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小児血液・腫瘍学診断と治療社 | 書籍詳細:小児血液・腫瘍学

日本小児血液・がん学会(にほんしょうにけつえき・がんがっかい) 編集

初版 B5判 並製 608頁 2015年11月27日発行

ISBN9784787820983

定価:本体13,000円+税
  

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小児血液・がん専門医制度の研修目標を網羅した項目について,各分野に精通した執筆者が詳しく解説し,専門医としての臨床に十分に活かせる実践的な内容となっている.そのため本書は,専門医を目指す小児科医のみならず,若手育成を担う中堅の指導医のスキル・メンテナンスにも対応でき,小児血液疾患,小児がんの診療にかかわるすべての医療者にとってよき座右の書となる1冊といえる.

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目次

口絵
序文
執筆者一覧
略語一覧

第Ⅰ部 総論
第1章 血液・造血器総論
 1 造血発生
  a.血球の産生・分化と造血幹細胞…海老原康博
  b.造血因子とサイトカイン…今井耕輔
  c.ES細胞,iPS細胞…梅田雄嗣
  d.造血と栄養:鉄・ビタミンなど…石黒 精
 2 血球の形態・機能
  a.赤血球…渡邉健一郎
  b.白血球…小林正夫,土居岳彦
  c.血小板…國島伸治
  d.骨髄とリンパ組織…森尾友宏
 3 止血・血栓に関連する血漿とその成分…足利朋子,瀧 正志
 4 血液・造血器疾患の疫学…小田 慈
 5 血液・造血器疾患のおもな症候と鑑別
  a.貧血…石黒 精
  b.出血傾向,血栓傾向…石黒 精
  c.リンパ節腫大,肝腫大,脾腫大…高橋浩之
  d.易感染性…原 寿郎
 6 血液・造血器疾患におけるおもな検査
  a.血球形態観察…長谷川大輔
  b.凝固・線溶系検査…髙橋大二郎
  c.血小板機能検査…國島伸治
  d.免疫学的検査…森尾友宏
  e.骨髄検査(骨髄穿刺,骨髄生検)…長谷川大輔
  f.染色体検査の基礎知識…滝 智彦
  g.造血不全に関する特殊検査…村松秀城

第2章 小児がん
A 小児がんにおける基礎と疫学
 1 疫学…瀧本哲也
 2 家族性腫瘍,遺伝性腫瘍…滝田順子
 3 がんの分子生物学…上條岳彦
 4 がんの細胞生物学…犬飼岳史
 5 がん免疫…高橋義行
B 小児がんにおける症候と臨床像
 1 造血器腫瘍…岡本康裕
 2 内臓固形腫瘍…松本公一
 3 骨軟部腫瘍…細野亜古
 4 脳・脊髄腫瘍…寺島慶太
C 小児がんの検査と診断
 1 腫瘍マーカー…木下義晶
 2 免疫学的診断…出口隆生
 3 染色体・遺伝子診断(造血器腫瘍)…今村俊彦
 4 染色体・遺伝子診断(固形腫瘍)…大喜多 肇
 5 病理診断(細胞診断,組織診断)…田中祐吉
 6 画像検査…桑島成子
D 小児がんにおける治療法
 〔抗がん化学療法〕
 1 化学療法の基礎と抗がん薬の分類…堀 浩樹
 2 抗がん薬各論
  a.アルキル化薬…柳澤隆昭
  b.代謝拮抗薬…堀 浩樹
  c.植物アルカロイド薬…澤田明久
  d.抗がん抗菌薬…工藤寿子
  e.プラチナ製剤…七野浩之
  f.分子標的薬…谷澤昭彦
  g.その他(ステロイドなど)…鬼頭敏幸
 〔外科治療〕
 1 脳腫瘍…隈部俊宏
 2 骨軟部腫瘍…尾﨑敏文,国定俊之
 3 内臓固形腫瘍…田尻達郎,文野誠久
 〔放射線治療〕
 1 放射線物理学・放射線生物学の基礎…野崎美和子
 2 放射線治療の種類と適応…藤  浩
 3 放射線治療の合併症…水本斉志
 〔細胞・遺伝子治療〕
   細胞・遺伝子治療…高橋義行

第3章 造血細胞移植
 1 小児造血細胞移植総論…加藤剛二
 2 小児における造血細胞移植の適応…橋井佳子
 3 ドナー/造血細胞の選択…井上雅美
 4 移植前治療…東 英一
 5 造血幹細胞採取など…矢部普正
 6 移植後早期合併症
  a.移植片対宿主病…田内久道
  b.生着不全…長澤正之
  c.移植に関連する感染症とその予防…小林良二
  d.感染症以外の早期合併症…佐藤 篤
 7 移植後晩期合併症…石田也寸志
 8 患者と家族への心理的サポート…塩原正明

第4章 支持療法
 1 がん救急(oncologic emergency)
  a.心,胸郭…米田光宏
  b.消化器…米田光宏
  c.神経(脳,脊髄)…柳澤隆昭
  d.代謝:腫瘍崩壊症候群など…湯坐有希
  e.血液異常…大曽根眞也
  f.泌尿器…木下義晶
 2 栄養療法…曺 英樹
 3 歯科・口腔ケア…河上智美
 4 静脈アクセス…田附裕子
 5 感染予防と治療
  a.標準感染予防…菊田 敦
  b.発熱性好中球減少症…福島啓太郎
  c.深在性真菌症…太田節雄
  d.ウイルス感染症…森口直彦
  e.予防接種…東 英一
 6 小児がん・血液診療の輸血
  a.輸血指針と製剤,輸血関連検査…小原 明
  b.輸血療法…梶原道子
  c.輸血副作用…峯岸正好

第5章 晩期合併症
 1 長期フォローアップ…石田也寸志
 2 各論
  a.神経・認知…大園秀一
  b.内分泌…石黒寛之
  c.心臓…前田美穂
  d.呼吸器…力石 健
  e.腎・泌尿器…早川 晶
  f.消化器…早川 晶
  g.感覚器(味覚・聴覚・視覚)…大園秀一
  h.口腔…河上智美
  i.筋・骨格・皮膚…堀 浩樹
  j.妊孕性…前田尚子
  k.二次がん…石田也寸志

第6章 緩和医療
   緩和医療
  a.痛みのアセスメントとさまざまな対処方法…天野功二
  b.終末期の症状への対応…多田羅竜平
  c.終末期の小児がん患者・家族の心理的サポート…天野功二
  d.在宅医療…天野功二
  e.医療者が行う遺族のグリーフケア…瀬藤乃理子

第7章 トータルケア
   トータルケア
  a.チーム医療…岩本彰太郎,駒田美弘
  b.説明と同意…末延聡一
  c.心理・社会的支援…大島淑夫
  d.学校・教育支援…副島尭史,上別府圭子
  e.療養環境…石田智美,三浦絵莉子
  f.家族支援…阿佐美百合子,小澤美和
  g.遺伝カウンセリング…田村智英子

第8章 倫理・研究
 1 医療倫理と研究倫理…藤本純一郎
 2 研究
  a.検体の保存,取り扱い方…滝 智彦
  b.生物統計・研究デザイン…樋之津史郎
  c.臨床試験…瀧本哲也
  d.研究論文の読み方…真部 淳
  e.論文発表・学会発表の仕方…真部 淳

第Ⅱ部 各論(疾患)
第1章 血液・造血器疾患
A 赤血球の異常
 1 鉄欠乏性貧血…前田美穂
 2 慢性疾患に伴う貧血…前田美穂
 3 再生不良性貧血…小島勢二
 4 遺伝性骨髄不全症候群…矢部みはる
 5 遺伝性溶血性貧血…澁谷 温
 6 異常ヘモグロビン症,サラセミア…山城安啓,服部幸夫
 7 新生児の貧血・多血…小阪嘉之
 8 自己免疫性溶血性貧血…澁谷 温
 9 その他の溶血性疾患…澁谷 温
 10 巨赤芽球性貧血…植田高弘
 11 出血性貧血…植田高弘
 12 その他の貧血疾患…植田高弘
 13 その他の赤血球疾患(赤血球増加症)…渡邉健一郎
B 白血球の異常
 1 好中球減少症…小林正夫,岡田 賢
 2 好中球/好酸球/好塩基球増加症…布井博幸
 3 単球,マクロファージ,樹状細胞…小池健一
C 免疫異常
 1 原発性免疫不全症
  a.T細胞性免疫不全…今井耕輔
  b.免疫不全を伴う特徴的症候群…笹原洋二
  c.B細胞不全…金兼弘和
  d.免疫調節障害:血液貪食症候群など…大賀正一
  e.食細胞機能異常:慢性肉芽腫症…西村豊樹,布井博幸
  f.自然免疫不全症・自己炎症性疾患…高田英俊
  g.先天性補体欠損症…原 寿郎
 2 続発性免疫不全症…佐藤典子,七野浩之
D 血小板と止血・血栓の異常
 1 血小板の異常
  a.血小板減少症…今泉益栄
  b.血小板増加症…高橋幸博
  c.血小板機能異常症…國島伸治
 2 凝固異常
  a.血友病(第VIII因子欠乏,第IX因子欠乏)…嶋 緑倫
  b.von Willebrand病…野上恵嗣
  c.その他の先天性凝固異常症…酒井道生
  d.後天性ビタミンK依存性凝固因子欠乏症…白幡 聡
  e.播種性血管内凝固…瀧 正志
  f.その他の後天性凝固異常症,血液凝固阻害物質…長江千愛
 3 血栓症と血栓性素因
  a.遺伝性血栓症(栓友病)…大賀正一
  b.後天性血栓性疾患…岡 敏明
  c.薬剤/感染症関連の後天性血栓症…小川千登世

第2章 小児がん
A 造血器腫瘍
 1 急性リンパ性白血病…康 勝好
 2 急性骨髄性白血病…足立壮一
 3 乳児白血病…石井榮一
 4 慢性骨髄性白血病…嶋田博之
 5 骨髄異形成症候群,骨髄増殖性疾患…真部 淳
 6 Down症候群に伴う血液腫瘍性疾患…伊藤悦朗
 7 非Hodgiknリンパ腫など…森 鉄也
 8 Hodgkinリンパ腫…古賀友紀
 9 リンパ増殖性疾患…高木正稔,金兼弘和
 10 組織球症
  a.Langerhans細胞組織球症…森本 哲
  b.Langerhans細胞組織球症以外の組織球症…石井榮一
B 固形腫瘍
 1 髄芽腫,中枢神経胚細胞腫,中枢神経原始神経外胚葉性腫瘍…原 純一
 2 神経膠腫,上衣腫,非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍,その他の腫瘍…柳澤隆昭
 3 網膜芽細胞腫…鈴木茂伸
 4 神経芽腫…家原知子
 5 肝腫瘍…檜山英三
 6 腎腫瘍…越永従道
 7 胚細胞腫瘍…黒田達夫
 8 骨肉腫…窪田大介,川井 章
 9 Ewing肉腫ファミリー腫瘍…陳 基明
 10 横紋筋肉腫などの軟部組織肉腫…細井 創,土屋邦彦
 11 その他の悪性腫瘍…大植孝治
 12 良性腫瘍,血管奇形…上原秀一郎

巻末資料
   日本小児血液・がん学会認定:専門医制度について…米田光宏

索 引

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序文

 待望のわが国初の小児血液・腫瘍学の教科書をここに上梓することができました.小児血液・腫瘍学は,赤血球,白血球,免疫,血小板,止血血栓の異常から,小児がんとよばれる腫瘍性疾患まで幅広い疾患領域にわたり,その基礎と臨床を含みます.なかでも小児がんはきわめて希少ながんの集まりであり,造血器腫瘍が約40%を占め,また,多くのがんで抗がん薬治療が行われ,全身管理を要することから,小児血液医が広く小児がん診療にかかわり,牽引することが求められています.そのようななか,2011年に日本小児血液学会と日本小児がん学会が統合されて日本小児血液・がん学会が設立されました.そして,小児血液・腫瘍性疾患の診療を専門とする優れた医師の育成と医療の質のさらなる向上を目指して小児血液・がん専門医制度が開始され,2015年4月に最初の小児血液・がん専門医128名,小児血液・がん指導医90名が誕生しました.小児がん認定外科医も94名が認定されています.
 専門医になるには,優れた指導医のもとで多くの患者さんの診療を経験し,よりよい医療を目指して症例の探求や臨床研究を行うことが求められ,その知識と技量の習得には,優れた教科書の存在が不可欠です.しかしながら,これまでわが国には,小児がんの教科書や著書はあるものの,小児血液疾患と小児がんを網羅した日本語の教科書はなく,専門医を目指す若手医師は,海外の教科書やそれぞれの専門書に頼るしかありませんでした.そのため,日本小児血液・がん学会では,専門医制度を実施するにあたり,そうした教科書の作成が長年の懸案となっていました.そのような折に,診断と治療社から小児血液・腫瘍学の教科書作成のお誘いを受け,学会の背中を押していただいたことで本書の上梓につなげることができたのは,まさに幸運でした.
 本書は,専門医制度の研修目標を網羅して項目立てを行い,学会評議員を中心に各分野に精通された方々にご執筆いただきました.当初の計画をはるかに超えて600ページに及ぶ大作となっており,まさに学会の総力をあげた賜物であり,小児血液・腫瘍学全体を網羅する教科書として充実した内容になっています.それゆえに,本書は,専門医を目指す小児科医のみならず,小児血液疾患,小児がんの診療にかかわるすべての医療者にとってよき座右の書となるものと思います.しかしながら,医学は日進月歩であり,最新の情報を提供するには,継続的な内容の更新が不可欠です.また,電子化など読者の利便性に配慮が必要かもしれません.今後,読者の皆様の忌憚のないご意見を拝聴してよりよい教科書に育てていきたいと考えています.
 最後に,本書を作成するにあたり,ご尽力いただいた編集主幹,領域編集担当の皆様,快くご執筆いただいた分担執筆者の皆様,そして,本書の企画・発刊に熱意をもって取り組んでいただいた診断と治療社の土橋幸代氏,八木澤 学氏に心から深謝申し上げます.

平成27年10月
日本小児血液・がん学会
理事長 堀部敬三