医療系のためのやさしい統計学入門
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↓「仮説を否定(棄却)する」↓「割合が異なる」 といういい回しが統計を難しく感P-PoPo(1-Po) z = n男女AB*6 補足 通常の多くの場合,有意水準を  5  %  としておけば大きな問題はないと思います.*7 メモ この 「割合が等しいと仮説を立てる」*8 補足 Excel  では =(0.45−0.35)/SQRT((0.35*9 補足 喫煙の有無,飲酒の有無などで  2  群に分けて比較する場合も同様です.*10 補足 臨床系の研究では検定を中心にした解析を多く目にする印象はありますが.*5  補足 「z  値」とは偏差値のようなもので,z  =  0  が平均値を表し,z  =  1  は平均+標準偏差を表します.じさせる一因かもしれません.*(1−0.35)/100)) と入力して計算します.ある集団を2群に分けて…集団疾患Aの有病率疾患Aの有病率比較したい!推定が望ましい異なる2つの集団間で…集団集団比較したい!推定が望ましい0.5%0.8%MRSA保有割合MRSA保有割合0.1%0.2% 式だけではわかりにくいので,同じ[例  1  ]で考えてみましょう. 帰無仮説:担当地区住民の運動実施割合は県平均と等しい.したがってこの帰無仮説は棄却され,「等しいことはない」となり,「担当地区住民は県平均に比べて有意に運動実施割合が高い」といえます. 県平均との差の 95 % 信頼区間は 0.3 % 〜 19.6 % でした.あなたの担当地区の住民の方は少なくとも 0.3 % は県より運動実施割合が高い(差は 0 % ではない=実施割合は等しくない)ということです. ある集団を 2 群に分けて何かの割合を比較するような場面は多いと思います.たとえば,住民の男女別に,ある疾患の有病率を比較するような場合などです*9.また,異なる 2 つの母集団での何かの発生割合を比較する場合,たとえばA病院とB病院の入院患者のMRSAの保有割合を比較する場合などもあります.比較する方法としては検定と推定がありますが,提供される情報量等の観点からも推定が望ましいと思われます*10. 通常「 2 つの群(または,3 つ以上のすべての群)での割合は等しい」という帰無仮説でカイ  2  乗検定を行います. (P: 標本集団の割合,Po : 基準の割合,n: 標本集団の対象者数)5.割合の差(推定と検定)5151 z = …20.45-0.350.35(1-0.35) = 2.097 > 1.96 *81002)差の検定 ここでは 1 つの母集団の割合の検定を行います.帰無仮説を「ある標本集団での割合は基準となる集団の割合と等しい」とします.  z 値*5を算出し,「有意水準 5 % とした場合に,この値が−1.96 より小さい,または 1.96 より大きければ,この帰無仮説を否定する」すなわち「この標本集団での特定事象の出現割合は基準となる割合と異なっている」ということになります*6,7.z 値は次の式で算出します.1)検定を行う場合B2  群の割合の差

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