HOME > 書籍詳細

書籍詳細

感染管理とマニュアル作成に活かせる!
千葉大学病院 病院感染予防対策パーフェクト・マニュアル 改訂第3版診断と治療社 | 書籍詳細:千葉大学病院 病院感染予防対策パーフェクト・マニュアル 改訂第3版

千葉大学医学部附属病院感染制御部長・感染症内科教授

猪狩 英俊(いがり ひでとし) 監修

千葉大学医学部附属病院感染制御部看護師長

千葉 均(ちば ひとし) 編集

改訂第3版 B5判 並製 180頁 2023年08月04日発行

ISBN9784787826312

定価:4,180円(本体価格3,800円+税)
  

立ち読み機能は、ただ今準備中です  


電子版はこちらからご購入いただけます.
※価格は書店により異なる場合がございます.


(外部サイトに移動します)

(外部サイトに移動します)

5類移行後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19),エムポックス(サル痘)等の対応をはじめ,COVID-19パンデミック下での教訓を積み重ね培われた千葉大学病院のノウハウを余すところなく盛り込んだ,感染予防対策マニュアル改訂第3版.本書は千葉大学病院で実際に使用されているマニュアルを再編集し書籍化.各医療機関で実際にマニュアルを作成する際の「素材集」としても活用いただける,現場で幅広く役立つ1冊です.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

刊行にあたって 
マニュアル作成・改訂執筆者一覧 
本マニュアルの活用方法 
千葉大学病院病院感染対策の体制

A 標準予防策 
 1 標準予防策 
 2 手指衛生 
 3 個人防護具(PPE) 
  ・手袋 
  ・サージカルマスク 
  ・N95マスク 
  ・エプロン,ガウン 
  ・フェイスシールド,アイシールド 
  ・キャップ,シューズカバー 
 4 洗浄,消毒,滅菌 
  ・洗浄 
  ・消毒 
  ・滅菌 
  ・機材の処理方法 
 5 病院環境整備と清掃,ゾーニング 
  ・リネン類の管理 
  ・使用済みリネン類の分別・回収方法 
  ・清拭タオルの取り扱い 
  ・ベッド,マットレス,車いす,ストレッチャーの衛生管理 
  ・空調管理 
  ・咳エチケットとユニバーサルマスキング 

B 職業感染対策 
 1 職業感染と予防対策 
 2 針刺し・切創,皮膚・粘膜曝露直後の対応 
 3 針刺し・切創,皮膚・粘膜曝露のフォロー基準 
 4 針刺し外来 
 5 職員の抗体検査と予防接種 

C 感染経路別予防策 
 1 感染経路別予防策とは 
 2 接触感染予防策 
 3 飛沫感染予防策 
 4 空気感染予防策 

D 病原体別対応 
 1 流行性角結膜炎 
 2 インフルエンザ 
  ・入院患者のインフルエンザ発生時の対応 
  ・職員のインフルエンザ発生時の対応 
 3 水痘・帯状疱疹 
 4 麻疹 
 5 風疹 
 6 流行性耳下腺炎(ムンプス) 
 7 ウイルス性胃腸炎 
 8 RSウイルス 
 9 腸管出血性大腸菌 
 10 結核 
  ・結核(疑い含む)発生時の対応 
 11 疥癬 
 12 クロストリディオイデス・ディフィシル(CD)関連下痢症 
 13 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD) 
 14 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
 15 基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌 
 16 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE) 
 17 カルバペネム耐性緑膿菌 
 18 多剤耐性緑膿菌(MDRP) 
 19 多剤耐性アシネトバクター(MDRAB) 
 20 バンコマイシン耐性腸球菌(VRE) 
 21 新型コロナウイルス(COVID‒19) 
  ・外来患者のCOVID‒19発生時の対応 
  ・入院患者のCOVID‒19発生時の対応 
  ・職員のCOVID‒19発生時の対応 
 22 SARS・MERS 
 23 エムポックス(サル痘) 

E 感染症患者発生報告 
 1 法的届出の方法と連絡体制 
 2 感染症法対象疾患と届出(結核を含む) 
 3 学校保健安全法 
 4 患者・家族への対応基準 
 5 食中毒発生時の報告・連絡体制 
  ・病院食提供による食中毒(疑いを含む)が発生した場合 
  ・職員間での食中毒(疑いを含む)が発生した場合 

F アウトブレイク 
 1 アウトブレイク時の対応 
  ・アウトブレイク時の基本的対応 
 2 アウトブレイク時の周知手順 
  ・アウトブレイク時の周知と各部門の対応 

G 検体の取り扱い 
 1 細菌検体採取方法と検体の取り扱い方 
 2 検体別採取方法 

H 処置・ケア関連 
 1 血液培養採取 
 2 カテーテル関連血流感染(CABSI)防止 
  ・中心静脈カテーテル管理 
  ・末梢静脈カテーテル管理 
 3 部署における注射薬の調製・管理 
 4 尿道カテーテル関連尿路感染(CAUTI)防止 
  ・尿道カテーテル管理 
 5 人工呼吸器関連肺炎(VAP)防止 
 6 口腔ケア 
 7 手術部位感染(SSI)防止 
  ・手術部位感染管理 
  ・包交時の管理 
  ・包交車 
  ・包交時の感染性廃棄物の管理 
 8 予防接種(ワクチン)接種前後の手術可能期間 
 9 ドレナージ感染予防 
  ・閉鎖式ドレーン管理 
 10 経腸栄養に関する感染対策 
 11 嘔吐物処理時の感染対策 
 12 排泄ケア(オムツ交換)時の感染対策 
 13 軟性内視鏡に関する感染対策 
 14 ICUの感染対策 
 15 NICU/GCUの感染対策 
 16 検査部門の感染対策 
 17 放射線部門の感染対策 
 18 リハビリテーション部門の感染対策 
 19 手術部の感染対策 

I 抗菌薬適正使用 
 1 抗菌薬適正使用とは 
 2 抗菌薬の許可制と届出制 
 3 抗菌薬投与指針 

J 廃棄物取り扱い 
 1 感染性廃棄物 

付録 
おもな略語一覧 
参考文献 

ページの先頭へ戻る

序文

刊行にあたって

 『千葉大学病院 病院感染予防対策パーフェクト・マニュアル 改訂第3版』が刊行されます.2015年の初版以来,多くの医療機関で利用され,感染症および感染管理を担当する方々からのご支持をいただくことができましたこと,たいへんうれしいかぎりです.
 第2版は2020年3月に発刊されています.まさに新型コロナウイルス感染症の流行が始まったタイミングでした.手指衛生,マスク着用,3密回避,フィジカルディスタンスといった言葉が毎日のようにテレビ・新聞等でも取り上げられました.医療機関では,標準予防策(プラス接触感染対策,飛沫感染対策,空気感染対策)と呼ばれている感染対策が,言葉を換えて一般の人々に啓発され,COVID—19パンデミック下の実践的行動となりました.
 千葉大学病院でも,新型コロナウイルス感染症に関する知見を得るごとに,新たな対策を導入し,強化する日々が続きました.感染対策に対する意識は,医療従事者のみならず,患者さんの目も厳しくなってきました.当院の感染対策マニュアルでは,感染管理の理念(ミッション,ビジョン,バリュー)を明確にし,SDGsの取り組みにも触れました.
 2022年診療報酬改定では,地域のネットワークで実施する感染対策がより強く打ち出されたと考えています.診療所や行政,医師会との連携が盛り込まれています.COVID—19パンデミックから得られた教訓です.マニュアルは院内限定であり,院外活動に利用することは想定していません.一つ一つの医療機関が主体性をもって,感染対策を強化することは重要です.それが,地域の感染対策の向上につながると考えます.
 本書は,ほぼ千葉大学病院のマニュアルですので,この本をみている皆様にとっては,「マニュアルに利用できる素材集」です.ぜひ,皆様の医療機関の事情に合わせて,加筆修正してください.そして,皆様の医療機関で実践できるものへブラッシュアップしていただきたいと考えています.
 今回の第3版の刊行にあたり,当院感染制御部 千葉均看護師長を中心に編集作業を行ってきました.そして,診断と治療社 編集部の坂上昭子様からは多くの提案と支援をいただきました.この場をかりて御礼申し上げます.本書は,これからも改訂を続けます.皆様からのご意見等をお聞かせいただければ幸いです.

2023年6月

千葉大学医学部附属病院
感染制御部長・感染症内科教授
猪狩英俊