筋収縮に関する用語
 筋活動の用語
 リハビリテーションで用いられる治療手技
 リハビリテーションで用いられる物理療法

用語解説

索引




■リハビリテーションプロトコール目次
第1章:手と手関節の損傷
 Zone 1,2,3の屈筋腱損傷で,受傷直後あるいは遷延一次縫合を
 行った後の治療
 Zone 4と5の屈筋腱損傷に対し直後の修復または遷延一次修復後
 の早期運動
 Zone 1,2,3における屈筋腱損傷の即座のあるいは遷延一次修復
 後
 指示に従わない患者に対する,Zone 1〜5の屈筋腱損傷後の固定
 療法
 長母指屈筋腱断裂に対する早期運動療法
 長母指屈筋断裂に対する晩期運動療法
 遅延した腱修復に対する2段階での再建
 バネ指のコルチゾン注射または解離後
 Jersey Fingerの外科的修復後
 Jersey Finger損傷の分類(深指屈筋腱の剥離)
 Zone 1と2における陳旧性の伸筋腱損傷の治療とリハビリテーシ
 ョン
 Zone 4,5,6における伸筋腱の外科的修復後
 Zone 5の伸筋腱亜脱臼における外科的治療後
 Zone 7と8における伸筋腱損傷の外科的治療後
 長母指伸筋腱(母指)断裂修復後
 伸筋腱剥離術後
 中手骨あるいは指節骨骨折後
 近位指節間関節(PIP関節)掌側脱臼あるいは剥離骨折
 近位指節間(PIP)関節背側脱臼骨折後
 関節面の40 %以上含むPIP関節背側脱臼骨折後
 ボクサー骨折後
 母指中手基節関節の尺側側副靭帯の修復あるいは再建後
 開放での手根管開放術後
 円回内筋症候群の手術による除圧後
 手関節での尺骨神経管除圧術後
 橈骨神経管/後骨間神経症候群の除圧術後
 指神経修復後
 成人での再接着と血行再建
 Dupuytren拘縮,皮下腱膜切開
 関節拘縮に対する近位指節間(PIP)関節形成術
 中手指節(MCP)関節形成術
 側方角状変形を来した近位指節間関節形成術
 中間物挿入あるいはSling Suspension Arthroplasty
 舟状骨骨折の治療とリハビリテーション
 橈骨遠位端骨折後
 TFCCデブリドマン後
 TFCC断裂の修復後(月状三角骨ピンニングを伴うあるいは伴わな
 い)
 de Quervain腱鞘滑膜炎除圧後
 intersection syndromeの外科的な除圧後
 手関節ガングリオンの切除後

第2章:肘の損傷
 肘関節鏡後の後方に対するリハビリテーション(後方コンパート
 メントあるいは外反伸展overloadに対する手術)
 内側(尺側)側副靱帯損傷の保存療法
 慢性尺側側副靱帯損傷:自家移植腱を用いた再建後
 尺骨神経移行後
 関節鏡視下の肘関節解離術後
 肘脱臼後
 内上顆炎と外上顆炎に対する評価をもとにしたリハビリテーショ
 ン
 外上顆炎手術後
 内外上顆炎
 橈骨頭骨折後
 肘全置換術後

第3章:肩の損傷
 肩インピンジメントの保存的(非手術的)治療
 関節鏡視下肩峰下除圧術後─正常な腱板(鎖骨遠位の切除)
 関節鏡視下肩峰下除圧術と腱板部分的デブリドマン
 慢性の腱板断裂患者─保存的治療(非手術的)
 手術による腱板修復後
 タイプ1腱板修復術後(小から中断裂[1cm以下]に対する関節鏡
 補助下mini-open修復)
 タイプ2腱板修復術後(中から大断裂[1〜5cm]に対する関節鏡
 補助下mini-open修復)
 タイプ3腱板修復術後(大から広範囲断裂[5cm以上]に対する関
 節鏡補助下mini-open修復)
 投手に対するインターバル投球プログラム
 キャッチャー,内野手,外野手に対するインターバル投球プログ
 ラム
 テニス選手のインターバルプログラム
 ゴルフ選手のインターバルプログラム
 前方肩不安定症の非手術的な治療
 前方肩不安定の非手術的リハビリテーション
 前方安定化手術後
 開放での(Bankart)前方関節唇再建術後
 関節鏡視下での肩前方安定化手術後
 後方肩不安定症の非手術的なリハビリテーション
 後方Capsular Shift
 後方安定化術後
 多方向肩不安定症に対するOpen Inferior Capsular Shift術後
 多方向肩不安定症に対するThermal Capsulorrhaphy後
 頭上動作を行う運動選手の後天的な不安定に対するAnterior-
 Capsular Shift術後の速い(Accelerated)リハビリテーション
 プログラム
 一般的な整形外科患者に対するAnterior Capsular Shift術後の
 通常のリハビリテーション
 非外傷性先天性不安定に対するThermal-Assisted Capsulorraphy
 術後
 頭上動作を行う運動選手のThermal-Assisted Anterior-
 Capsulorrhaphy術後
 凍結肩(癒着性関節包炎)
 肩関節形成術後
 全肩関節形成術後(腱板組織が欠損している患者群)
 Type 2 SLAP Lesionの関節鏡視下修復後
 Type 1あるいは3 SLAP lesionおよび/または部分的な腱板のデブ
 リドマン後(腱板修復は行っていない)
 近位の二頭筋腱の修復(二頭筋長頭腱の完全断裂)
 遠位の二頭筋腱の修復後(肘での)
 肩鎖関節損傷
 生体吸収性素材を用いた肩鎖関節安定化術後
 肩甲骨の運動異常(Scapular Dyskinesis)

第4章:膝の損傷
 女性スポーツ選手の前十字靱帯損傷を防止するためのジャンプト
 レーニングプログラム
 女性の前十字靱帯再建後のEight Specific運動
 前十字靱帯再建後の機能トレーニングのガイドライン
 前十字靱帯再建後
 前十字靱帯再建後
 膝蓋腱中央1/3を用いた前十字靱帯再建後の,進行を速めたリハ
 ビリテーション
 前十字靱帯再建後のリハビリテーションのガイドラインの追加
 同側の自家膝蓋腱移植を使用した前十字靱帯再建後
 後十字靱帯損傷後の非手術的な治療
 後十字靱帯再建術後
 Two-Tunnel Graft手技による後十字靱帯再建後
 後十字靱帯と後外側構造(二頭筋腱固定)の複合再建術後
 後十字靱帯と前十字靱帯複合再建術後
 内側側副靱帯単独損傷
 内側側副靱帯損傷後のリハビリテーション
 内側側副靱帯単独損傷
 関節鏡視下での内側あるいは外側半月板部分切除術後
 半月板修復後の速い(accelerated)リハビリテーション
 半月板修復後
 反復性(急性ではない)膝蓋骨不安定(外側)の非手術的治療の
 一般的なガイドライン
 McConnell膝蓋骨テーピング手技
 McConnellテーピングの原則
 Patellofemoral Compression Syndromes: Excessive Lateral-
 Pressure Syndrome(ELPS)とGlobal Patellar Pressure-
 Syndrome(GPPS)
 初回の急性膝蓋骨外側脱臼後
 外側支帯解離術後
 外側支帯解離術後
 膝蓋骨遠位および/または近位の膝蓋骨アライメント矯正手術
 膝蓋大腿の遠位でのアライメント矯正術後
 膝蓋腱炎
 ランナーのIliotibial Band Friction Syndrome
 急性片側性膝蓋腱断裂修復後の概略
 急性片側性の膝蓋腱断裂修復後
 関節軟骨手術後
 膝蓋骨骨折の非手術的治療
 膝蓋骨骨折を観血的整復と内固定術を行った後

第5章:足部と足関節の損傷
 足関節捻挫後(外側側副靱帯)
 Brostrom変法による足関節靱帯再建術後
 足底腱膜炎の治療
 足底腱膜断裂後
 アキレス腱周囲炎の治療
 アキレス腱tendinosisデブリドマン後
 高負荷の競技者での,アキレス腱炎,アキレス腱周囲炎,
 tendinosisの一般的なガイドライン
 運動選手に生じた急性のアキレス腱断裂の手術的修復後
 強直母趾の非手術療法
 強直母趾cheilectomy後(背側骨棘切除)
 Turf Toeの治療
 Morton神経腫切除後
 Morton神経腫(趾間神経腫)の初期保存療法

第6章:下肢の関節症
 股関節全置換術後−後方アプローチ
 下肢の関節症を生じた患者の,手術あるいは非手術的な治療のア
 ルゴリズム(股関節または膝関節)
 全膝関節形成術−進行の早い(accelerated)術後リハビリテー
 ションプロトコール
 全膝関節形成術後

第7章:特別な話題
 膝屈筋損傷の治療
 四頭筋損傷(あるいは断裂)の治療
 四頭筋打撲
 鼠径部(内転筋)挫傷後
 下肢を受傷した運動選手の深水中でのトレーニング
 シンスプリント

第9章:腰部損傷
 急性腰痛

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序文

原著序文

 Clinical Orthopaedic Rehabilitation第2版を出版するにあたっ
てわれわれが目標としたことは,筋骨格に関わる開業医が用いるこ
とのできる情報の範囲を広げることであった.この増補は,理学療
法士,整形外科医,家庭医,スポーツトレーナー,カイロプラクテ
ィックその他の筋骨格病変を治療する人々にとって有用なものとな
るはずである.
 われわれは,多く認められる筋骨格の病変に関する正しい検査手
技や分類システム,鑑別診断,治療方法,リハビリテーションプロ
トコールを提供するように努めた.たとえば,手関節のde Quervain
腱鞘滑膜炎を疑った医師は,この本によって容易に適切な検査や鑑
別診断,治療方法,リハビリテーションプロトコールを見つけるこ
とができる.
 整形外科手術手技や骨折急性期の処置を述べている文献は包括的
で信頼できるものであるが,非手術的な治療あるいは術後リハビリ
テーション治療に関する情報は比較的少ない.リハビリテーション
による治療が手術と同等あるいはそれ以上に長期的な結果に影響を
与えるにもかかわらず,それに関する情報が少ない.手技的にすば
らしい手術であっても,不適切な術後リハビリテーション手技によ
って瘢痕や拘縮の形成,治癒途中の組織の断裂や機能喪失を来す.
 現在のリハビリテーションプロトコールの多くは経験的に行われ
ている.これらは,多くの患者に対して数年間にわたる失敗が繰り
返されて作られてきた.リハビリテーションプロトコールは,臨床
研究とバイオメカニクスの研究によって将来改善されるだろう.現
時点では,この教科書で述べる原則が多くの整形外科医とセラピス
トに受け入れられているものである.
 開業医が整形外科的な病変に対して,正確な検査を行い,効果的
な治療法を考え,有効なリハビリテーションを行うために,本書が
簡明かつ有益なガイドとなることを期待する.



日本語序文

 運動器の病変を扱う整形外科にとって,リハビリテーションの重
要性は明らかである.しかし,リハビリテーションを行うには書面
あるいは口頭での指導だけでは難しいため,実際に行って指導する
セラピストが必要とされる.また,術後の急性期では患者自身がリ
ハビリテーションを行うことは不可能であり,知識と技術に優れた
セラピストが行うことが,治療成績に大きな影響を与える.整形外
科の治療において,医師とセラピストの連携は不可欠である.整形
外科の進歩に伴い,医師はもちろんのことリハビリテーションのセ
ラピストも,要求される知識と技術が飛躍的に増大している.
 クリニックでは多数の患者に対してセラピストだけでは対応でき
ず,医師にリハビリテーション的な知識や手技が要求されることも
少なくない.また,健康維持に対する運動の有用性が認められてお
り,安全で効果的な運動に関して医師が指導を行わなければならな
い場面も増えてきた.
 このような状況で,本書は医師とセラピストの両方に有用な情報
を提供してくれるものと確信している.本書は術後のリハビリテー
ションだけではなく,保存療法や診断までもカバーしている.医師
とセラピストが共同して治療を行っていくうえで,共通の認識を得
るのに有用である.セラピストにとって診断や治療方法の選択は従
来あまり要求されないことであり,医師にとって体操や運動の具体
的な方法や生活指導はあまり得意なものではないだろう.本書はこ
の両方についてバランスよく記されており,診断から治療,生活指
導までひと通り理解することができる.
 訳語については整形外科学用語集(日本整形外科学会編)に従っ
て,できる限り平易となるように努力した.しかし,特にスポーツ
関係の用語にはカタカナ英語としてそのまま用いられているものも
あり,読者が検索することを考えて英語のままとしたものがある.
われわれの力不足もあり,微妙なニュアンスが表現できていない点
もあるだろう.ぜひこの本を手がかりに原著をもお読みいただきた
い.
 忙しい合間をぬって翻訳に協力してくれた理学療法士,作業療法
士,また出版に当たってご尽力いただいた診断と治療社に感謝する.

2005年3月
監訳者