10年間大好評を博した超ロングセラー本の大幅増頁かつ全面改訂版.入局したその日から,臨床現場で直ちに役立つプラクティカルな最新知見を噛み砕いて盛り込んだ内容に一新するとともに,さらに若手医師のニーズに応えて一層の使いやすさを目指した.また専門医取得の直前にざっと復習するのにも最適の内容となっている.
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目次
改訂第2版の序文 臼井正彦
初版の序文 臼井正彦/坪田一男
執筆者一覧
口絵カラー
A 症候
B 疾患及び所見
C 検査
D 処置
E 付録
索引
和文索引
英文索引
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序文
改訂第2版の序文
10年ひと昔,とはよくいったものである.1998年に『眼科診療便利手帖』の初版を発行して以来,光陰矢の如くで,またたく間に10年が経過しようとしている.
この間の眼科診療の進歩はめざましく,新しい疾患概念,検査・診断法および治療法が次々に生まれてきた.
この『眼科診療便利手帖』は,初版刊行以来,多くの眼科研修医の皆様に活用していただき,研修に診療によき友としての評価をいただいてきた.しかし,約10年の歳月が過ぎた今日,やはり内容的に多少色あせて古くなったといわざるをえなくなった.そこで執筆者の先生方のご協力を得て,全面的に見直し,新しく改訂することとした.
今回,この改訂版では日常よく遭遇する疾患を追加し,また口絵カラーを増やし,処置法,付録における使用薬物なども現状に合わせて,より実践的な知識を満載した『便利手帖』に改訂した.
さらに,一つ一つの項目は眼科専門医試験の要項に照らし合わせたし,用語も日本眼科学会(編)『眼科用語集』に準拠させた.したがって,研修中の眼科志望の医師のみならず専門医試験を控えている眼科医においても,日頃からこの『便利手帖』を白衣のポケットに忍ばせて活用していただきたいと思う.
そして,さらに,専門医試験直前の1週間にこの小冊を読破することにより眼科診療の知識を整理するならば,必ずや目的を達成できると自負している次第である.
今回,この改訂版では,携帯にさらに便利になるように工夫を凝らし,表紙の裏面にはポケットを作製したので,メモや名刺などを入れる場所として使っていただきたいと思っている.
この改訂第2版の『眼科診療便利手帖』が眼科診療の場でさらに活用され,診療のよき友になることを心から願っている.
最後に,初版刊行のときにもご尽力いただき,今回の改訂にあたってもご協力いただいた診断と治療社 編集部部長の小岡明裕氏,並びに編集製作実務を担当していただいた寺町多恵子氏に,この場を借りて御礼を申し上げる次第である.
2007年盛夏
監修者・編集者代表 臼井正彦
初版の序文
“ちょっと調べてみたい.あれ,何だったっけ?”
忙しい外来,病棟を担当している眼科の研修医(レジデント),助手,フェローの先生にはなかなか机に向かって本をあける時間もないのが現実だ.今調べようと思っても手もとに本がなければついおっくうになる.“あとで調べよう”と思っていても,ついつい忘れてしまう.気づいたらもう次の日だったという経験をもっている先生も多いだろう.
でも患者さんの治療に対しては知識は絶対欠かせない.またひとつひとつの臨床経験を自分の“生きた知識”に結びつけてこそ優秀な臨床医になれる.当然眼科専門医への準備になることはいうまでもない.
そこで本書は,忙しい眼科医局員が短時間で十分な知識を得られるように作成したポケット眼科ブックである.日々の臨床ですぐに使えるようにいろいろ工夫した.大きな特徴は以下の点である.
(1) 重要な項目はすべて網羅.
(2) わかりやすく,かゆいところに手の届く平易な記載.
(3) イラストや表を駆使したので,整理された知識が短時間で身につく.
(4) 余白として自分自身のパーソナルな書き込みのできるページがある.
(5) いつも白衣のポケットに入れてリアルタイムでみることができる.
この本は知識の便利手帖である.深い知識は教科書をひもといてほしいが,今,臨床のその場で使えるものとして便利である.今経験した症例,今自分が入る手術の基本的知識はこれでカバーできる.臨床の質が上がるし,自分の力量も上がる.ちょっとした知識も,つもりつもると大きな自分の財産になることは明らかだ.
是非この『眼科診療便利手帖』を使いこなして,充実した研修時代を送ってほしい.まさにこの本は一生懸命研修を行う若い眼科医のために書かれた本なのである.君のために作ったのだ.
1998年7月
東京医科大学眼科教授 臼井正彦
東京歯科大学眼科教授 坪田一男