HOME > 書籍詳細

書籍詳細

有機酸代謝異常ガイドブック診断と治療社 | 書籍詳細:有機酸代謝異常ガイドブック
GC/MSデータの読みかた・活かしかた

島根大学医学部小児科学教授

山口 清次(やまぐち せいじ) 編著

初版 B5判 並製 208頁 2011年06月01日発行

ISBN9784787818546

定価:本体5,500円+税
  

ご覧になるためにはAdobe Flash Player® が必要です  


今後,開始されるであろう新生児タンデムマス・スクリーニングによって増加が予想される有機酸代謝異常症の診断に必携の1冊.スクリーニング後の確定診断に必要となるGC/MSデータの読みかたから有機酸代謝異常症の診断への活かしかた・アプローチ法,さらにタンデムマスとの関連を,臨床医の視点からわかりやすく解説.さらに,有機酸代謝異常症の疾患をコンパクトにまとめ,GC/MSで診断できるおもな疾患一覧と,有機酸から考えられる疾患・病態一覧, GC/MS分析・研究にも役立つ実際の分析例および130のマススペクトルも掲載した.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

目次

診断に役立つ臨床検査マーカー 前見返し
序文
執筆者一覧

本書活用のための基礎知識
GC/MS分析で診断できるおもな疾患一覧 山口清次
有機酸から考えられる疾患・病態一覧 山口清次,中川勝博
カルボン酸類(有機酸・脂肪酸)の呼称 山口清次
本書で使用される略語一覧 山口清次

第Ⅰ章
有機酸代謝異常-総論
有機酸代謝異常の概要 山口清次
臨床所見 山口清次
臨床チェック項目 山口清次
有機酸・脂肪酸代謝異常症の治療 山口清次
治療に使用される薬剤 山口清次
GC/MS分析でみられるその他の異常 山口清次
タンデムマスによる代謝スクリーニング 重松陽介
タンデムマスとGC/MSの比較 山口清次
異化と同化とシックデイ 山口清次

第Ⅱ章
有機酸代謝異常の生化学診断
有機酸代謝異常症の診断の流れ 山口清次
異常有機酸の生成される機序 山口清次
GC/MS分析による生化学診断の原理 山口清次
GC/MSデータのみかた 山口清次
 例1  βケトチオラーゼ欠損症
 例2  プロピオン酸血症
 例3  マルチプルカルボキシラーゼ欠損症
 例4  イソ吉草酸血症(安定期)
 例5  イソ吉草酸血症(増悪期)
 例6  メープルシロップ尿症
 例7  尿素回路異常症(OTC欠損症疑い)
化合物名,誘導体化合物の表記法 川名修一

第Ⅲ章
おもな疾患と代謝プロフィールの読みかた
1 メチルマロン酸血症 小林弘典
1-1 ビタミンB12反応性メチルマロン酸血症 虫本雄一
1-2 メチルマロン酸尿を認める疾患 小林弘典,山口清次
2 プロピオン酸血症 山口清次
3 βケトチオラーゼ欠損症 深尾敏幸
4 イソ吉草酸血症 小林弘典
5 メチルクロトニルグリシン尿症 大浦敏博
6 マルチプルカルボキシラーゼ欠損症 大浦敏博
6-1 ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症 大浦敏博
6-2 ビオチニダーゼ欠損症 大浦敏博
7 3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸血症 虫本雄一
8 メチルグルタコン酸血症 大浦敏博
9 グルタル酸血症Ⅰ型 虫本雄一
10 グルタル酸血症Ⅱ型 虫本雄一
11 3-ヒドロキシイソ酪酸血症 深尾敏幸
12 5-オキソプロリン血症(ピログルタミン酸血症) 但馬 剛,佐倉伸夫
13 2-ヒドロキシグルタル酸血症 重松陽介
14 4-ヒドロキシ酪酸血症 但馬 剛,佐倉伸夫
15 メバロン酸血症 虫本雄一
16 グリセロール血症 佐倉伸夫
17 原発性高シュウ酸尿症Ⅰ型 高柳正樹
18 原発性高シュウ酸尿症Ⅱ型(L-グリセリン酸血症) 芳野 信
19 αケトアジピン酸血症 芳野 信
20 アルカプトン尿症 新宅治夫
21 オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症 芳野 信
21-1 その他の尿素回路異常症 伊藤哲哉
21-2 オロット酸尿症 伊藤哲哉
22 フェニルケトン尿症 新宅治夫
23 メープルシロップ尿症 遠藤文夫
24 高チロシン血症Ⅰ型 遠藤文夫
25 中鎖アシル-CoA脱水素酵素(MCAD)欠損症 松原洋一
26 Canavan病 松原洋一
27 高乳酸血症 大竹 明,山口清次
28 高乳酸血症:呼吸鎖異常症 大竹 明
29 ケトン体代謝異常 深尾敏幸
30 ジカルボン酸尿症 山口清次
31 ケトン性ジカルボン酸尿症 渡邊宏雄,深尾敏幸
32 非ケトン性ジカルボン酸尿症 渡邊宏雄,深尾敏幸
33 3-ヒドロキシジカルボン酸尿症 渡邊宏雄,深尾敏幸
34 ビタミンB1欠乏症(かっけ) 長谷川有紀
35 フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ欠損症 重松陽介
36 ペルオキシソーム病・Zellweger症候群 山口清次
37 プリン・ピリミジン代謝異常 伊藤哲哉
38 バルプロ酸投与 中島葉子,伊藤哲哉
39 その他の薬物,食事の影響 長谷川有紀

第Ⅳ章
GC/MS分析の実際
GC/MS分析の流れ 川名修一
尿中有機酸の前処理法(溶媒抽出法と直接乾燥法) 川名修一
有機酸の誘導体化法 川名修一
GC/MSの原理と分析条件 中川勝博
メチレンユニット 中川勝博

付録
おもな有機酸マススペクトル 山口清次,長谷川有紀,中川勝博,川名修一
有機酸(TMS誘導体)一覧(MU順) 川名修一
有機酸(TMS誘導体)一覧(ABC順) 川名修一
有機酸・アミノ酸・糖類など(TBDMS誘導体)一覧(MU順) 川名修一
有機酸・アミノ酸・糖類など(TBDMS誘導体)一覧(ABC順) 川名修一

索引

編者略歴

ページの先頭へ戻る

序文

序 文

 有機酸代謝異常症,脂肪酸代謝異常症などが,GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)などによって簡単に診断されるようになり,患者数は年々増加している.これらは,ふだん正常に生活しながら,発熱,感染などを契機に急に自家中毒様発作をおこしたり,急性脳症様の症状を呈したり,あるいは突然死したりすることもある.また原因不明の発達遅滞,ミオパチー様の症状を示す患者もいる.いまや小児科のみならず,神経内科領域の日常診断の中でも念頭におくべき疾患となった.
 最近,「タンデムマス法を導入した新生児マススクリーニング」も普及しつつある.タンデムマス・スクリーニング時代になると,確定診断,治療評価,病態解析などのためにGC/MS検査はさらに重要になる.そこで,有機酸・脂肪酸代謝異常症の概要と診断へのアプローチ法,GC/MS分析の実際とデータの解釈のしかたに理解を深めていただくため本書を編集した.
 私は1982年頃から,GC/MSやタンデムマスを使って有機酸・脂肪酸代謝異常の研究をしてきたが,日本で同じ研究をしている人は少なかった.私と同年代で,長くこの領域で切磋琢磨してきた仲間を中心に,それぞれの得意とする疾患の解説をお願いした.また,本書に掲載した患者の分析データは,すべて島根大学で実際に分析し蓄積してきたものである.GC/MS分析データなどの編集は島根大学小児科スタッフ(長谷川有紀氏ら)や島津製作所スタッフ(中川勝博氏,川名修一氏ら)の多大な協力によるところが大きい.また,本書の編集,刊行に向けて多大なエネルギーを費やしてくれた診断と治療社の福島こず恵氏らに心より感謝したい.
 本書が,研修医,小児科医,内科医の日常診断に役立つものと期待している.また,代謝異常,臨床検査,遺伝生化学,法医学領域などの研究にも活かしていただければ幸いである.

平成23年春
島根大学医学部小児科教授 山口清次