2138養護教諭のための発達障害児の学校生活を支える教育・支援マニュアル
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  2  総 論はじめに 2008(平成20)年度中央教育審議会答申では,「現代的な健康課題の多様化により,医療機関などとの連携や特別な配慮を必要とする子どもが多くなっているとともに,特別支援教育において期待される役割も増してきている」と述べられている.さらに,「養護教諭がその役割を十分果たせるようにするための環境整備が必要である」1)ことが示されている等,養護教諭の新たな役割として,以下の内容が示されている. すなわち,新たな役割には,養護教諭が発達障害をもつ子どもの学校生活を支えるために必要とされる重要な観点が示されているといえよう.そこで,改めて,養護教諭の専門性とは何か,保健室のもつ機能とは何かについて,振り返り,確認したうえで学校保健活動全体を通じて,支援のあり方を考えることが大切である.ポイント養護教諭の専門性,保健室機能をいかした支援を実施する保健室でなければ捉えられない情報や知見を提供する障害特性を理解し,特性に合った保健教育を行うための教育技術,教材開発,指導力の向上をはかる校内外の人材,組織,機関をつなぐコーディネーターとしての役割を担う学校保健活動,全体を通じて支援の方策を考える総 論1発達障害児の学校生活を支えるために養護教諭ができること① ‌‌学校内及び地域の医療機関等との連携を推進し,コーディネーターとしての役割を担う② 養護教諭の職務の特質からいじめの早期発見・対応及び新しい知見の提供③ ‌‌養護教諭が子どもの現代的な課題に適切に対応していくためには,常に新たな知識や技能などを習得していく必要がある④ ‌‌深刻化する子どもの現代的課題の解決に向けて,学級担任や教科担任等と連携し,養護教諭の有する知識や技能などの専門性を保健教育に活用することが求められている

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