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書籍詳細

レジデント必修 症例でわかる小児科診療診断と治療社 | 書籍詳細:レジデント必修 症例でわかる小児科診療

東京医科歯科大学小児科

水谷 修紀 (みずたに しゅうき) 編集主幹

東京医科歯科大学小児科

鹿島田 健一 (かしまだ けんいち) 編集

東京医科歯科大学小児科

高木 正稔 (たかぎ まさとし) 編集

東京医科歯科大学小児科

土井 庄三郎 (どい しょうざぶろう) 編集

東京医科歯科大学小児科

森尾 友宏(もりお ともひろ) 編集

初版 B5判 並製 248頁 2014年01月15日発行

ISBN9784787820242

定価:本体5,000円+税

東京医科歯科大学を中心に10の病院から構成される御茶ノ水子ども医療総合ネットワーク.本書は,2005年より本ネットワークで開催されている小児医療セミナーで報告された300を超える症例のなかから,とくに教訓的で示唆に富んだ疾患を中心にまとめた症例集である.各症例の末尾には,症例や疾患のポイントがわかる専門家のエキスパートコメントを追記し,小児の日常診療にかかわる医師の座右の書となる1冊.

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目次

口絵カラー
刊行にあたって/御茶ノ水子ども医療総合ネットワークについて  水谷修紀
執筆者一覧
本書の見かた

Ⅰ 新生児
 1 新生児けいれんで発見された出血性脳梗塞  高澤玲子 
 2 選択的帝王切開で出生した直後に気管挿管が必要になったleaky lung syndrome  杉江 学
 4 喘鳴で発症した喉頭囊腫  菱山富之
 5 汎下垂体機能低下症を合併したGBS細菌性髄膜炎  榎本啓典
 6 予後不良の経過をたどった全身型新生児ヘルペス  西口康介
 7 非特異的な症状で発症した新生児大腸菌髄膜炎  遠藤明史
 8 急速に呼吸不全に至った新生児RS細気管支炎  倉信 大
Ⅱ 内分泌・代謝 
 1 頭痛,嘔吐で発症したBasedow病 金子節子
 2 体重減少を主訴に発見されたペットボトル症候群  松原洋平
 3 けいれん重積で発症した中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症  三村 尚
 4 生後2か月で発症した糖尿病  小野 真   
 5 けいれんを契機に発見されたビタミンD欠乏症  有路将平
Ⅲ 消化器
 1 上腸間膜動脈症候群の治療後,診断に至ったCrohn病  植田千里
 2 大量下血によりショックを呈したMeckel憩室  来住 修
 3 膵分泌性トリプシンインヒビター(SPINK1)遺伝子変異を認めた慢性膵炎  中村蓉子
 4 閉塞性黄疸をきたした遺伝性球状赤血球症  白井加奈子
Ⅳ 循環器
 1 虫垂炎術後に発症し,診断に苦慮した川崎病  櫻井牧人
 2 意識消失と心音の異常から発見された重症肺動脈性肺高血圧症  渡邉友博
 3 就寝時てんかん発作の合併と考えられていたQT延長症候群  渡部誠一
 4 尿量低下と傾眠傾向で発症した脚気衝心  小林賢司
 5 胎児期から頻脈を認めた新生児心房粗動  髙橋暁子
 6 経皮的心肺補助循環(PCPS)により救命し得た劇症型心筋炎  梶川優介
 7 遷延する発熱のみを主訴とした感染性心内膜炎  西岡正人
Ⅴ 感染症 
 1 意識障害,呼吸障害,播種性血管内凝固症候群を呈した腸チフス  鈴木奈都子
 2 胸腹部痛で発症し横紋筋融解症を合併した破傷風  白井謙太朗
 3 出生時仮死,出血傾向,肝脾腫を呈した先天性サイトメガロウイルス  朝田五郎
 4 副鼻腔炎に合併した硬膜外膿瘍  菊池絵梨子
 5 呼吸苦と下痢で発症した卵管卵巣膿瘍  岡田麻理
 6 呼吸管理と外科治療を要した咽後膿瘍・副咽頭間隙膿瘍  黒澤信行
 7 重篤な経過をたどったアデノウイルス7型肺炎  佐塚真帆
 8 多臓器障害をきたしたノロウイルス関連脳症  伊藤昌弘
 9 BCGワクチン接種後の大腿骨結核性骨髄炎  宮田理英
 10 マイコプラズマ感染症後に発症したBickerstaff脳幹脳炎  田代 良
 11 人工呼吸管理を要しLAMP法により診断された重症百日咳  山口洋平
 12 高度脱水で心肺停止に至ったロタウイルス胃腸炎  余湖直紀
 13 ヘルペス性歯肉口内炎後に前頸部腫脹を呈した急性化膿性甲状腺炎  寺内真理子
Ⅵ 免 疫
 1 非特異的な症候を示した重症複合免疫不全症  手束真理
 2 ミルクアレルギーで発症したWiskott-Aldrich症候群  大川哲平
Ⅶ アレルギー
 1 偽性低アルドステロン症I型様の病態を呈したアトピー性皮膚炎  柴田 幸
 2 急性腹症が先行したHenoch-Schönlein紫斑病  高澤 啓
 3 完全母乳栄養児に発症した新生児・乳児消化管アレルギー  足洗美穂
 4 アセトアミノフェン坐薬によるStevens-Johnson症候群  金井慎一
Ⅷ 膠原病
 1 胸痛を主訴に発見された全身性エリテマトーデス(SLE)  宇田川智宏
 2 下肢動脈閉塞にて発症した抗リン脂質抗体症候群  清原鋼二
 3 抗IL-6受容体抗体,トシリズマブの投与を行った全身型若年性特発性関節炎(sJIA) 辻田由喜  
Ⅸ 腎 臓
 1 新生児期の高血圧で発症した常染色体優性多発性囊胞腎(ADPKD)  大森多恵
 2 発熱,頭痛,嘔吐で発症した急性巣状性細菌性腎炎  森山剣光
 3 IgA腎症の経過中に紫斑が出現した紫斑病性腎炎  亀井宏一
 4 初回治療中に再発,腎機能障害を呈したネフローゼ症候群  田中絵里子
 5 胃腸炎罹患中に四肢の痺れと脱力を認めたGitelman症候群  岡田麻理
Ⅹ 血液・腫瘍
 1 異なる経過をたどった2例の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)  富澤大輔
 2 頸部痛と背部痛で発症した神経芽腫  今井雅子
 3 発熱,けいれんで発症したEBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症  満生紀子
 4 気管支喘息大発作との鑑別を要したリンパ腫  本間健一
 5 急激な経過をたどった特発性自己免疫性溶血性貧血  松村 雄
 6 遷延性下痢に伴った続発性ビタミンK欠乏症  滝島 茂
 7 腸重積で発症したBurkittリンパ腫  青木由貴
 8 重篤な肝障害を合併した一過性骨髄異常増殖症  長島彩子
Ⅺ 神 経
 1 卵巣奇形腫摘出により良好な転帰をたどった非ヘルペス性急性辺縁系脳炎  福屋吉史
 2 身体表現性障害を疑う経過が2か月先行した非ヘルペス性急性辺縁系脳炎  酢谷明人
 3 斜視で発症した重症筋無力症  奥津美夏
 4 転倒後に四肢・体幹の急性不全麻痺を呈した延髄梗塞  伊藤昌弘
 5 片麻痺を合併した肺炎球菌性髄膜炎  渡辺章充
 6 独歩獲得の遅れを唯一の症状・所見とした後頭蓋窩腫瘍  武井 陽
 7 溶連菌感染後に発症したステロイド不応性の急性散在性脳脊髄炎  中島啓介
 8 登校拒否となり,自閉傾向と診断されていた副腎白質ジストロフィー  関中佳奈子

索 引 

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序文

刊行にあたって

 御茶ノ水子ども医療総合ネットワークとして小児医療セミナーがはじまったのが平成17年3月12日のことでした.後期研修医がその指導者たちの熱心な指導を受けてそれぞれの施設から貴重な経験を報告してきました.平成25年の6月で第18回を迎え,報告された症例は300例を超えています.その中でもとくに教訓的で示唆に富んだ疾患を抜粋して1冊の本にまとめようという機運が盛り上がってきました.それぞれの症例の末尾には専門家のコメントを追加し,問題の本質がわかりやすくなるよう配慮しました.本症例集は小児科専門医をめざす後期研修医を対象にしていますが,初期研修医はもちろん,熟練した小児科医にとっても過去の経験を振り返り,知識を新たにするよいきっかけとなることを確信しています.それぞれの立場で座右の書としてご活用いただけると幸いです.

平成25年11月吉日

東京医科歯科大学小児科教授 水谷修紀




御茶ノ水子ども医療総合ネットワークについて

 東京医科歯科大学は初期研修医マッチング率がトップであることから,その教育レベルの高さが注目を浴びていますが,後期研修においても小児科のはたす役割の高さが評価されています.御茶ノ水子ども医療総合ネットワークは東京医科歯科大学を中心として10の病院から構成されています.本ネットワークは診療スタッフの質と量を総合的に勘案して,ネットワーク参加施設を認可しています.東京医科歯科大学と連携して後期研修医育成のために努力を惜しまない,熱意ある指導医が寝食を共にし,小児科医としての心と医療技術,科学的思考を伝授します.このようなネットワークの中で研修を積むことのメリットは,第一にプライマリーケアから一般小児医療を含む総合診療を幅広く体験できることにあるでしょう.第二に本ネットワークに属する医師数は150名を超え,今後も毎年10名以上のペースで増え続けることでしょう.ネットワークの中をローテーションすることで,これらの同僚と知り合えることは生涯の宝となります.小児科専門医取得後は次のステップとしてサブスペシャリティ専門医への道や大学院への進学がキャリアパスとして考えられます.
 専門研修制度が大きく変化しようとしています.東京医科歯科大学を基幹病院とした専門研修は,本ネットワークを中心に必要に応じて広く全国の小児科専門施設と連携することを推奨しています.御茶ノ水子ども医療総合ネットワークはさらに質的向上をめざして努力しています.今後の制度変化の中で変化しないものがあるとすれば,本ネットワークの中で培われる優れた科学的思考と豊かな小児科医人生でしょう.

平成25年11月吉日
御茶ノ水子ども医療総合ネットワーク代表 水谷修紀