1980引いて調べる 先天代謝異常症
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18ミトコンドリア脂肪酸代謝疾患名遺伝子,欠損酵素の特徴頻度NBS対象臨床病型急性発作の特徴カルニチントランスポーター欠損症SLC22A5遺伝子の異常によるsodium ion-dependent carni-tine transporter OCTN2の異常症.日本で28万人に1人2次対象多くは乳幼児期発症型.・感染や飢餓を契機に嘔吐,けいれん,意識障害で発症.・Reye様症候群 ⇒p92 で発症することもある.・非(低)ケトン性低血糖症 ⇒p126 ,高アンモニア血症 ⇒p106 ,肝機能障害,高CK血症 ⇒p107 ,ミオグロビン尿 ⇒p129 .肝腫大 ⇒p66 ,脂肪肝 ⇒p71 ,心拡大,筋力低下などを示す.・低血糖発作でなく,進行性心筋症 ⇒p73 や筋力低下で発症することも多いCPT1欠損症(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ欠損症)CPT1A(肝臓型アイソザイム)の欠損症.カルニチンサイクル ⇒p47 の第1酵素,ミトコンドリア外膜に存在.日本で39万人に1人1次対象多くは乳幼児期発症型.・新生児~幼児期に,非(低)ケトン性低血糖 ⇒p126 ,肝機能障害の発作(Reye様症候群 ⇒p92 )で発症.・小児期の発作の後遺症がなければ非発作時は無症状・尿細管性アシドーシスを呈することがある.CACT欠損症(カルニチン・アシルカルニチントランスロカーゼ欠損症)SLC25A20というキャリアタンパクがCACTである.ミトコンドリア内膜に存在.まれ2次対象長鎖脂肪酸β-酸化異常症基本3病型 ⇒p80 が認められる.①新生児発症型(重症型)②乳幼児期発症型(中間型)③遅発型(骨格筋型)①新生児発症型(重症型)・新生児期に肝障害,心筋症 ⇒p73 ,非(低)ケトン性低血糖症 ⇒p126 で発症.・心筋障害が強く,治療に反応しない場合もある.・新生児型では腎臓などの奇形を伴うこともある.②乳幼児期発症型(中間型)・感染症,絶食などに伴って嘔吐,意識障害,けいれんをきたす.・乳幼児突然死症候群 ⇒p83 ,Reye様症候群 ⇒p92 として発症することもある.・非(低)ケトン性低血糖症 ⇒p126 ,高アンモニア血症 ⇒p106 ,肝機能障害,肝腫大 ⇒p66 ,脂肪肝 ⇒p71 を呈する.・骨格筋も障害されて高CK血症 ⇒p107 がみられる.・肥大型心筋症 ⇒p73 を伴うこともある.③遅発型(骨格筋型) ・成人のみでなく,幼児期から思春期に,筋痛,筋力低下,横紋筋融解症 ⇒p65 を発症することが多い.・運動だけでなく,立ち作業や飢餓,精神的ストレスでも筋症状が誘発される.・低血糖,高アンモニア血症 ⇒p106 は示さず,高CK血症 ⇒p107 ,トランスアミナーゼ上昇,ミオグロビン尿 ⇒p129 を呈する.どの型においても遊離脂肪酸/総ケトン体比は高値.CPT2欠損症(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ欠損症)CPT2遺伝子の欠損症.カルニチンサイクル ⇒p47 の第3酵素でミトコンドリア内膜結合してマトリックス側に存在.日本で28万人に1人2次対象VLCAD欠損症(極長鎖アシル- CoA脱水素酵素欠損症)ACADVL遺伝子の異常症.長鎖脂肪酸β酸化系 ⇒p61 の第1酵素である.日本で16万人に1人1次対象TFP欠損症(三頭酵素欠損症)TFPはHADA,HADBの2遺伝子によりコードされたα,βサブユニットからなる酵素で,どちらかの遺伝子異常による.長鎖脂肪酸β酸化系 ⇒p61 の第2~4段階の3酵素活性をもつ.まだ頻度は不明であるが,日本で5例以上の報告あり1次対象MCAD欠損症(中鎖アシル- CoA脱水素酵素欠損症)ACADM遺伝子の欠損症.中鎖~短鎖の脂肪酸β酸化系 ⇒p61 の第1ステップ.日本で11万人に1人1次対象多くは乳幼児期発症型(海外では新生児期発症例もある).・正常に発育発達していた乳幼児が感染.長時間の飢餓を契機に嘔吐意識障害,けいれんなどで発症.・乳幼児突然死症候群 ⇒p83 のパターンをとることもある.・急性期肝腫大,肝機能障害,低血糖,高アンモニア血症がみられる.脂肪酸代謝異常症カルニチンサイクル異常症を含む5

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