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研修ノート

消化器研修ノート 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:消化器研修ノート 改訂第2版

自治医科大学学長

永井 良三 (ながい りょうぞう) シリーズ総監修

横浜市立大学肝胆膵消化器病学教授

中島 淳 (なかじま あつし) 責任編集

東邦大学医療センター大森病院消化器内科教授

五十嵐 良典 (いがらし よしのり) 編集

山梨大学医学部第一内科教授

榎本 信幸 (えのもと のぶゆき) 編集

防衛医科大学校内科学(消化器)教授

穂苅 量太(ほかり りょうた) 編集

改訂第2版 A5判 並製 708頁 2016年05月06日発行

ISBN9784787821355

定価:8,580円(本体価格7,800円+税)
  

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消化器内科後期研修医に求められる幅広い知識・手技の要点を一冊にまとめた書籍.消化器内科医に必須である内視鏡検査の項を充実させたほか,医師の心構えや将来展望,患者との接し方なども盛り込み,臨床現場でより“活きる”よう全面改訂を行った.随所に先輩医師の経験談を織り交ぜ,これから一医師として未来に活かせるエッセンスが満載.消化器病学の現在を捉え,未来を見据えるため,研修期間中はぜひ手元に置いておきたい.

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目次

第1章 消化器研修でのアドバイス
A これから消化器科医になる人へ
 1.これから消化器内科を目指す人へ  一瀬雅夫
B 研修の概要
 1.学会の情報  稲森正彦
 2.自身の感染防御戦略  満田年宏
 3.救急・当直業務  廣谷あかね
 4.後期研修医のライフスタイル・研修病院の選び方  加藤真吾
 5.復職支援,子どもを育てながら働くための工夫  村田依子
C 勉強の仕方
 1.消化器医師にとって研究とは何か  米田政志
 2.医学論文の読み方・書き方,文献検索の仕方  久松理一
 3.学会へ行こう  長沖祐子,茶山一彰
 4.認定内科医取得のための症例報告や剖検・手術報告の準備の仕方  綾木麻紀,正木 勉
 5.大学院(医学博士)・留学(研究・臨床)  森川賢一,坂本直哉
D 医療現場でのコミュニケーション
 1.挨拶  岡田倫明,江口有一郎
 2.インフォームドコンセント  中谷速男
 3.認知症患者と家族への対応  岩永明峰
 4.トラブル時の患者・家族対応,患者・家族からの暴言・暴力への対応  中谷速男
 5.医療チーム(メディカルスタッフとの関係)  日暮琢磨
 6.他科(特に消化器外科)の医師との関係  瓜田純久,渡辺利泰
 7.大学・病院医師と開業医との関係  岡本 晋
 8.指導医(上司)との関係  矢島知治

第2章 診療の進め方
 1.医療面接  稲森正彦
 2.身体診察  飯田 洋

第3章 症候からのアプローチ(救急を含む)
 1.食思不振  木下和久,乾 明夫
 2.体重減少  華井竜徳,清水雅仁
 3.胸やけ  星野慎太朗,岩切勝彦
 4.腹痛  勝又 諒,塩谷昭子
 5.悪心・嘔吐  加藤真吾
 6.嚥下障害  早坂健司
 7.便秘  中島 淳
 8.下痢  千葉俊美
 9.脱水  千葉俊美
 10.吐血  東納重隆
 11.下血  末包剛久,渡辺憲治
 12.貧血  平下有香,村上和成
 13.原因不明の消化管出血(OGIB)  遠藤宏樹,中島 淳
 14.腹部膨満・腹部膨隆  大久保秀則
 15.腹水  高村昌昭,寺井崇二
 16.腹部腫瘤  古賀風太,江口有一郎
 17.肝脾腫  浪崎 正,吉治仁志
 18.黄疸  滝川康裕

第4章 研修で学ぶべき知識と技術
A 検査・治療手技
 1.血液検査(末梢血検査),肝機能検査  西川太一朗,伊藤義人
 2.免疫学的検査(肝胆膵に関するもの)  山際 訓,寺井崇二
 3.肝炎ウイルスマーカー  田中靖人
 4.膵酵素,インヒビター  岩﨑 将,五十嵐良典
 5.腫瘍マーカー,腫瘍関連マーカー  菊池由宣,五十嵐良典
 6.便潜血検査,便培養検査  松永久幸,古庄精一
 7.Helicobacter pylori─感染診断・除菌─  森 英毅,鈴木秀和
 8.肛門・直腸指診  栗原浩幸,金井忠男
 9.胃管,イレウスチューブ挿入  細江直樹
 10.Sengstaken-Blakemore(S-B)チューブによる止血  村上匡人,國分茂博
 11.食道内圧検査,24時間食道・胃pHモニタリング  星野慎太朗,岩切勝彦
 12.血球成分除去療法  飯島英樹
 13.検体の出し方  酒井英嗣
 14.肝生検(経皮的・頸静脈的),腹腔鏡検査  阿部雅則,日浅陽一
 15.非侵襲的な肝線維化評価法  打田佐和子,河田則文
 16.腹水穿刺  久永拓郎,坂井田 功
 17.経皮的ドレナージ(胆道・膿瘍・囊胞)  権 勉成,前谷 容
 18.肝癌局所療法(RFA,PEIT)  建石良介
 19.肝動脈塞栓療法 / 肝動注化学療法  鳥村拓司,岩本英希
 20.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)  吉岡奈穂子,日野啓輔
 21.血漿交換と血液浄化療法  井上和明
 22.肝移植  宮明寿光,中尾一彦
B 内視鏡検査
 1.内視鏡検査─上部消化管  今枝博之
 2.内視鏡検査─下部内視鏡  水上 健
 3.小腸・バルーン内視鏡  大塚和朗
 4.ERCP  安田一朗,土井晋平
 5.色素内視鏡・画像強調観察  今城眞臣,池松弘朗
 6.超音波内視鏡─診断  田中麗奈,糸井隆夫
 7.超音波内視鏡─FNA・インターベンション  田中麗奈,糸井隆夫
 8.カプセル内視鏡  井上拓也,樋口和秀
 9.内視鏡的止血術  水島 健,加藤元嗣
 10.食道静脈瘤治療法(硬化療法,結紮術,APC)  石井成明,國分茂博
 11.消化管異物除去(食道・胃・直腸)  山本果奈
 12.内視鏡的ポリープ摘除術・粘膜切除術(EMR)  大塚隆文,五十嵐良典
 13.内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)  大塚隆文,五十嵐良典
 14.腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除術  利野 靖
 15.内視鏡的胆道ドレナージ・胆管ステント留置術  良沢昭銘
 16.内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST),内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD・EPLBD)  安田一朗,土井晋平
 17.経口胆道鏡・経口膵管鏡  岸本有為,五十嵐良典
 18.経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)  大久保秀則
 19.内視鏡的バルーン拡張術  遠藤 豊
 20.内視鏡的消化管ステント留置術  大久保正明,大宮直木
 21.抗血栓薬服用者のマネジメント  齋藤 格,藤城光弘
 22.内視鏡処置における鎮静薬  片岡陽佑,藤城光弘
C その他の画像検査
 1.X線検査─上部消化管・小腸  藤井俊光
 2.X線検査─下部消化管(CTコロノグラフィ)  竹内 健
 3.腹部超音波(エコー)検査  西村貴士,飯島尋子
 4.腹部CT検査  高田ひとみ,黒崎雅之
 5.MRI  熊野正士,村上卓道
 6.MRCP  酒井裕司,露口利夫
 7.腹部血管造影検査  桐越博之
 8.シンチグラフィ,PET  細野邦広
D 栄養・輸液
 1.栄養サポート  朝長元輔,江口有一郎
 2.経腸栄養  佐々木誠人
 3.高カロリー輸液・中心静脈栄養  河口貴昭

第5章 消化管疾患の診療
A 上部消化管
 1.GERD・NERD・食道炎  春日井邦夫
 2.Barrett食道と潰瘍  木下芳一,石村典久
 3.食道裂孔ヘルニア  河合 隆
 4.食道・胃静脈瘤  中村真一
 5.アカラシア  河村 修
 6.食道良性腫瘍  永原章仁
 7.食道穿孔(Boerhaave症候群)  堀内和樹,穂苅量太
 8.胃炎  下山 克
 9.胃・十二指腸潰瘍・吻合部潰瘍  下山 克
 10.胃良性腫瘍  澤木 明
 11.蛋白漏出性胃腸症・吸収不良症候群  穂苅量太,東山正明
 12.胃切除後症候群  瀬戸泰之
 13.Mallory-Weiss症候群  富田寿彦,三輪洋人
 14.functional dyspepsia(FD)  三輪洋人
 15.消化管の血管性病変,消化管angiectasia  辰口篤志,藤森俊二
 16.好酸球性胃腸炎  石川智士,松井敏幸
B 下部消化管
 1.感染性腸炎(抗菌薬関連腸炎を含む)  菅 智明
 2.虫垂炎  大渕康弘
 3.イレウス・腸重積  眞部紀明
 4.過敏性腸症候群  福土 審
 5.Crohn病  穂苅量太,好川謙一
 6.潰瘍性大腸炎  仲瀬裕志
 7.腸管Behçet病  遠藤宏樹,中島 淳
 8.腸結核  小宮靖彦
 9.NSAIDs関連腸炎  岡 志郎,田中信治
 10.microscopic colitis  松橋信行
 11.小腸腫瘍  松本主之
 12.上腸間膜動脈症候群(SMAS)  吉松亜希子,穂苅量太
 13.虚血性腸炎  藤澤信隆
 14.大腸憩室炎・大腸憩室出血  山田英司
 15.巨大結腸症,S状結腸軸捻転症,慢性偽性腸閉塞症  大久保秀則
 16.大腸ポリープ  永田 務,鶴田 修
 17.消化管ポリポーシス  渡辺知佳子,三浦総一郎,穂苅量太
 18.放射線性腸炎  飯島英樹
 19.痔核・痔瘻・裂肛,直腸脱・直腸潰瘍  味村俊樹

第6章 肝胆膵疾患の診療
A 肝臓
 1.急性肝炎(伝染性単核球症,サイトメガロウイルス感染症を含む)  八橋 弘
 2.劇症肝炎(急性肝不全)  持田 智
 3.B型慢性肝炎  田中榮司
 4.C型慢性肝炎  竹原徹郎
 5.肝硬変・肝不全  白木 亮,清水雅仁
 6.薬物性肝障害  田中 篤
 7.アルコール性肝障害  岩佐元雄,竹井謙之
 8.NAFLD・NASH  五十嵐悠一,徳重克年
 9.自己免疫性肝炎  大平弘正
 10.原発性胆汁性肝硬変  上野義之
 11.肝内胆汁うっ滞  乾 あやの,藤澤知雄
 12.代謝性肝疾患(ヘモクロマトーシス・Wilson病)  原田 大
 13.肝良性腫瘍  井戸章雄,馬渡誠一
 14.肝膿瘍,横隔膜下膿瘍  松田秀岳,中本安成
 15.門脈血行異常症(肝内血行異常)  赤星朋比古,橋爪 誠
B 胆道・膵臓
 1.胆石症  菅野啓司,田妻 進
 2.急性胆囊炎  露口利夫
 3.胆囊ポリープ・胆囊腺筋腫症  乾 和郎
 4.急性胆管炎  露口利夫
 5.総胆管結石  菅野啓司,田妻 進
 6.胆道腫瘍(十二指腸乳頭部腫瘍を含む)  良沢昭銘
 7.膵・胆管合流異常,先天性胆道拡張症  神澤輝実,千葉和朗
 8.原発性硬化性胆管炎  大原弘隆,中沢貴宏
 9.IgG4関連硬化性胆管炎  神澤輝実,来間佐和子
 10.急性膵炎  伊藤 謙,五十嵐良典
 11.慢性膵炎(膵石)  三村享彦,五十嵐良典
 12.自己免疫性膵炎  岡崎和一
 13.ERCP後膵炎  宅間健介,五十嵐良典
 14.膵囊胞性腫瘍  乾 和郎
 15.膵発生異常  原 精一,神澤輝実,五十嵐良典

第7章 悪性疾患の診療(がん・その他の悪性腫瘍)
 1.食道癌  梅沢翔太郎,中島 淳
 2.胃癌  後藤田卓志,草野 央
 3.胃癌以外の悪性腫瘍  野中 敬
 4.大腸癌  猪又寛子,炭山和毅
 5.消化管悪性リンパ腫  中村昌太郎
 6.消化管カルチノイド  小西 毅
 7.Lynch症候群  小林宏寿
 8.肝細胞癌  砂子阪 肇,金子周一
 9.転移性肝癌  今城健人,中島 淳
 10.胆囊癌  大田洋平,遠藤 格
 11.胆管癌  大田洋平,遠藤 格
 12.十二指腸乳頭部腫瘍  岡野直樹,五十嵐良典
 13.膵癌  伊佐山浩通
 14.膵神経内分泌腫瘍  尾阪将人,笹平直樹
 15.膵の非上皮性腫瘍  尾阪将人,笹平直樹
 16.がん患者とのコミュニケーション(告知)  日下部明彦
 17.化学療法  浜本康夫
 18.放射線治療  寺原敦朗
 19.がん緩和ケアと疼痛の薬物療法  馬渡弘典
 20.消化器癌の遺伝子診断・コンパニオン診断  西田直生志

第8章 知っておくべき知識と制度
 1.消化器診療に関する法律(医師と法律)  佐藤宏和,穂苅量太
 2.個人情報保護  成松和幸,穂苅量太
 3.医療事故  中谷速男
 4.医療保険制度・公費負担制度(身体障害認定・難病医療費助成・介護のための書類を含む)
  高城 健,穂苅量太
 5.感染症法  森屋恭爾
 6.蘇生や治療の中止の決断,終末期医療(非がん疾患)  加藤孝征,大澤 仁

第9章 医療文書の書き方
 1.診療記録・処方箋・診断書・死亡診断書  藤谷幹浩
 2.紹介状,紹介医師へのお返事  千葉秀幸
 3.退院サマリー  飯田 洋

索引

◆Column
肝臓領域の立場から  榎本信幸
消化管領域の立場から  穂苅量太
10年先を考えた人生計画を  加藤真吾
諺からひとつ「実るほど頭を垂れる稲穂かな」  日暮琢磨
継続は力なり  村田依子
自分の業績をまとめてみよう  久松理一
資格を満たしたら早めに…  綾木麻紀
ICは防衛医療や医療者の自己実現を目的に行うことではない  中谷速男
逆紹介の難しさ  岡本 晋
手術歴は本当にない?  飯田 洋
胃カメラの腕前  春日井邦夫
夜間当直での悪心・嘔吐  加藤真吾
患者さんの希望も様々  河村 修
microscopic colitisとは?  千葉俊美
NSTに参加して感じたこと  朝長元輔
経口補水療法の有効性  千葉俊美
形に異常なければ大丈夫か?  瓜田純久,渡辺利泰
貧血の原因精査の心構え  平下有香,村上和成
Tea Break  大久保秀則
原発性アミロイドーシスが原因であった一例  浪崎 正,吉治仁志
特発性門脈圧亢進症の歴史  赤星朋比古,橋爪 誠
外来診療での肝機能障害  西川太一朗,伊藤義人
診断が確定しても安心せずに  山際 訓,寺井崇二
HBV cccDNA  田中榮司
ウイルス性肝炎は克服できるか?  田中靖人
膵・胆道疾患の内視鏡治療を始める前に─日常診療を大切に─  五十嵐良典
心に残った症例  小西 毅
経験談・失敗談  森 英毅
胃静脈瘤の治療  國分茂博
血球成分除去療法のメリット  飯島英樹
他科との連携  野中 敬
気合い  廣谷あかね
肝生検後の出血の経験  阿部雅則,日浅陽一
右大腿静脈穿刺のコツ  吉岡奈穂子
最後の砦  権 勉成,前谷 容
経験数が増えても慢心は禁物  建石良介
急性肝不全に対する血液浄化療法の歴史  井上和明
内視鏡検査の習得  今枝博之
挿入困難には理由がある  水上 健
小腸造影に挑戦してみよう  藤井俊光
国内外で異なる内視鏡  水上 健
Crohn病とカプセル内視鏡  井上拓也,樋口和孝
低栄養時の栄養投与は注意  木下和久,乾 明夫
十二指腸腫瘍症例  利野 靖
内視鏡は右手の固定が大事  水島 健
「大胆かつ繊細に」  良沢昭銘
介助のススメ  安田一朗
学会・論文発表のススメ  安田一朗
新所見の発見  岸本有為,五十嵐良典
Crohn病の小腸内視鏡挿入に伴う穿孔  遠藤 豊
ステント留置の適応は慎重に  大久保正明
常に謙虚に  齋藤 格
上部消化管造影は過去の遺物か  藤井俊光
機能性疾患にご用心  勝又 諒,塩谷昭子
MRI検査費は?  熊野正士,村上卓道
思わぬ落とし穴  佐々木誠人
短腸症候群と中心静脈栄養療法  河口貴昭
Barrett食道の臨床的意味  木下芳一,石村典久
鎮静処置の反省エピソード  片岡陽佑
忘れることのできない吐血症例  東納重隆
安易な手術は禁物  大久保秀則
Helicobacter pylori除菌後の指導の今昔  下山 克
酸抑制下のHelicobacter pylori存在診断  下山 克
超音波内視鏡下生検の手技上達のために  澤木 明
若手医師に伝えたいこと  富田寿彦,三輪洋人
FD患者の診療にあたっての心得と心構え  三輪洋人
忍耐が成功に導く  辰口篤志
好酸球性胃腸炎と鑑別を要した寄生虫感染症例  石川智士,松井敏幸
ノロウイルスの猛威  菅 智明
難渋する腸管Behçet病の診断  遠藤宏樹,中島 淳
緊急バルーン内視鏡  遠藤宏樹,中島 淳
軽症の潰瘍性大腸炎だと思ったら感染性腸炎だった!  松永久幸,古庄精一
英国の内視鏡事情  竹内 健
一言アドバイス  藤澤信隆
内視鏡による診断能力をつけるために  永田 務,鶴田 修
胸痛にて発見された高度な食道裂孔ヘルニア  河合 隆
心にのこった患者  仲瀬裕志
急性肝不全の歴史  持田 智
医療の根源の問題─患者の心理についての理解─  眞部紀明
自己免疫性肝炎の診断が遅れないために  大平弘正
肝硬変ではないPB「C」  山際 訓
PBCは合併症にも留意しよう  上野義之
日本の脳死肝移植の現状  乾 あやの,藤澤知雄
問診の重要性  松田秀岳,中本安成
妊娠と放射線検査  古賀風太,江口有一郎
厚生労働省難治性疾患等政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」  赤星朋比古,橋爪 誠
安易な胆囊摘出術を行うべからず  良沢昭銘
恩師の格言  米田政志
atypical PSCの発見  大原弘隆,中沢貴宏
IgG4関連硬化性胆管炎と原発性硬化性胆管炎(PSC),胆管癌との鑑別  神澤輝実,来間佐和子
胆管非拡張型膵・胆管合流異常の早期発見  神澤輝実,千葉和朗
ここが変わった!急性膵炎診療ガイドライン2015(第4版)  伊藤 謙,五十嵐良典
急性膵炎診療ガイドライン2015のモバイルアプリケーションが作成された!  伊藤 謙,五十嵐良典
EMR / ESD後のHelicobacter pylori除菌療法  後藤田卓志,草野 央
わが国における対策型胃がん検診  後藤田卓志,草野 央
内視鏡医の立場から  猪又寛子,炭山和毅
がん治療を上手にするためには?  浜本康夫
がん告知問題の行方  日下部明彦
膵癌早期発見例の思い出  伊佐山浩通
本当に膵癌?  尾阪将人,笹平直樹
放射線治療タイミングの重要性(最後の手段ではない)  寺原敦朗
緩和ケアは地味なのか⁉  馬渡弘典
コンパニオン診断薬の開発と問題点  西田直生志
技術だけでなく患者に接する態度の研修も重要  中谷速男
まずは自らを,正しい感染予防策で護りましょう!  満田年宏
対人関係の構築  加藤孝征
心のこもったお返事を  千葉秀幸
困った経験  飯田 洋

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序文

シリーズ総監修の序

 「研修ノート」は,かつての「研修医ノート」シリーズを全面的に刷新し,新シリーズとして刊行するものである.
 旧シリーズ「研修医ノート」は内科研修医のためのテキストとして1993年に出版された.その後,循環器,産婦人科,小児科,呼吸器,消化器,皮膚科など,診療科別に「研修医ノート」が相次いで刊行された.いずれも一般のマニュアルとは異なり,「基礎的な手技」だけではなく「医師としての心得」や「患者とのコミュニケーション」などの基本,あるいは「書類の書き方」,「保険制度」など,重要ながら平素は学ぶ機会の少ない事項を取り上げ,卒後間もない若手医師のための指導書として好評を博してきた.
 しかしながら,時代の変化により研修医に要求される内容は大きく変化した.地域医療の確保が社会問題化するなかで,研修教育の充実はますます重要となった.さらに医療への信頼回復や医療安全のためには,患者やスタッフとのコミュニケーションの改善も必須である.
 このような状況に鑑み,「研修医ノート」シリーズのあり方を再検討し,「研修ノート」の名のもとに,新シリーズとして刊行することとした.読者対象は後期研修医とし,専門分野の決定後に直面するさまざまな問題に対する考え方と対応を示すことにより,医師として歩んでいくうえでの“道標”となることを目的としている.
 本シリーズでは,全人的教育に必要な「医の基本」を記述すること,最新の知見を十分に反映し,若い読者向けに視覚的情報を増やしながらも分量はコンパクトとすることに留意した.編集・執筆に当たっては,後期研修医の実態に即して,必要かつ不可欠な内容を盛り込んでいただくようお願いした.“全国の若手医師の必読書”として,本シリーズが,長く読み継がれることを願っている.
 終わりにご執筆頂いた諸先生に心より感謝を申し上げます.

2016年3月吉日
自治医科大学学長
永井良三



編集の序

 消化器内科は7つの臓器を網羅する非常に広汎な臨床領域である.専門医制度の変化などがどう進むとしても,その重要性が増すことはあっても減ることはない.しかし,臨床研修の期間,医師は多忙であり勉強する時間が少ないといったジレンマを抱えている.本書は消化器内科で研修するレジデント向けに,限られた時間に必要最低限のエッセンスを提供することを目的として,今回編集改訂を行った.このたびの執筆者も国内第一線のエキスパートで,臨床現場に即した活きた解説になっている.
 目の前の患者を見て,重厚な教科書を紐解くのも一つの選択であるが,最低限本書を読むことで「病気を理解して」消化器内科の研修を行うことができると考える.多忙の研修医にとって,わずかな時間で日々出合う疾患をマスターするには最適といえよう.本書はさらに医師の心構えや将来展望,患者とのトラブルシューティングに至るまで網羅している.経験のない病気を受け持った際に本書を開けば,極めて短時間に疾患の把握ができるようになっている.
 必ずや日々の消化器内科研修でおおいに役立つことと確信しているのでぜひ活用いただきたい.

2016年3月吉日
編集者を代表して
横浜市立大学肝胆膵消化器病学教授
中島 淳