2015頭頸部エコーアトラス
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1耳下腺17b 耳下腺腫瘍 カラードプラ(横断像) 腫瘍深部に顔面後静脈および外頸動脈が接している.図10 腫瘍表層の耳下腺組織の厚さによる耳下腺腫瘍の局在診断(右耳下腺)a 耳下腺深葉多形腺腫 手術所見深葉の腫瘍であったため,耳下腺浅葉を挙上した後,顔面神経を持ち上げ,深葉の腫瘍を周囲組織より剝離し摘出した.b 耳下腺深葉多形腺腫 手術所見顔面神経は切断せずに腫瘍の脇に寄せ,神経の深部に存在した腫瘍を摘出した後に,神経を元の走行に戻した.c 耳下腺深葉多形腺腫 摘出標本と耳下腺浅葉組織d 耳下腺深葉多形腺腫 摘出標本腫瘍は表面平滑な被膜に覆われたほぼ球形の腫瘍で,最終診断は多形腺腫であった.図11 耳下腺深葉多形腺腫(図10の症例の手術所見)良性腫瘍A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・耳下腺腫瘍の約70%を占める.30~60代に多く,男女比は1:2で女性に多い.病理組織学的には主として2種類の細胞(上皮性細胞と筋上皮細胞)から構成され,多彩な組織像を呈する.腺腫様組織は上皮性細胞に,粘液腫様組織ないし軟骨様組織は筋上皮細胞に由来すると考えられている.周囲との癒着はなく可動性良好であり,顔面神経麻痺も認められないが,経過中に悪性変化を生じる可能性もあるため,良性と判断しても早期に摘出術を行うのが望ましい.1耳下腺多形腺腫腫瘍顔面後静脈下顎骨外頸動脈11b11a11d11c.06010b

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