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小児代謝疾患マニュアル 改訂第2版(原著第3版)診断と治療社 | 書籍詳細:小児代謝疾患マニュアル 改訂第2版(原著第3版)

チョッケ&ホフマン 原著

東北大学病院遺伝科教授

松原 洋一(まつばら よういち) 監訳

改訂第2版 B6判変型 並製 264頁 2013年02月01日発行

ISBN9784787819741

定価:本体3,800円+税
  

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先天代謝異常症では,様々な生化学的経路に数多くの疾患が存在するため,それらの診断と治療すべてに精通することは困難である.本書は,臨床医を対象にベッドサイドですぐに役立つ実践的な情報の提供を目的とし,あらゆる先天代謝異常症の診断・治療をコンパクトに凝縮した臨床マニュアル.6年ぶりの全面改訂
第1章は臨床所見・検査所見を中心に,その緊急処置,診断の進め方,治療,第2章は各代謝経路と関与する疾患の臨床的特徴,有用な診断方法,急性期の治療法,長期的管理などを記載.

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目次

訳者一覧 /急性症状のパターン・重要な検査所見 /訳者改訂第2版 序 /原著第3版 序・原著序文 /略語

第1章 代謝性疾患の診断と治療
 
A 必須基本臨床検査
B 一般的な臨床症候・検査所見
 1 代謝性救急疾患
 2 低血糖
 3 高アンモニア血症
 4 代謝性アシドーシスおよびケトーシス
 5 高乳酸
 6 知的障害
 7 代謝性(てんかん性)脳症
 8 フロッピーインファント
 9 運動不耐
 10 心筋症
 11 外表奇形
 12 肝疾患
 13 Reye様症候群
 14 乳児突然死
 15 剖検時の検査
 16 胎児水腫
 17 異常臨床所見
 18 異常臨床検査所見
 19 特別な代謝疾患検査を行う必要がないもの
C 特殊代謝検査
 1 簡便な尿代謝物の検査
 2 アミノ酸
 3 有機酸
 4 カルニチン分析
 5 その他の特殊な代謝物検査法
 6 生検と酵素学的検索
 7 分子遺伝学的解析
D 機能検査
 1 代謝のプロファイリング
 2 タンパク負荷試験
 3 グルコース負荷試験
 4 絶食試験
 5 グルカゴン負荷試験
 6 テトラヒドロビオプテリン(BH4)負荷試験
 7 フェニルアラニン負荷試験
 8 アロプリノール負荷試験
E 新生児スクリーニング
 1 先天代謝異常症における新生児スクリーニング
 2 非代謝性疾患に対する新生児スクリーニング

第2章 代謝経路とその疾患
 
A アミノ酸およびタンパク質の代謝
 1 治療の原則
 2 尿素サイクル異常症と遺伝性高アンモニア血症
 3 有機酸尿症
 4 有機酸尿症に分類されない分枝鎖アミノ酸代謝異常症
 5 フェニルアラニン・チロシン代謝異常症
 6 含硫アミノ酸代謝異常症
 7 ヒスチジン・トリプトファン・リジン代謝異常症
 8 セリン・グリシン・グリセリン酸代謝異常症
 9 オルニチン・プロリン・ヒドロキシプロリン代謝異常症
 10 アミノ酸輸送障害
 11 その他のアミノ酸代謝異常症
 12 γ-グルタミル回路異常症
 13 ペプチド代謝異常症
B 炭水化物代謝
 1 ガラクトース・フルクトース代謝異常症
 2 糖新生系異常症
 3 糖原病
 4 グリセロール代謝異常症
 5 ペントース(五炭糖)代謝異常症
 6 グルコース輸送異常症
 7 先天性高インスリン血症
C 脂肪酸とケトン体代謝
 1 脂肪酸酸化およびケトン産生系の異常症
 2 ケトン体分解異常症
D エネルギー代謝
 1 ピルビン酸代謝とKrebs回路
 2 ミトコンドリア呼吸鎖異常症
 3 クレアチン合成異常症
E プリン・ピリミジン代謝
 1 プリン代謝異常症
 2 ピリミジン代謝異常症
 3 その他のヌクレオチド代謝異常症
F ステロール代謝
 1 ステロール生合成異常症
 2 胆汁酸生合成異常症
G ポルフィリンとヘム代謝
H リポタンパク代謝
 1 高コレステロール血症
 2 高中性脂肪血症
 3 混合型高脂血症
 4 HDL代謝異常症
 5 LDLコレステロールおよび中性脂肪の低下をきたす疾患
I リソソーム代謝
 1 ムコ多糖症
 2 オリゴ糖症
 3 スフィンゴリピドーシス
 4 神経セロイドリポフスチン症
 5 リソソーム膜の転送障害
 6 その他のリソソーム病
J ペルオキシソーム代謝
K タンパク質グリコシル化(糖化)
 1 先天性グリコシル化(糖化)異常症
L 神経伝達物質
 1 生体アミン代謝異常症
 2 GABA代謝異常症
 3 その他の神経伝達物質異常症
M ビタミンおよび(非タンパク性)補因子の代謝
 1 コバラミンの吸収・輸送・代謝異常症
 2 葉酸の代謝・輸送障害
 3 ビオチン代謝異常症
 4 ピリドキシン代謝異常症
 5 その他のビタミン代謝異常症
N 微量元素・金属代謝異常
 1 銅代謝異常症
 2 鉄代謝異常症
 3 その他の微量元素・金属の代謝異常症
O その他の代謝経路
補  遺
 1 役に立つインターネット情報
 2 絶食中の遊離脂肪酸および3-ヒドロキシ酪酸
 (年齢別正常値)
索  引

特殊な救急医薬品
救急医薬品

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序文

訳者改訂第2版 序
 本書の原著名Vademecum Metabolicumを直訳すると「代謝必携」となる.その文字通り,これまで10か国語に翻訳され世界各国で活用されている.国内外には他にも先天代謝異常に関する優れた教科書やマニュアルがあるが,白衣のポケットに入れて携帯し,ベッドサイドで活用できるものは本書をおいてない.また,簡潔にして実践的なマニュアル本でありながら,随所に著者らの「哲学」が感じられる名著である.私たちは2006年に最初の邦訳本を刊行したが,幸い多くの読者の支持を得ることができた.今回,原著の大幅な改訂(原著第3版)に伴い,新たな邦訳(改訂第2版)にその内容を反映させた.
 前版では,東北大学病院の遺伝科および小児科のスタッフと大学院生が翻訳を行った.今回の新しい版では,前版をベースにして主に小松崎匠子博士(現在,原著者の一人であるハイデルベルク大学小児科のホフマン教授のもとで臨床研修中)が改訂訳を担当し,松原が全体的な校閲を行った.わが国での薬剤承認状況については,大浦敏博博士(現・仙台市立病院小児科,東北大学臨床教授)の校閲を得た.細心の注意を払って推敲を重ねたつもりではあるが,誤謬に気づかれた場合はぜひお知らせいただきたい.また,薬剤の使用量については念のため成書や文献も併せて参照されたい.
 本書が,代謝疾患を専門とする医師のみならずわが国の多くの医師にとって必携となり,ベッドサイドで活用されるとともに,多くの患者さんにとって福音となることを願っている.
 最後に,編集を担当していただいた診断と治療社編集部の堀江康弘氏,荻上文夫氏に厚く御礼申し上げます.
 2013年 仙台にて
 訳者を代表して
 松原洋一

原著第3版 序
Vademecum Metabolicum(原著書名)第3版に前書きを執筆することをうれしく思う.このたいへん有用な本書は,これまでにドイツ語,英語,フランス語,イタリア語,ハンガリー語,ポルトガル語,日本語などの多くの言語に翻訳されている.本書が取り扱う範囲は,先天代謝異常症の分野とともに成長し続けてきた.それと同時に,刊行当初の目標を遵守し,代謝異常症の診断における系統的なアプローチを提供してきた.本書は今でも白衣のポケットに収まる大きさで,小児科や遺伝科の研修医に愛用されている.改訂によってその内容は最新のものとなり,とくに糖化異常,神経伝達物質異常,ビタミン代謝異常について大きく刷新されている.多くの表にまとめられた体裁は,読者が論理的に診断を進めることができるようになっている.薬用量を含む適切な治療が記載されており,遺伝性代謝疾患の種々の診断と治療における均整の取れたアプローチに役立つであろう.
 William L. Nyhan, MD, PhD
 University of California, San Diego, USA


原著序文
 先天代謝異常症は,そのすべてを合わせると約500人に1人の新生児が罹患するが,医師・小児科医にとって対処が難しい疾患群である.患児はしばしば急に発症し生命の危機にさらされるため,直ちに専門的な治療介入が必要となる.患児のその後の発達と予後は,いかに迅速かつ有効な治療が行われるかにかかっている.しかし,様々な生化学的経路における数多くの遺伝的異常が存在するため,あらゆる診断方法と特異的な治療法に通暁することは困難である.このことを念頭に,本書では臨床医に実際的な手引きを提供することを目的としている.
 この第3版(邦訳では第2版)では全面的な改訂と追加を施した.前版と同様に,第1章では代謝異常症の診断と治療を扱い,代謝疾患によって引き起こされる可能性のある臨床所見を述べた.実際的なガイドラインが詳細にわたって討議され,多くの国における標準治療が反映されている.第2章では各代謝経路とそれに関与する疾患を個別に記載したが,これらについては全面的な改訂を行い,近年明らかにされた数多くの疾患を追加した.以前の版と同様に,その疾患群全般にあてはまる臨床的特徴,有用な診断方法(基本的なものから特殊検査まで),急性期の治療法,長期的管理に重点を置いた.その疾患の臨床症状と診断検査法を理解するために必要と考えられるものについては,病態生化学をより詳しく記述した.疾患記載順は,代謝経路または疾患名称に拠った.
 本書に記載された疾患のほとんどはその遺伝的な原因が明らかにされており,それぞれの原因遺伝子を記載した.多くの代謝疾患ではすでに遺伝子解析が確定診断のための標準検査法として用いられていることから,本文全体を通じて,診断法の一つとしての遺伝子変異検索に関する文献は割愛した.疾患の遺伝形式は,特に記述がない限りすべて劣性遺伝形式をとっている.
 本書の前の版に協力していただいたMarius Duran (Amsterdam), James V. Leonard (London), Verena Peters (Heidelberg), Jan A. M. Smeitink (Nijmegen), Udo Wendel (Dusseldorf), Nicole Wolf (Amsterdam)の各氏に感謝したい.また以前から確固として変わらぬ支援をしていただいているMilupa社(Friedrichsdorf)のBeate Szczerbak博士にはお世話になった.親身に専門的なサポートをしてくれたSchattauer出版(Stuttgart)のClaudia Ganter, Birgit Heyny, Klaus Janschの各氏にも深く感謝する.
 インスブルックとハイデルベルクにて
 2011年8月
 Johannes Zschocke
 Georg F. Hoffmann