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書籍詳細

続・イメージからせまる小児神経疾患50診断と治療社 | 書籍詳細:続・イメージからせまる小児神経疾患50
―症例から学ぶ 診断・治療プロセス―

一般社団法人

日本小児神経学会  編集

神奈川県立こども医療センター神経内科

後藤 知英 (ごとう ともひで) 監修

公益財団法人 東京都医学総合研究所脳発達・神経再生研究分野

林 雅晴 (はやし まさはる) 監修

帝京大学医学部附属病院放射線科学講座

豊田 圭子(とよだ けいこ) 画像監修

初版 A4判 並製 138頁 2015年11月25日発行

ISBN9784787822314

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定価:6,270円(本体価格5,700円+税)
  

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『イメージからせまる小児神経疾患50』の続編.日本小児神経学会機関誌「脳と発達」の連載25症例と書き下ろし25症例を掲載.1頁めは問題として画像・症状・臨床経過を掲載し,2頁めには解答と解説を掲載している.画像や症状等からどのような疾患が考えられるか,どのような検査が必要かを,読者が考えながら読み進められるようになっている.臨床だけでなく専門医試験対策にも役立つ一冊.

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目次

口絵カラー
序 文
執筆者一覧
疾患別索引

case  1 精神運動発達遅滞と大脳基底核に石灰化を認めた7歳女児
case  2 けいれん,意識障害と両側視症に画像異常を認めた3歳男児
case  3 発熱に伴いけいれん,意識障害を呈した2歳女児
case  4 左腓骨骨折後に1年間で徐々に左片麻痺が進行した11歳男児
case  5 立ち上がりにくい,ころびやすい7歳男児
case  6 脊柱前彎・尖足・知的障害・てんかん・難聴を有する14歳男子
case  7 運動発達遅滞と筋緊張低下を呈する8カ月女児
case  8 発達の遅れを主訴に受診した4歳男児
case  9 易骨折性を認め,乳児期より退行を示した1歳男児
case 10 貧血と好中球減少症,特徴的な骨X線所見を呈した6歳男児
case 11 運動発達の退行,摂食障害,呼吸障害を呈した1歳女児
case 12 進行性の筋力低下,運動不耐を呈した13歳男子
case 13 多発性皮下腫瘤を呈した5歳男児
case 14 筋緊張亢進と多発性皮下腫瘤を認めた9歳男児
case 15 突然の頭痛,嘔吐を起こした結節性硬化症の5歳男児
case 16 頭部MRIで脳内に多発性病変を指摘され,四肢体幹に特徴的白斑を呈する9歳男児
case 17 生下時より皮疹を認め,末梢血の好酸球増多をきたした新生女児
case 18 発熱を繰り返した3カ月男児
case 19 感染症をきっかけに退行が進行する1歳男児
case 20 慢性頭痛,体重減少,嚥下障害を示した12歳女児
case 21 いびき・運動発達の遅れを合併した四肢短縮型低身長症の2歳女児
case 22 無熱性けいれんと脳内血腫を呈した2歳男児
case 23 低身長の精査で頭蓋内腫瘍が発見された5歳男児
case 24 出生時より奇異呼吸を伴う呼吸不全をきたした新生女児
case 25 軽症頭部外傷後に麻痺をきたした1歳男児
case 26 突然の嘔吐,眼球運動異常をきたした6カ月男児
case 27 活気低下を主訴に受診した6カ月男児
case 28 持続的な単純部分発作を呈する4歳女児
case 29 てんかん発作を繰り返し,知的退行を呈した10歳男児
case 30 視覚障害を呈した10歳男児
case 31 新生児期から著しい低緊張,球麻痺を認めた4歳女児
case 32 右眼の外転障害を呈した2歳男児
case 33 低身長,発達遅滞を認める3歳女児
case 34 単麻痺に心雑音を伴った9カ月男児
case 35 胎児期からの水頭症と,筋緊張低下,肝障害, 治療抵抗性けいれんを認めた新生女児
case 36 特異な顔貌とけいれんを認める5歳男児
case 37 難治てんかんとアテトーゼ型四肢麻痺を示した35歳男性
case 38 1年前から運動時の下肢痛が出現し速く走れなくなった11歳男児
case 39 緩徐進行性の運動失調を認める13歳男子
case 40 精神運動発達退行と舞踏アテトーゼを呈する3歳男児
case 41 歩行障害と偏視を呈した3歳女児
case 42 てんかん発症後に視力障害をきたした7歳女児
case 43 急性白血病で慢性移植片対宿主病の治療中に頭痛・嘔吐を起こした13歳女子
case 44 新生児期からの嘔吐を主訴に来院した3カ月女児
case 45 運動障害・嚥下障害で発症し2年11カ月の経過で死亡した3歳女児
case 46 発達の退行と血液検査でAST,LDHの軽度上昇を認めた3歳女児
case 47 乳児期より発達遅滞・肝腫大を呈し,けいれんと退行を認めた1歳男児
case 48 退行,けいれん,聴覚過敏を認める11カ月男児9
case 49 両下肢しびれ・易疲労感を主訴とした8歳男児
case 50 バランスの悪化と頭痛を訴える4歳女児

◆Column
1 筋疾患の診断手順と遺伝子検査
2 小児神経疾患における MR spectroscopy(MRS)の臨床応用
3 治療可能な小児神経疾患 
4 硬膜下血腫の診断のポイント 
5 脳回形成メカニズムと大脳皮質内神経細胞数の変動について

略語一覧 
索 引

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序文

 本書は,2010年に出版された『イメージからせまる小児神経疾患50』の続編となります.日本小児神経学会の和文学会誌「脳と発達」に,2010年42巻3号から2014年46巻3号まで“Images in Child Neurology”として掲載された25症例に,新規に25症例を追加して50症例とし,今回,刊行する運びとなりました.
 “Images in Child Neurology”は,「目でみてわかる画像・検査所見を提示し,クイズ形式を通じて典型的・教育的あるいは希少な疾患・症例の診断プロセスを例示するコーナー」として,「脳と発達」誌上において企画・連載されました.したがって,本書のタイトルには「イメージ」とありますが,目的とするところは画像のアトラスを刊行することではありません.「イメージからせまる」,すなわち,実際に症例を前にした時に,臨床経過・症状・画像所見から,どのような疾患を考えるか・どのような検査を進めるか・どのようなことに注意する必要があるのか,診断にいたるまでのプロセスを読者に疑似的に体験してもらうことが,本書の重要な目的となっています.
 本書では,巻頭から順に読み進めていく中で体系的な知識が得られるよう,同様の所見を呈する疾患・同様のカテゴリーに含まれる疾患を,ある程度連続して収載しました.一方で連想にとらわれることなく様々な症例を疑似体験できるよう,当初の企画に示されたクイズ的な要素も残すべく,症例配置を試みました.画像はカラーでなくては伝わらないものもあります.今回も多数のカラー写真を「口絵カラー」として収載しました.本書に登場する略語は「略語一覧」としてまとめ,また,さらに広い知識を得ていただくことも想定して,前書に収載された疾患のページ番号も「疾患別索引」に収載しましたので,本書と合わせて前書もご活用いただければと思います.
 本書の原稿は,若手からベテランまで広い年齢層の先生方にご執筆いただきました.“Images in Child Neurology”の連載および新規症例を収載するにあたり,紙面の構成や表現の統一のため,監修者から細々と,あるいは大胆な変更をお願いするケースもしばしばありましたことをお詫びいたしたく思います.その一方で,規定された文字数や書式,目的に従い,その中において必要十分で簡潔な記載をすること,論理的で科学的な文章を作成することの重要性についても強調したいと思います.
 最後になりますが,本書を上梓するにあたり,今回もたくさんの方々にご助力いただきました.各症例とコラムを執筆してくださった先生方はもちろん,「脳と発達」誌掲載時に画像についてアドバイスをいただきました帝京大学放射線科 大場 洋先生,脳神経外科系疾患の選定をしていただきました東京都立小児総合医療センター脳神経外科 師田信人先生,そして,ここには記載しきれない多くの関係者の皆様に,厚く御礼申し上げます.

 2015年11月
監修者を代表して 後藤知英