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そこが知りたい!在宅療養Q&A診断と治療社 | 書籍詳細:そこが知りたい!在宅療養Q&A
実践と多職種連携を深めるために

日本ホスピス・在宅ケア研究会 編集

谷田 憲俊(たにだ のりとし) 編集主幹

初版 B5判 並製 232頁 2014年07月14日発行

ISBN9784787821126

定価:本体2,800円+税
  

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「がん」「脳血管障害」「認知症」の3つの事例を紹介し,在宅療養に関わる様々な職種の疑問に答えている.「在宅療養利用者の希望に応えること」と「多職種連携」をキーワードとし,在宅療養の際に利用可能な制度や様々な専門職の紹介,利用者との効果的なコミュニケーション方法など幅広く網羅.円滑な多職種連携と満足度の高い在宅療養を実現し,在宅療養の明日を切り拓く決定版.

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目次

執筆者一覧  
プロローグ 谷田憲俊 

Q&Aで応える在宅療養のすべて
CASE 1 がん
Q1 期限付き予後告知は適切か 谷田憲俊  
Q2 達成不可能な希望への対応 谷田憲俊  
Q3 医療連携とは 寺嶋吉保 
Q4 患者と家族の不安への対応 中野朝恵  
Q5 がん患者の退院前カンファレンスの進め方 市橋正子  
Q6 がん患者介護の心構え 中野朝恵  
Q7 在宅療養時の鎮痛療法の留意点 矢津 剛 
Q8 痛み以外の症状へのケア 矢津 剛 
Q9 薬剤師の患者宅への訪問 章 尚美 
Q10 がん患者の要介護認定の留意点 浮田加奈子 
Q11 進行がん患者の社会生活 神村静雄 
Q12 がんサロンや患者会とは 藤田敦子 
Q13 病棟がん看護専門看護師の患者宅訪問 鈴木智子 
Q14 がん看護専門看護師の在宅ケア 濵本千春 
Q15 家族ケアの必要性 濵本千春 
Q16 ボランティアの役割 石口房子 
Q17 地域ボランティアの支援 藤田敦子 
Q18 補完療法とは 谷田憲俊 
Q19 24時間訪問看護,訪問診療の実情 松本京子 
Q20 介護力が弱いときや一人暮らしの患者をどう支えるか 石口房子 
Q21 がん患者介護の留意点 船越政江 
Q22 在宅療養の費用は月々どれほどか 藤井通子 
Q23 レスパイトケアとは 寺嶋吉保 
Q24 スピリチュアルケアの必要性は 谷田憲俊 
Q25 最期を迎えるところを決めるにあたっての支援 二ノ坂保喜 
Q26 終末期の飲食についてどう考えるか 谷田憲俊 
Q27 要介護認定の先取りは可能か 谷田憲俊 
Q28 在宅における看取りと臨終時の看護ケア 船越政江 
Q29 悲嘆ケアとは 中野朝恵 
Q30 ケア提供者へのケア 谷田憲俊 
解説 がん患者の在宅療養 矢津 剛 
◉CASE 1──理解を深めるための参考書

CASE 2 脳血管障害
Q1 高齢者への向精神薬処方の留意点 谷田憲俊  
Q2 脳卒中地域連携パスとは 大頭信義  
Q3 急性期,亜急性期と回復期医療とは 梅木雅彦
Q4 住宅改修とバリアフリー化,社会資源からの支援 田中洋三  
Q5 言語聴覚士から得られる支援 藤岡利幸  
Q6 脳卒中に対する抗血栓療法 大頭信義  
Q7 訪問リハビリテーションとは 柳澤秀明  
Q8 慢性疾患の在宅療養 船越政江  
Q9 家で介護する際の心構え 藤田敦子  
Q10 慢性疾患患者を抱える家族への心遣い 中山マキ子  
Q11 介護サービス関連施設の全体像を知りたい 谷田憲俊  
Q12 入浴サービスとは 関山真由美  
Q13 鍼灸やマッサージとは 沢村真治  
Q14 慢性疾患の在宅療養費はどれくらいか 藤井通子  
Q15 在宅療養における感染防御の留意点 谷田憲俊  
Q16 インフルエンザと肺炎のワクチンについて知りたい 谷田憲俊  
Q17 介護保険を有効に活用するには 鷲見よしみ  
Q18 妨げられずに在宅療養を続けるには 大頭信義  
Q19 患者の真意を得る方法は 大頭信義  
Q20 脳血管障害の訪問介護 関山真由美  
Q21 経皮内視鏡的胃ろう造設術の適応 梅木雅彦  
Q22 褥瘡の予防と治療 濵本千春  
Q23 口腔ケアとは 鷲見よしみ  
Q24 在宅栄養サポートチーム(在宅NST)の展開 長尾和宏  
Q25 施行中の医療によって異なる受け入れ施設 浮田加奈子  
Q26 障害者自立度と認知症自立度とは 田中洋三  
Q27 多職種多施設カンファレンスとは 田中洋三  
Q28 看取り介護加算とは 谷田憲俊  
解説 脳血管障害患者の在宅療養 大頭信義  
◉CASE 2──理解を深めるための参考書

CASE 3 認知症
Q1 認知症の早期診断 谷田憲俊  
Q2 コミュニケーションに留意することは 梁 勝則  
Q3 認知症患者に対する睡眠薬と抗不安薬 谷田憲俊  
Q4 認知症のスクリーニング 梁 勝則  
Q5 長谷川式簡易知能評価スケールとは 梁 勝則  
Q6 認知症の告知 梁 勝則  
Q7 認知症疾患医療センターとは 梁 勝則  
Q8 認知症の病型分類 梁 勝則  
Q9 認知症の治療薬 梁 勝則 
Q10 地域で見守りやボランティアの協力を得るには 長谷方人
Q11 認知症で起きる問題を介護保険の有効利用で解決するには 長谷方人 
Q12 デイサービスとショートステイを上手に利用するには 長谷方人 
Q13 「家に帰りたい」への対応 梁 勝則
Q14 異食症などの周辺症状 梁 勝則 
Q15 認知症の訪問介護 関山真由美 
Q16 事前指示とエンディングノート 二ノ坂保喜 
Q17 胃ろうの有益性と倫理的側面 谷田憲俊 
Q18 後見人制度とは 長谷方人 
Q19 「四六時中見張れ」という裁判所の命令について 長尾和宏 
Q20 認知症患者のための入所施設 梁 勝則 
Q21 緩和ケア施設の患者受入れの条件は 谷田憲俊 
Q22 家で看取る場合の留意点:臨終期ケア 谷田憲俊 
Q23 臨終期ケアの実践は 谷田憲俊 
Q24 認知症の訪問看護 石口房子 
Q25 死亡診断書に「老衰」と記してよいか 谷田憲俊
Q26 高齢者肺炎の診療に留意することは 谷田憲俊 
Q27 酸素を与えなくてよいのか 谷田憲俊 
Q28 長期介護をした家族への死別ケア 谷田憲俊 
Q29 故人の幻視や幻聴を覚える遺族には 谷田憲俊 
解説 認知症患者の在宅療養 梁 勝則 
◉CASE 3──理解を深めるための参考書

在宅療養の基礎と専門職のかかわり
1 在宅療養とは 長尾和宏 
2 在宅療養における介護保険と介護支援専門員 鷲見よしみ 
3 地域包括支援センターとは 鷲見よしみ 
4 在宅療養における医師の役割 梁 勝則 
5 在宅療養における看護師の役割 松本京子 
6 在宅療養における歯科の役割 林 成憲 
7 訪問薬剤師の役割 章 尚美 
8 訪問リハビリテーション 柳澤秀明 
9 在宅療養における介護士の役割 関山真由美 
10 在宅ホスピス(緩和ケア) 二ノ坂保喜 
11 事前指示(指定),倫理委員会とアドバンス・ケア・プランニング 二ノ坂保喜 
12 地域が支える在宅療養 秦 靖枝 
13 災害時の在宅療養 黒田裕子 
14 在宅療養における感染症対策 谷田憲俊 
15 在宅療養の倫理的側面 西村正二 
◉理解を深めるための参考書

エピローグ 谷田憲俊 
索引  
謝辞 谷田憲俊 

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序文

高齢社会を迎え,日本社会は否応なしに対応を迫られている.厚生労働省は医療と福祉,介護による地域包括ケアを推進し,多職種連携を軸として地域で対応するモデルを提唱している.それに応じて,それぞれ職能団体が地域包括ケアに対応する取り組みを提案した.一方で,よかった例,悪かった例も含めて,ケアを利用する側の経験も出版されたりインターネット上に公開されたりしている.
それらと各種調査結果から,在宅療養の利用者側が求めることは様々であること,それに対して提供者側の取り組みは専門職の見方に基づくことが多いとわかる.後者の提供者側は,時に互いの専門職の業務を十分に把握できないでいる.ここに「在宅療養利用者の希望に応えること」と「多職種連携」がキーワードとして浮かび上がる.それら両者の推進の必要性は叫ばれており,決して目新しいテーマではない.しかし,いまだ十分に達成されたとはいいがたい.
この本は,それらの必要性に応えるために企画された.日本ホスピス・在宅ケア研究会は,「終末期の医療とケア・在宅福祉サービスと看護・医療の問題を医療従事者・社会福祉従事者・市民・患者のみなさんが,同じ場で対等の立場で話し合い,そして互いに学ぶ場です」とうたっている.したがって,在宅療養においても現場の利用者目線を基本とし,支援を提供する専門職との間で協同して,いわば縦糸と横糸で成果を織りなすことができる場をもっている.
この本の目的は,患者や家族が在宅療養を望んだとき,その希望は叶えられることを示すことである.そのために,在宅療養中に困ったことを解決できる対応策を具体的に一冊に示してある.そのことは,入院・入所から自宅に戻るにあたり不安を覚える患者と家族にとって,心強い後押しとなり在宅療養への移行も円滑に進むと思われる.そこで,日頃から在宅療養推進の活動と実践にあたっている方々に,在宅療養を支援する姿勢を基本とする分担執筆をお願いした.それらは在宅療養を提供する側にとっても,互いに参照できる有用な情報になる.
編集にあたっては,原稿を編集者と執筆者が相互に参照し,必要ならば改訂を執筆者に依頼した.しかし,複雑で微妙な課題もあるだけに,議論と不一致点が残り得ることをご容赦願いたい.また,できるだけ「平易に記すこと」を旨としたが,専門職以外の方々にはむずかしいかもしれない.しかし,質問や疑問,問題意識をもっている方々には十分に理解できると思う.
この本は,在宅療養を利用する側と提供する側,つまり入院・入所・在宅患者とそれらの家族,医療・介護・福祉関係者,ボランティア,市民団体,ほか在宅療養に関心ある人々の在宅療養の実践に役立つであろう.そして,利用者側と提供者側がともに満足できる望ましい在宅療養が広まることを執筆者一同願っている.
2014年春

日本ホスピス・在宅ケア研究会
編集主幹:谷田憲俊
編集委員:蘆野吉和,石口房子,黒田裕子,大頭信義,田村 亮,ニノ坂保喜,矢津 剛,梁 勝則